雷・サージ対策大全|雷ガードで守れる範囲と限界、家電を守る最短手順
目次
雷が鳴る季節になると「PCが壊れた」「ルーターが死んだ」「テレビが映らない」などの相談が増えます。原因の多くは雷サージ(瞬間的な過電圧)です。
この記事では、雷ガード(サージ保護)が“守れる範囲”と“限界”を整理しつつ、家庭でできる現実的な対策をチェックリストでまとめます。
雷が近い(稲光と雷鳴の間隔が短い)ときに、屋外やアンテナ周りの作業は危険です。
ケーブルの抜き差しは、できれば雷が本格化する前に。無理はしないでください。
目次
- 結論:家電を守る優先順位(最短ルート)
- 雷サージとは?(直撃・誘導・逆流のざっくり)
- 雷サージの侵入経路:電源だけじゃない
- 雷が鳴り始めたら:やることチェックリスト
- 雷ガード(タップ)はどこまで有効?限界は?
- 雷ガード製品の選び方(見るべき表記)
- 分電盤SPD(設備対策)という選択肢
- 落雷後にやること(異常の見分け)
- 関連:家の電気トラブル連載へ
- よくある質問(FAQ)
結論:家電を守る優先順位(最短ルート)
① 「抜く」(可能なら電源+通信線も)
② 雷ガード(サージ保護)を入れる(電源経由の被害を減らす)
③ 侵入経路を増やさない(LAN・同軸・電話線も意識)
④ 住まい全体で守るなら 分電盤SPD(※工事は業者領域)
電気の基本(W=V×A)や、アースの考え方も知っておくと対策が腑に落ちます:
雷サージとは?(直撃・誘導・逆流のざっくり)
雷サージは、雷が落ちたときに電源線や通信線に瞬間的な高い電圧が乗る現象です。家庭で多いのは「近くに落ちた雷で周辺の配線に電圧が誘導される」タイプです。
- 直撃雷:電源線・アンテナなどに直接雷が当たる
- 誘導雷:近くの落雷で、周辺の配線に電圧が誘導される(家庭で遭遇しやすい)
- 逆流雷:大地側から回り込むように侵入するケース
大事なのは、「直撃じゃなくても壊れる」という点です。むしろ家庭は誘導雷での被害が起きやすい、と覚えておくと対策が立てやすくなります。
雷サージの侵入経路:電源だけじゃない
雷サージは電源コンセントからだけでなく、いろいろなルートで入ってきます。
| 侵入経路 | 代表例 | 守り方の方向性 |
|---|---|---|
| 電源 | 家電全般、PC、ゲーム機 | 雷ガードタップ/分電盤SPD(上流で抑える) |
| 通信(LAN/電話) | ルーター、ONU/モデム、監視カメラ | LAN/電話回線向けの保護(対策品・SPD) |
| アンテナ(同軸) | テレビ、レコーダー | 同軸側の保護/抜けるなら抜く |
ポイント:電源だけ守っても、通信線やアンテナ線からサージが入ると壊れることがあります(ルーターやテレビ周りで起きがち)。
雷が鳴り始めたら:やることチェックリスト
雷が近いと感じたら、優先順位の高いものから順に。
チェック1:守りたい機器を決める(優先順位)
- 優先(壊れやすい&ダメージが大きい):ルーター/ONU、PC、ゲーム機、テレビ
- 次点:レコーダー、NAS、監視カメラ、オーディオ
チェック2:可能なら「抜く」(電源+線)
- 電源プラグ
- LANケーブル(ルーター周り)
- アンテナ同軸(テレビ)
チェック3:抜けない・常時稼働なら「サージ保護」を入れる
- 雷ガード付き電源タップ(電源側)
- 通信・アンテナ系も守れる構成(機器や対策品で補う)
雷ガード(タップ)はどこまで有効?限界は?
雷ガード(サージ保護)付きタップは、主にコンセント(電源)経由で入ってくる誘導雷サージへのリスク低減が目的です。一般的には、内部のサージ吸収素子(例:バリスタ)で過電圧を吸収します。
・雷ガードは万能ではありません
・電源以外(LAN/アンテナ)から来たサージは別ルートで壊れることがあります
・直撃雷など規模が大きいケースでは守り切れないことがあります
だからこそ「抜く」「侵入経路を増やさない」「必要なら上流(分電盤)で抑える」という発想が大切です。
雷ガード製品の選び方(見るべき表記)
商品選びで迷ったら、次の観点でチェックすると失敗しにくいです(メーカー表記は製品ごとに違います)。
- 「雷サージ/サージ保護」表記があるか(単なるスイッチ付きタップと混同しない)
- 保護したい口数が足りるか(重要機器だけでもOK)
- アース端子があるか(環境によって有利になることがある)
- 通信・アンテナも守る必要があるか(ルーター/テレビは要注意)
・デスク:PC+モニタ+ルーター電源(優先)
・テレビ周り:テレビ+レコーダー電源(次点)
※ルーター/ONUは「電源だけ」守ってもLAN側がノーガードになりがちなので、侵入経路を意識。
アース(接地)の基本はここにまとめています:アース(接地)とは?
分電盤SPD(設備対策)という選択肢
雷ガードタップは“下流の個別対策”ですが、住まい全体で電源側のサージを抑える方法として分電盤へのSPD(サージ保護デバイス)という考え方があります。
「こういう選択肢がある」ことを知って、相談の質を上げるための章です。
- SPDは規格上、クラス(クラスI/IIなど)という考え方で性能が整理されています
- 「上流で抑える」ことで、家の中に入ってくるサージを減らす発想
もし「分電盤や配線も含めて相談したい」場合は、症状の整理として第1回(ブレーカー編)も役立ちます。
落雷後にやること(異常の見分け)
チェック1:焦げ臭い・発熱・変色がないか
- コンセント/タップ/プラグが熱い・黒い・溶けている → 使用中止
- 分電盤が熱い・異音がする → 無理に触らず相談
チェック2:通信系が死んでいないか
- ルーターのランプが異常、Wi-Fiが飛ばない
- テレビが映らない(アンテナ系の可能性)
電気トラブルの切り分けは、こちらのハブ(大全)から入ると迷いません。
よくある質問(FAQ)
Q. 「雷ガードって意味ない」って聞いたけど?
A. 「万能ではない」が正確です。電源経由の誘導雷サージのリスクを下げる目的では有効ですが、侵入経路が電源以外(LAN/アンテナ等)だったり、直撃雷など規模が大きいと守り切れないことがあります。抜けるなら抜く+侵入経路を意識が現実的です。
Q. ルーターだけ雷ガードしても壊れる?
A. あり得ます。ルーターは「電源」と「LAN(外へ伸びる線)」を持つため、片側だけ守っても別ルートから侵入することがあります。まずは侵入経路を意識してください。
Q. 分電盤SPDって、一般家庭でも意味ある?
A. 住まい全体の電源側サージを抑える発想としては有効ですが、環境や侵入経路によって最適解は変わります。設置は業者領域なので、必要性は相談ベースで判断が安全です。
関連:家の電気トラブルへ
・まとめ: 家の電気トラブル切り分け大全
・▶ ブレーカーが落ちる原因と切り分け
・▶ コンセント・延長コード編(熱い/焦げる/使えない)
・▶ 照明編(点かない/チカチカ/LED相性)