家の電気が突然消えた…。そんなときは焦りがちですが、ブレーカー(分電盤)を見れば、原因の方向性はかなり絞れます。

【最優先:危険サインがあるとき】
焦げ臭い/煙/火花/「ビリッ」とくる感覚/分電盤やコンセントが異常に熱い…
無理に復帰せず、可能なら主幹をOFFにして、触らずに電気工事店・管理会社へ連絡してください。火の気配があれば迷わず119。

目次


結論:ブレーカーが落ちる原因はだいたい3つ

ブレーカーが落ちる原因は、ほとんどが次の3つです。

  1. 過負荷(使いすぎ):同じ回路・同じ時間に使いすぎて電流が増える
  2. 契約容量(家全体の上限):家全体で使いすぎて主幹が落ちる
  3. 漏電:機器や配線の劣化、水気などで電気が漏れて漏電遮断器が動作
先に答え(最短ルート)
部屋の一部だけ消えた → 子ブレーカー(分岐)落ち=過負荷が多い
家ぜんぶ消えた → 主幹 or 漏電の可能性
雨の日/水回り/古い家電 → 漏電疑いが濃い(安全優先)

電圧・電流・電力の関係(W=V×A)をざっくり理解すると切り分けが速くなります:電圧・電流・電力とブレーカー原因(基礎)

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まず確認:落ちたのは「主幹/漏電/子ブレーカー」どれ?

分電盤の中には、主に次の3種類があります(主幹と漏電が一体のタイプも多いです)。

  • 主幹(大きいブレーカー):家全体のまとめ。落ちると家が全部消える
  • 漏電遮断器(漏電ブレーカー):漏電を検知すると落ちる(主幹と一体型の場合も)
  • 子ブレーカー(分岐ブレーカー):部屋・回路ごと。落ちるとその系統だけ消える
ポイント
どれが落ちたかが分かれば、原因候補が一気に絞れます。
まずは「主幹なのか/漏電なのか/子ブレーカーなのか」を確認しましょう。

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5分でできる切り分け手順(安全優先)

やることはシンプルです。無理はしない、危険を感じたら中断してください。

手順A:子ブレーカー(分岐)が落ちた場合(部分停電)

  1. 落ちた系統で使っていた家電をいったん停止(可能ならコンセントから抜く)
  2. 子ブレーカーをOFF→ONで復帰
  3. 復帰したら、家電を1台ずつ戻して、どれで再発するかを見る

すぐ落ちるなら「短絡(ショート)/機器故障」、しばらくして落ちるなら「過負荷」の可能性が上がります(ただし例外あり)。

手順B:漏電ブレーカー(または主幹一体型)が落ちた場合

注意:漏電の可能性があるので、濡れた手・濡れた床で作業しないでください。水回りの機器には触れない判断が安全です。
  1. 子ブレーカーを全部OFFにする
  2. 漏電ブレーカー(または主幹)をONにする
  3. 子ブレーカーを1つずつONにして、どれで落ちるか特定する
  4. 落ちる系統が分かったら、その回路の家電(特に水回り・屋外・古い機器)を抜いて再確認

この方法で「落ちる回路」が特定できれば、業者に説明しやすくなります。

手順C:主幹が落ちた(家全体停電)場合

  1. 直前に同時使用していた家電(電子レンジ・電気ケトル・ドライヤー・暖房など)を止める
  2. 主幹をOFF→ONで復帰
  3. 同時使用を減らして様子を見る(再発なら「契約容量/過負荷/漏電」を疑う)

電流や電力の目安を掴みたい場合は、こちらの基礎記事もどうぞ:電圧・電流・電力とブレーカー原因(W=V×A)

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原因① 使いすぎ(過負荷)

過負荷は「その回路(または家全体)で使う電気が大きすぎる」状態です。特にヒーター系(電気ストーブ、ドライヤー、電気ケトル、電子レンジ等)は短時間で一気に電力を使います。

過負荷っぽいサイン

  • 特定の時間帯(料理+暖房など)に落ちやすい
  • 落ちた回路で、同時に複数の高出力機器を使っていた
  • ブレーカーを戻せば復帰し、使い方を変えると再発しない

対策(まずはこれ)

  • 高出力の家電を同時に使わない(時間をずらす)
  • タコ足をやめて、コンセントを分散(ただし回路が同じなら意味が薄い)
  • 延長コードやプラグの発熱があるなら使用中止(次回記事で詳しく解説)

「なぜ使いすぎで落ちるの?」をスッキリさせたい場合は、W=V×Aの基本を先に見るのがおすすめです:電圧・電流・電力とブレーカー原因

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原因② 契約容量(契約アンペア/家全体の上限)

「家全体で使いすぎる」と、主幹が落ちやすくなります。部屋単位ではなく、家全体での同時使用が引き金です。

契約容量っぽいサイン

  • 家全体が落ちる(照明もコンセントも全部)
  • 家電を止めてから主幹を戻すと復帰しやすい
  • 冬場・朝晩など「同時使用が増える時間」に集中

対策(工事なしでできる範囲)

  • 同時使用を減らす(ドライヤー中はレンジを避ける等)
  • 暖房の使い方を調整(強運転の同時使用を避ける)

契約容量の変更や回路増設などは状況により工事が絡みます。安全のため、判断が必要な場合は電気工事店へ相談してください。

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原因③ 漏電(危険度高)

漏電は「本来流れるべきでない場所へ電気が漏れている」状態で、感電や火災のリスクがあります。雨の日・水回り・屋外コンセント・古い家電は特に要注意です。

漏電っぽいサイン

  • 漏電ブレーカー(または主幹一体型)が落ちる
  • 雨の日/湿気が強い日/結露が多い日に起きやすい
  • 水回りの機器(洗濯機・食洗機・温水便座など)使用時に発生しやすい
  • 金属部分に触れたときにピリピリする感じがある(※危険)

安全な切り分け(再掲)

  1. 子ブレーカーを全部OFF
  2. 漏電ブレーカー(または主幹)をON
  3. 子ブレーカーを1つずつONして、落ちる回路を特定

漏電とアース(接地)の関係を押さえておくと安全意識が上がります:アース(接地)とは?

やってはいけないこと

  • 原因不明のまま何度も復帰を繰り返す
  • 濡れた手・裸足・濡れた床で通電状態の機器に触る
  • 異臭や発熱があるのに使い続ける

ショート(短絡)で大電流が流れる仕組みは、オームの法則を知ると理解しやすいです:オームの法則(基礎)

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それでも直らない:ブレーカー本体/配線の可能性

次のような場合は、ブレーカーや配線側のトラブルも疑われます。ここは無理せず相談が安全です。

  • 落ちる回路が特定できても、家電を全部抜いても落ちる
  • 分電盤から異音がする/熱い/焦げ臭い
  • 同じブレーカーだけ何度も落ちる(経年劣化の可能性)

「自分でどこまでやっていいか(資格の境界)」が不安な場合は、こちらで整理できます:電気工事士の資格が必要な範囲(家庭編)

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すぐ業者?判断の目安

すぐ連絡(おすすめ)
・焦げ臭い/煙/火花/発熱/感電感がある
・漏電ブレーカーが繰り返し落ちる
・家電を抜いても落ちる回路がある様子見しやすい
・明らかに同時使用が原因で、使い方を変えると再発しない(過負荷っぽい)

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業者に伝えるテンプレ

連絡時にこれを伝えると話が早いです。

【発生日時】例)2月11日 19時ごろ

【症状】例)主幹が落ちる/漏電ブレーカーが落ちる/子ブレーカー(○○回路)が落ちる

【停電範囲】例)家全体/キッチン系統だけ/リビングの一部だけ

【直前に使っていた家電】例)電子レンジ、電気ケトル、ドライヤー、暖房など

【再現性】例)ONするとすぐ落ちる/しばらくすると落ちる/たまに落ちる

【危険サイン】例)異臭・発熱・火花・感電感の有無

【切り分け結果】例)子ブレーカーを1つずつONして「○○回路で落ちる」まで確認した

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よくある質問(FAQ)

Q. ブレーカーを上げても、すぐ落ちます。どうすればいい?

A. まず該当回路の家電を停止し、可能ならコンセントから抜いてください。それでも落ちるなら配線やブレーカー側の可能性があり、無理に復帰を繰り返さず業者へ連絡が安全です。焦げ臭い・熱い等があれば即中止してください。

Q. 雨の日に落ちやすいのはなぜ?

A. 湿気や雨水の影響で、屋外コンセントや水回り機器で漏電が起きやすくなります。漏電ブレーカーが落ちる場合は安全優先で切り分けを行い、原因が特定できない場合は相談をおすすめします。

Q. 過負荷と契約容量の違いは?

A. 過負荷は「その回路(子ブレーカー)で使いすぎ」、契約容量は「家全体(主幹)で使いすぎ」のイメージです。どのブレーカーが落ちたかが判断の近道です。


次に読む(連載)
・第2回:コンセント・延長コード編(熱い/焦げる/使えない)
・第3回:照明編(チカチカ/点かない/LED相性)全体のハブ:家の電気トラブル切り分け大全(まとめ記事)

※コンセントやスイッチ等「作業」を伴う話に進む場合は、まずこちらで資格の要否を確認してください:電気工事士の資格が必要な範囲(家庭編)