この記事では「初めて電験三種(第三種電気主任技術者)を受験する人が、何から始めて、どう計画を組めば合格に近づくか」を、できるだけシンプルにまとめます。

結論から言うと、最短で半年(=次の試験まで)を狙い、ダメなら科目合格を活かして1年〜1年半で取り切るのが現実的です。


私の電験三種合格記について(実体験)

電験三種については別記事(電験三種の概要・日程・将来性など)にまとめていますので、そちらも参考にしていただけると嬉しいです。

「初受験者が電験三種に合格するための勉強法と計画について」述べる前に、私の合格にまつわる実体験を簡単に共有します(このセクションは飛ばしてもOKです)。

平成23年、参考書をパラパラ読むだけで、ほぼ勉強せずに無謀にも挑戦したところ、運よく「電力」科目だけ合格しました。

電験三種は五肢択一(マーク/CBT)なので、実力が不足していても運で科目合格することはあります。思い返せば、これが恐怖の電験地獄(?)の始まりでした…。

翌年の平成24年、残り3科目に合格するべく過去問中心に勉強を進めた結果、「理論」科目に合格できましたが、「機械」「法規」を落としました。

さらに翌年の平成25年、過去問中心にしっかり勉強した結果、「機械」「法規」に合格し、晴れて電験三種合格となりました。

ここで言いたいことは1つだけです。
運で科目合格しても、その後がラクになるとは限りません。結局、最後は「過去問を回して実力を作る」しかないです。


電験三種初受験者は何から取り組めばよいか

「初めて電験を受験しますが、何から取り組めばよいですか?」という問いに対し、私は以下の順番をおすすめします。

まず押さえておきたい最新の試験制度(CBT/筆記・科目合格)

  • 試験は年2回(上期・下期)で、CBT方式(会場PCで受験)と筆記方式(マークシート)のどちらかを選ぶ形です。
  • 科目合格制度があります。科目ごとに合否が出て、4科目すべて合格で「合格」。一部科目だけ合格した場合は「科目合格」として免除が使えます(免除の扱いは年度・申請条件があるので、受験案内で必ず最新確認してください)。
  • 公式情報(試験日程・試験概要・過去問公開):

最短で半年での資格取得を目指し、叶わなければ科目合格を活かして1年〜1年半での合格を目指します。

電験三種合格のための勉強計画(おすすめ)

  1. 4科目の参考書を購入する
  2. 4科目の参考書をパラパラと眺める(各科目1週間×4科目=1カ月程度)
  3. 過去問を解く(5カ月程度)
  4. 4科目合格を目指し、1回目の試験を受験する
  5. 1回目の受験で落とした科目を勉強し、翌回〜翌年で取り切る(目安:12カ月)

上記①〜⑤について、順番に解説していきます。


4科目の参考書を購入する

電験三種の全体の出題範囲を知るために、参考書の購入は必要だと考えます。また、過去問を解いていて分からないところが出てきた場合にも、参考書で確認します。

TACの「みんなが欲しかった!」シリーズは、初学者でも取り付きやすく、要点が整理されているのでおすすめです。

数学が苦手な方は、最初のつまずきを減らすために「導入用」を挟むのもありです。

 

  • 初心者は「説明が簡潔で、重要点に絞っている」教材が相性良いことが多いです。
  • ただし、簡潔な分「なぜそうなるの?」が気になる人は、別の解説(WEBや動画)で補うと理解が早いです。
  • 公式集は「眺める」より、自分が落とした問題の公式だけ追記して“自分専用の弱点ノート”にするのがおすすめです。

4科目の参考書をパラパラと眺める(各科目1週間×4科目=1カ月程度)

最初の1カ月は「参考書をパラパラと眺める」ことをおすすめします。目的は、

  • 参考書にはどんなことが書いてあるか
  • 試験の出題範囲はどのくらいか

を掴むことです。

おすすめの順番は「理論 ⇒ 機械 ⇒ 電力 ⇒ 法規」です。この順番なら、躓きにくいです。

この段階で理解できないところがあって当然なので、分からない所は潔く飛ばしてOKです。
完璧主義は電験と相性が良くありません。電験三種は100点中60点で合格なので、「解ける問題を増やす」方が重要です。

この1カ月でやると効く小ワザ

  • 各科目の章末問題を1〜2問だけ解いて「計算量・難易度」を体感する
  • 「何が分からないか」をメモしておく(過去問フェーズで回収する)
  • 特に理論は、交流(複素数)と三相が出たら、後で重点的にやる目印を付ける

あまりお金をかけたくない場合はWEBサイトの活用がおすすめ

無課金で攻略したい場合はWEBサイトの活用がおすすめです。以下は定番です(リンクは各サイトの運営方針をご確認のうえご利用ください)。


過去問を解く

電験三種合格のために最も重要なのは「過去問を解く」ことです。過去問を制する者が電験を制すると言っても過言ではありません。

過去問の目安

  • 最低でも10年分(余裕があれば12年分)
  • 直近1〜2年は「傾向確認」程度でOK(深追いしすぎない)
  • 3年以上前は「得点源づくり」としてしっかり回す

おすすめの回し方(これを入れるだけで伸びやすい)

  • 1周目:解けない問題は「解説を読んで理解」よりまず型(パターン)を覚える
  • 2周目:答えを隠して解けるか確認(アウトプット)
  • 3周目:ミスした問題だけを集中的に(弱点潰し)

分からない問題に固執しすぎると、時間だけが溶けてモチベが落ちます。
電験三種は60点で合格なので、捨て問を決めて得点源を増やす方が合理的です。

公式の過去問も活用できます(問題と解答が公開されています)。
第三種電気主任技術者試験の問題と解答(公式)


4科目合格を目指し、1回目の試験を受験する

とりあえず4科目を満遍なく勉強し、まず試験を受けてみましょう。難易度は毎年変わるので、運が良ければその年の簡単な科目に合格できます。

個人的には、科目を絞って受験する(例:理論と電力だけ等)はあまりおすすめしません。

  • 電験三種は科目間のつながり(理論⇔機械⇔電力)が強い
  • 4科目を回すことで理解が立体的になり、結果的に伸びやすい
  • その年の「当たり科目」を拾える可能性がある

CBT方式を選ぶ場合の考え方

  • 同日に4科目連続は、集中力が持たない人も多いです
  • おすすめは「2科目+2科目」や「理論単独→翌日に残り」など、自分の脳のスタミナに合わせて分割
  • 当日は「見直し時間」を確保できるペース配分を優先

1回目の受験で落とした科目を勉強し、翌回〜翌年で取り切る(目安:12カ月)

落とした科目は、過去問の周回を中心にしっかり勉強しましょう。

時間が経つと人間は忘れます。忘れるのは当然なので、「仕方ない」と割り切って、淡々と回すのが勝ちパターンです。

忘れないために必要なのは“繰り返し”だけです。周回速度は早い方が望ましいです。

アウトプット重視のコツ

  • 計算問題:答えを見て「分かった気」にならず、答えを隠して再現できるか確認する
  • 論説(知識問題):暗記カード/クイズ形式で「言えるか」をチェック
  • 弱点ノート:間違えた問題の「論点(何が足りなかったか)」だけ1行で残す

勉強法の考え方は別記事にもまとめています(元記事の内部リンク箇所はそのまま活かしてください)。

いかがでしたでしょうか。これから電験三種を受験しようと思っている方は、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。