【建築設備士2次】初受験の感想|時間が足りない…を防ぐ時間配分と対策(電気)
目次
令和6年度 建築設備士「第二次試験(設計製図)」を初受験してきました。もちろん選択は電気です。
まず受験してみての率直な感想は、ひとことで言うと「試験時間が全く足りない」でした。
試験時間は5時間30分もあるので、正直「余裕でしょ」と思っていたのですが、全く見通しが甘かったです。
これから受験する人に一番伝えたいのは、知識量よりも“時間の使い方(手の動かし方)”が合否に直結するという点です。
公式の試験案内・日程・発表等は(公財)建築技術教育普及センターのページが一次情報なので、まずここをブックマークしておくのがおすすめです。
関連記事(先に読んでおくと本番がラク)
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令和6年度建築設備士2次試験後の感想
第二次試験は、ざっくり言うと「文章で書く(共通文章)」+「選択(自分の専門)を解く」+「共通作図(空調・衛生・電気)」を、同じ5時間30分の中で全部やる試験です。
そしてこの試験の怖いところは、“1問1問を丁寧に考えるほど時間が溶ける”点です。
逆に言えば、事前に「書く型(テンプレ)」と「時間配分」を決めておくほど、本番が楽になります。
おすすめ:本番の時間配分(目安)
- 共通文章(11問):80〜90分(1問あたり7〜8分)
- 選択(電気):110〜120分
- 共通作図(空調・衛生・電気):各25〜30分×3
- 見直し:10〜15分(最低でもここを確保)
※もちろん得意不得意で上下しますが、「見直し10分を先に予約」してから逆算すると崩れにくいです。机の上がカオスになりがちな人は、答案用紙や長丁場対策の記事も事前に見ておくと安心です。
共通文章問題11問についての振り返り
まず共通の文章問題を11問解くのですが、これに2時間かかりました。想定は1時間だったので、倍の時間が掛かってしまいました。
思い起こせば、この文章問題の試験対策において、一度も時間を測って実際に記述したことがなかったんですよね。
「なんとなく1時間もあれば11問書けるでしょ~」という甘い感覚だったことが悔やまれます。せめて一度は実際に記述して、何分ぐらいかかるか測るべきでした。
さらに時間が掛かった要因として、過去問と同じ出題が少ないことが挙げられます(体感で70%程度が新問、または過去問の発展型)。
考えれば何かしら記述はできるのですが、記述する文章を頭の中で3つ組み立てて、それを一つずつ書いていく作業は想像以上に時間が掛かりました。
問題もクセがあり、例えば
- 「中央式給湯設備における給湯配管の計画の要点」
- 「循環式浴槽における循環配管の計画の要点」
が出題されており、心の中で『いや、どっちも配管の記述かい!配管好きやな!似たような事しか書けんわ!』とツッコミを入れました。
配管縛りにより、試験前に覚えてきた「書きたかったこと」の大部分を封印されてしまった感じです。
こういう“似た論点の連続”に当たったときの対策としては、同じテーマでも「別の切り口」を用意しておくのが効きます。
たとえば「配管の計画の要点」は、次のように型を決めておくと早いです。
文章問題の“型”(例:計画の要点)
- 安全:漏水・腐食・逆流・感電・火災・避難の観点(対策を1つ)
- 維持管理:点検しやすさ、清掃性、バルブ類のアクセス、更新性
- 性能:圧力損失・温度低下・騒音・水質(必要なら)
- 省エネ/BCP:断熱、循環制御、冗長性、非常時対応
→ これを2〜3項目に絞って書くと、どんな変化球でも最低限の答案が作れます。
さらに、「避難口誘導灯において、点滅機能及び音声誘導機能を有する誘導灯の計画の要点」という問題も出題され、変化球すぎて電気が専門の私も何を書けばよいか困りました。
この手の“機能付き誘導灯”は、ド真ん中のキーワードだけ拾うと、答案が作りやすくなります。例えば次のような方向性です。
- 連動:自動火災報知設備等の火災信号と連動し、誘導の点滅・音声を適切に動作させる
- 電源:常用電源断でも動作するよう非常電源(内蔵蓄電池等)を考慮する
- 配置:避難動線に沿って視認性・聴取性が確保できる位置(遮へい・騒音も配慮)
全体を通して、アドリブでいろいろ書きましたが、正直なにを書いたかあまり覚えておりません…。
ただ、空白は作らないように書けたので、ぼちぼちできていると信じています。
選択科目(電気)の振り返り
だいたいは過去問とほぼ同じ内容で出題されるのですが、数%程度の問題は少し捻られて出題されました。
例えば、テレビケーブルのこう長を求める問題や、発電機の燃料量を求める問題は、少なくとも私が勉強した過去問では見たことがありませんでした。
この“数%の未知問”で焦らないために、次の考え方が有効です。
- 式変形より先に単位確認(W、kW、kWh、L/h、m、dB…)
- 与条件の抜けチェック(効率、力率、負荷率、同時使用、予備率など)
また、電柱引き込み受電は令和5年に引き続き2年連続、低圧非常用発電機は令和4年から3年連続出題されており、
建物規模(延べ面積10,000㎡超え想定)的に「どちらも出題されないだろう」という私の読みを見事に外してきました。
ヤマを張っていた私も悪いのですが、完全にウラをかいてきた試験本部の方々を恐ろしく感じました。
今振り返ると、ここは「出ないだろう」ではなく「出ても最低限書ける」の状態を作るべきでした。
こちらの想定を外されたこともあり、作図も含めて2時間ほど時間が掛かってしまいました。ミスや抜けはあるかもしれませんが、概ねできていると思います(時間は概ね想定通りでした)。
共通作図問題(空調・衛生・電気)の振り返り
共通作図は、作図能力というより「作業の段取り」がそのまま点数になります。
個人的におすすめの段取りは次の順です。
- 最初の2分:条件を拾って、図面に“やることチェック”を箇条書き
- 次の20分:配置・系統を一気に描く(迷ったら仮置きして先へ)
- 最後の5〜8分:数量・寸法・包含円・凡例・漏れを点検
(1)空調
空調は、令和5年度に引き続きファンコイルが出題されました。これも完全にこちらの予想を裏切ってくる出題でした。
「ファンコイルなんて古い建物でしか見たことないけどな…、新営の建物でファンコイル設置すること実際にあるんかな…」などと邪念が生まれましたが、作図自体は何とか30分で完成しました。こちらも事前の想定通りの時間配分です。
(2)衛生
衛生は、令和3年度に出題された浴室の問題ととてもよく似た問題が出題されました。
今回の試験で初めて私の予想通りの問題が出題されたため、苦手な分野でしたが何とか作図できたと思います。こちらも作図時間は30分であり、予想通りの時間配分でした。
(3)電気
電気は、いつもの過去問と違う部屋の形状だったので少し戸惑いましたが、基本的に過去問とほぼ同じ内容でした。
今回の試験から空調機の吹出口が図面上に追加されていましたので、私は「感知器と1.5m以上離す」という文章をあえて書き込み、分かっているよアピールをしておきました。
ただ、時間がなかったため、
- スピーカーの包含円を書き忘れ
- 照明器具間の寸法を記述できず
など、点を落としそうな部分が残りました。それ以外はおそらくできていると思います。こちらも作図時間は30分であり、予想通りの時間配分でした。
電気作図の“落とし穴”は毎年だいたい同じなので、次回受験者向けにチェックリストを残しておきます。
(道具で作業効率が結構変わるので、未確認なら持ち物記事もどうぞ)
電気作図:直前チェックリスト(例)
- 照明:台数・配置・寸法(必要条件の書き落としがないか)
- 感知器:吹出口との離隔、設置条件の明記
- 非常放送:スピーカーの包含(カバー)と数量
- コンセント:用途(一般/専用)と配置理由が条件に合っているか
- 凡例・注記:記号の定義、条件文の書き込み漏れがないか
見直し時間の振り返り
ここまで解いてきて、試験時間5時間30分のうち、5時間28分を費やしてしまっていました。
慌てて見直してスコットトランスの電圧を高圧から低圧に修正したり、共通作図電気の抜けていた照明器具台数を記述したりしましたが、そうこうしているうちにタイムアップとなってしまいました。
今考えると、ここは完全に戦略ミスで、「見直し時間がゼロ=致命ミスの可能性が残る」状態になります。
次回以降は、どこかで思い切って次のような割り切りが必要だと感じました。
- 共通文章は満点を狙わず「型で7割」を取りにいく(考えすぎない)
- 悩む設問は“仮で書いて先へ”(後で戻る前提にする)
- 見直しは“配点が大きいミス”から潰す(電圧・系統・台数・条件の矛盾)
特に「答案用紙の入れ替え」「机の上の配置」「消しカスで線が滲む」みたいな地味なロスが積み重なるので、
試験前に一度 答案用紙や長丁場対策 を読んで、机上シミュレーションしておくのがおすすめです。
まとめ
受験を終えての手ごたえですが、全部記述はできたので、おそらく受かっているのではないかと思っているところです。
ただし、見直しの時間はまったく取れなかったので、絶望的なミスがある場合は、もしかすると落ちているかもしれません。(追記:無事に受かってました)
なお、合格発表日や、試験問題の公表等は公式ページで案内されます。次年度以降に受験する人は、ここだけは一次情報で確認するのがおすすめです。
以上、受験直後の振り返りでした。次回の自分(と、これから受験する方)のために、「時間を測って書く練習」と「文章答案の型」を重点的に鍛えるべきだと強く感じました。