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冷蔵庫や電子レンジのコードについている緑の線の正体は?
洗濯機等の家電を買ったときに上写真のような緑の線が付いてると思いますが、これをアース線(接地線)と言います。
アース線は上写真のようにアースコンセントに接続します。プラスドライバーが一本あれば簡単に取り付けできますが、詳しい取付方法は後程ご説明します。
実はこのアースコンセントは地面の中に埋まっている金属棒(アース棒)と繋がっています。
つまり、電子レンジのアース線をアースコンセントに接続した場合、電子レンジの外側の金属はアースコンセントを通って地面の中に埋まっている金属棒と繋がっています。
上の写真はアース棒(※日動電工株式会社の製品)です。こんな感じの金属の棒が土の中に埋まっています。ちなみに、緑の線はアース線(電線)です。
え?地面の金属棒と繋がって何の意味があるの?と思う方はたくさんいらっしゃると思いますので、詳しくは次のセクションでご説明します。
アース(接地)とは?
アース(接地)とは、電化製品等と地面の中に埋まっている金属棒(アース棒)を電気的に接続することです。電気的に接続とは、電気抵抗が増えたり千切れたりしないようにしっかりと接続するという意味です。
ここで、オームの法則について思い出してみましょう。オームの法則が分からない方はこちらの説明に飛んでください。
要するに、金属は電気抵抗が小さく、大きな電流を流すことができます。
つまり、電子レンジの外側の金属もアース線の芯線(緑の被覆の内側の電気が流れる部分)も金属棒(アース棒)も全て金属なので、電気はとても流れやすい状態です。
ここまでを理解して頂いた上で、上図の説明をします。
上図①の説明
普通に電子レンジを使用している状態です。ブレーカーから電流が電子レンジに流れています。通常はこの状態です。
上図②の説明
電子レンジが老朽化等の理由により故障しており、漏電している状態です。なおかつアース線を取り付けていません。
漏電とは文字どおり電気が漏れていることで、人間が漏電している電子レンジ表面の金属部分に触ると、電流は人体を通って足元の地面に電流が流れます。
これが感電であり、人体に電流が流れるとビリっときて大変痛いです。場合によっては痛いで済まずに命の危機となる場合もありますので、漏電は大変危険です。
ということは、アース線を正しく取り付けると感電を防ぐことができるのでは…と、勘が鋭い方はお気づきだと思いますが、まさにその通りで、次の説明に移ります。
上図③の説明
地面の中に埋まっている金属棒(アース棒)と電子レンジの表面が繋がっている状態です。
つまり、アースコンセントにアース線をきちんと接続している状態です。
金属棒(アース棒)が埋まっている大地は0Ωなので、電気が流れやすいです。対して、人間の抵抗は少なくとも500Ωぐらいはあるので、比較的抵抗が大きいです。
このとき、もし漏電している電子レンジを人間が触ったとしても、電流は電子レンジのアース線からアースコンセントを通って大地に埋まっている金属棒(アース棒)に流れます。
電流は抵抗の小さい方へ流れやすく、金属棒(アース棒)に比べて比較的抵抗が大きい人間には電流がほとんど流れないため、感電することはありません。
このように、アース(接地)はもしもの電気事故の時に、人間を感電から守ってくれる働きがあります。
ですので緑のアース線が付いている電化製品は、安全のためにきちんとアース線を接続するようにしましょう。
アース線はどうやって接続したらいいの?
アースコンセントの接続は簡単です。左の写真が一般的なアースコンセント付きコンセントです。ちなみに、アースコンセントのことをアースターミナルとも言います。
アースコンセントのカバーを開けるとこんな感じになっています。プラスドライバーでネジを緩めると、ネジが土台ごと浮いてきますので、その浮いてきた隙間にアース線を差し込みましょう。必ず芯線(銅色の金属の部分)を差し込みましょう。U端子等が先端に付いている場合は、その端子を隙間に差し込みましょう。
アース線の芯線の部分を差し込み、プラスドライバーでネジを締め付けましょう。このとき、緑色の被覆は挟まないようにしましょう。ちなみに、新品の家電を買った場合、アース線の緑の被覆が剥けていない場合があります。その場合はカッターナイフ等を使用し、自分で緑の被覆を剥いて芯線を露出させましょう。
以上でアース線の取付は完了です。要するに、アース線の芯線とアースコンセントの土台の金属がしっかり接触していればOKです。
これがしっかり接触していないと、事故時の漏電電流を安全に大地に埋まっている金属棒(アース棒)へ逃がすことができません。
いかがでしたでしょうか。身の安全のためにも、アース線は正しく接続するようにしましょう。
資格のことから身近なことまで、電気に関する質問を募集していますので、何かありましたらコメントまでよろしくお願いします。面白い質問があれば記事にしたいと思います。