「電子レンジとドライヤーを同時に使ったらブレーカーが落ちた」
これ、電気の基本である 電圧・電流・電力 を知ると一発で説明できます。

この記事では、電気が苦手な人でも分かるように

  • 電気ってそもそも何?

  • 電圧(V)・電流(A)・電力(W)の違い

  • どれくらい使うとブレーカーが落ちるの?
    を、身近な例でつなげて解説します。

⚠️安全注意:家庭用100Vでも感電・火災の危険があります。分電盤・配線の工事や内部の作業は、知識と資格が必要な場合があります。この記事は「仕組みの学習」を目的としています。


この記事で分かること

  • 電気の基本:電圧(V)/電流(A)/電力(W)とは何か

  • W = V × A(電力の式)と、ざっくり計算のコツ

  • ブレーカーが落ちる3大原因(過電流・契約容量・漏電)

  • “同時に使うと危ない家電”が分かるようになる


電気とは何か?まずは「水」に例えると分かりやすい

電気を完全に正確に理解するのは難しいですが、家庭の電気を扱うには「水の例え」が最強です。

  • 電圧(V):水を押し出す力(=水圧)

  • 電流(A):流れる量(=水の流量)

  • 抵抗(Ω):流れにくさ(=細いホース)

  • 電力(W):そのとき実際に使っているパワー(=水車が回す力)

この「水のイメージ」を持っておくと、ブレーカーが落ちる理由が自然に見えてきます。


電圧(V)とは?「押す力」

電圧は、電気を動かす“押す力”です。
家庭用コンセントは基本的に 100V(一部200V機器あり)です。

電圧が高いと何が起きる?

同じ家電でも、電圧が高いほど(条件が同じなら)電流が増えやすく、発熱や危険にもつながりやすいです。
ただし家庭内では「100V前提」で話を進めればOKです。


電流(A)とは?「流れる量」

電流は、電気がどれだけ流れているか(量)です。
ブレーカーが落ちる話は、ほぼ全部この「電流」が主役になります。

  • 流れる量(A)が大きいほど、配線や機器が熱を持ちやすい

  • 安全のために「一定以上流れたら止める」のがブレーカー


電力(W)とは?「実際に使っているパワー」

電力(ワット)は、家電がどれくらい“仕事”をしているかの大きさです。
ドライヤーが1200Wなら「けっこう大きいパワーを使う家電」です。

超重要:電力の式「W = V × A」

家庭の100Vなら、ざっくりこう考えるだけでOKです。

  • 電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)

  • 家庭はだいたい 100V
    → つまり A(アンペア) ≒ W(ワット)÷100

例:1200Wのドライヤーは何A?

  • A ≒ 1200 ÷ 100 = 12A

これだけで「ドライヤーが強い理由」が分かります。


【ここが本題】ブレーカーが落ちる主な原因は3つ

「ブレーカーが落ちる」には、だいたい次の3パターンがあります。
それぞれ原因も対策も違うので、切り分けが大事です。

1) 使いすぎ(過電流)で落ちる

いちばん多いのがこれです。
同時に使っている家電の 合計アンペア(A) が大きくなりすぎると、ブレーカーが落ちます。

よくある例(落ちやすい組み合わせ)

  • ドライヤー(1200W ≒ 12A)

  • 電子レンジ(1000〜1500W ≒ 10〜15A)

  • 電気ケトル(1200W ≒ 12A)

  • アイロン(1000W前後 ≒ 10A)

  • エアコン(運転状況で変動)

例えば、

  • ドライヤー 12A

  • 電子レンジ 12A
    を同時に使うと 24A
    家庭の条件次第では、これだけで落ちる可能性があります。

対策

  • 同時使用を避ける(順番に使う)

  • 強運転を弱にする(Wが下がる→Aが減る)

  • 使うコンセント(回路)を分ける


2) 契約容量(契約アンペア)を超えて落ちる

家全体で使える上限が決まっているケースがあります。
この上限を超えると、家全体のブレーカーが落ちます。

対策

  • 同時に使う家電を減らす

  • 生活パターンを見直す(ピークをずらす)


3) 漏電で落ちる(危険度高め)

もし「特定の家電を動かすと落ちる」「雨の日に落ちやすい」「焦げ臭い」などがあるなら、漏電や故障の可能性があります。

対策(重要)

  • その家電の使用をやめる

  • コンセント周り・延長コードの異常(熱、変色、焦げ)を確認

  • 不安なら管理会社・電気工事の専門業者へ

⚠️漏電は感電・火災につながるので、原因が分からないのに繰り返し復旧させるのは避けてください。


ブレーカーが落ちたときの「切り分け」チェック

落ちたときにここを見ると、原因が推測できます。

どれが落ちた?

  • 家全体が落ちた:契約容量・主幹ブレーカー系の可能性

  • 特定の部屋だけ落ちた:その回路(コンセント系統)の過電流が多い

  • 漏電ブレーカーが落ちた:漏電や機器不良の可能性(危険度高)


もう一歩だけ:オームの法則が分かると“応用”が効く

ここまででも十分ですが、さらに理解を深めるなら オームの法則(V=I×R) が次のステップです。
「抵抗が大きいと電流が小さくなる」など、電気の動きがスッと理解できます。


まとめ(覚えるのはこの2つだけ)

最後に、最小限の暗記ポイントをまとめます。

  • 電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)

  • 家庭が100Vなら A ≒ W ÷ 100

ブレーカーが落ちる多くの原因は「使いすぎ(過電流)」なので、
同時に使う家電のW(ワット)を合計して、100で割るだけでかなり予測できます。

ABOUT ME
sumato
電気関係の仕事をしています。設計・積算・現場管理など。資格マニアです。 【取得済】 電験二種・電験三種・エネルギー管理士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士(認定)・第二種電気工事士・消防設備士甲4・乙6