平成29年度(2017年)一級建築士「計画」過去問解説|全20問の正解と覚えるポイント
平成29年度(2017年)の一級建築士試験「学科Ⅰ・計画」について、全20問の正解と学習上のポイントを整理しました。各問の解説は、クリックすると開きます。
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建築技術教育普及センター 一級建築士 過去の試験問題 平成29年 計画
問3・問19は正しい選択肢を選び、それ以外の問は最も不適当な選択肢を選びます。以下の判定は、公式の問題にある各選択肢に対応します。
★★★:頻出(5年以上)/★★:そこそこ出題(2〜4年)/★:出題が少ない(1年)。各問の4選択肢に含まれる知識テーマが出題された年度を数え、同じ年度は重複して数えません。同じ問題がそのまま出た回数ではありません。
類似問題データのテーマ分類に基づく学習用の目安です。対象テーマと年度は解説内に掲載しています。2017年の問題を2026年までのデータで振り返った集計で、将来の出題頻度を保証するものではありません。
問1 技術者倫理と危機管理の用語
頻出度:★★★
問1の正解・解説を表示
確認ポイント:危機を起こさないための管理と、危機が起きた後の対応を区別しましょう。
集計対象:コンプライアンス/モラルハザード/危機管理/公益と建築士の職責。対象テーマが出た年度:2017・2018・2023・2024・2026年(10年中5年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 公益確保の責務 専門職は依頼者や自分の利益だけでなく、建築を利用する人や周辺の人への影響も考えます。安全・健康・福利を優先する責任を、公益確保の責務として理解します。 |
| 2:不適当 | リスクとクライシス 危機が生じた後に、被害の拡大や二次被害を抑える対応はクライシスマネジメントです。リスクマネジメントは危険を予測・評価し、予防や低減を進める段階も含みます。両者の説明を取り違えています。 |
| 3:適当 | モラルハザード 損失を他者が負担する仕組みなどによって当事者の規律が弱まり、無責任な行動を招くことがモラルハザードです。設問では企業が倫理的な節度を失い、利益を追求する状態として用いています。 |
| 4:適当 | 不遵守行為 法令や条例に従う必要があると分かっていながら、意図的に従わない行為です。個人の違反だけでなく、組織ぐるみの違反も含めて考えます。 |
リスクマネジメント=危険の把握・評価・予防を含む管理。クライシスマネジメント=発生した危機への対応。公益を優先し、法令を遵守することが専門職の基本です。
正解:2番
問2 建築物の保存・再生の事例
頻出度:★
問2の正解・解説を表示
確認ポイント:以前の用途と、再生後の用途を一組で覚えましょう。
集計対象:3331/カステルヴェッキオ/リンゴット/犬島。対象テーマが出た年度:2017年(10年中1年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 犬島精錬所美術館 銅精錬所の遺構を残し、自然エネルギーを利用する美術館へ再生した事例です。既存の建物や設備の痕跡を、展示と環境計画の両方に生かす点を覚えます。 |
| 2:適当 | 3331 Arts Chiyoda 旧練成中学校を、ギャラリー等を備える芸術文化の拠点に転用した事例です。ここでは出題当時の保存・再生の内容を確認し、現在の施設運営とは区別します。 |
| 3:適当 | カステルヴェッキオ美術館 ヴェローナの歴史的な城を美術館に転用した事例です。既存の歴史的な部分と、展示のために付加する部分を扱う改修として整理します。 |
| 4:不適当 | リンゴット工場の再開発 旧自動車工場はホテル・会議施設・商業施設などを含む複合施設へ再生されました。美術関連施設が含まれることと、全体が現代美術館に転用されたという説明は区別します。 |
犬島=銅精錬所から美術館。3331=中学校から文化施設。カステルヴェッキオ=城から美術館。リンゴット=自動車工場からホテル・会議場・商業施設等の複合施設。
正解:4番
問3 西洋建築の年代順
頻出度:★
問3の正解・解説を表示
確認ポイント:この問は正しい順序を選びます。細かな年号より、古代・中世・ルネサンス・近世の順で整理しましょう。
集計対象:西洋建築の年代順。対象テーマが出た年度:2017年(10年中1年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:誤り | 選択肢1の年代順 Bル・トロネ修道院は中世、Cパンテオンは古代です。古代のCが先なので、冒頭のB→Cが逆です。また、ルネサンスのAはDより先に位置します。 |
| 2:誤り | 選択肢2の年代順 AテンピエットとDセント・ポール大聖堂の前後関係は合っていますが、BとCが逆です。パンテオンは古代ローマの建築で、修道院より先です。 |
| 3:誤り | 選択肢3の年代順 Cを最初に置く点は合っています。しかしAテンピエットはルネサンス、Bル・トロネ修道院は中世なので、A→Bが逆です。中世のBを先にします。 |
| 4:正しい | 選択肢4の年代順 Cパンテオンが2世紀、Bル・トロネ修道院が12世紀、Aテンピエットが16世紀、Dセント・ポール大聖堂が17〜18世紀です。この順序が時代の流れと一致します。 |
Cパンテオン(古代・2世紀)→Bル・トロネ(中世・12世紀)→Aテンピエット(ルネサンス・16世紀)→Dセント・ポール(近世・17〜18世紀)。
正解:4番
問4 都市空間の著書と著者
頻出度:★★★
問4の正解・解説を表示
確認ポイント:著者・著書・代表的な考え方をセットで確認しましょう。
集計対象:都市イメージ・都市論と著作。対象テーマが出た年度:2017・2020・2022・2023・2026年(10年中5年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | コールハースの都市論 レム・コールハースはマンハッタンの超高層建築や都市の過密に着目しました。著書名だけでなく、都市の過密を読み解く考え方と結び付けます。 |
| 2:適当 | アレグザンダーのパターン クリストファー・アレグザンダーらは、人の暮らしに適した環境をつくる知恵をパターンとして整理しました。都市から建築の細部まで、互いに関連するパターンを用います。 |
| 3:適当 | ジェイコブズの都市の多様性 ジェイン・ジェイコブズは、用途の混在、短い街区、年代の異なる建物の混在、十分な密度という四条件を示しました。多様な活動が街を支えるという考え方です。 |
| 4:不適当 | リンチとラスベガス研究 ケヴィン・リンチは都市イメージをパス・エッジ・ディストリクト・ノード・ランドマークの五要素で整理しました。ラスベガスの記号的な景観を論じたのはロバート・ヴェンチューリらです。 |
コールハース=錯乱のニューヨーク。アレグザンダー=パタン・ランゲージ。ジェイコブズ=都市の多様性。リンチ=都市イメージの五要素。ラスベガスの研究はヴェンチューリら。
正解:4番
問5 外部空間・日影・屋根と周辺環境
頻出度:★★
問5の正解・解説を表示
確認ポイント:日影の長さと、同じ場所が長時間日影になることを分けて考えましょう。
集計対象:日射・屋根・日影。対象テーマが出た年度:2017・2021・2023・2025年(10年中4年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 外部空間のD/H Dは広場や街路の幅、Hは周囲の建物の高さです。同じ高さなら幅が狭いほどD/Hが小さくなり、囲まれた印象や圧迫感が強くなりやすいと考えます。 |
| 2:不適当 | 長時間日影と建物の幅 冬至に同じ場所が四時間以上日影になる範囲には、建物の東西方向の幅の影響が大きくなります。高さは影の伸びに影響しますが、長時間日影の大小関係を設問のように説明するのは不適当です。 |
| 3:適当 | 高日射反射率の屋根 日射を反射しやすい屋根は、吸収する熱を減らし、屋根面の温度上昇を抑えます。その結果、周囲への熱の放出を減らす効果が期待できます。 |
| 4:適当 | 多雪地域の無落雪屋根 雪を屋根上に保持する方式などにより、周囲への落雪を抑える計画です。落雪のための空地を確保しにくい市街地で用いられますが、積雪荷重などへの対応は必要です。 |
D/Hが小さいほど囲まれた感じが強くなりやすい。影の伸びは高さ、長時間の日影範囲は東西方向の幅の影響が大きい。高反射率の屋根は日射吸収を減らします。
正解:2番
問6 事務所・幼稚園・学校・病室の寸法
頻出度:★★★
問6の正解・解説を表示
確認ポイント:利用者の身長と動作に合わせ、成人用の寸法を幼児に当てはめないようにしましょう。
集計対象:病室の面積・寸法/学校の教室・運営方式/人体寸法と家具配置/洗面器・手洗い。対象テーマが出た年度:2017・2018・2019・2020・2021・2022・2023・2024・2025・2026年(10年中10年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 座位の見通しとパーティション 床から110cm程度の間仕切りは、座った人の目の高さとの関係から、視線を完全に遮らず見通しを保ちやすい計画です。立位だけでなく座位の目線で確認します。 |
| 2:不適当 | 幼児用の足洗い・手洗い 足洗い場の排水勾配と手洗い器の高さは別々に確認します。不適当なのは幼児用手洗い器を65cmとした点です。幼児の身長や手の届く範囲に合わせ、より低い高さにします。 |
| 3:適当 | 教室の天井高さ 設問の天井高さ2.7mは適当です。学校の教室に一律3m以上を求める旧規定は、出題時には既に廃止されており、旧基準をそのまま当てはめないようにします。 |
| 4:適当 | 四床室の面積とベッド間隔 患者一人当たり8㎡とする計画は、ベッドの間に1m以上の空間を設ける設問の条件に対して適当です。面積だけでなく、介助や移動の動線も併せて確認します。 |
座位の見通しは間仕切り高さ110cm程度。幼児用手洗い65cmは高すぎる。教室の天井2.7m、四床室の一人当たり8㎡は設問の適当な計画例です。
正解:2番
問7 エレベーター・出入口・車路・洗面の寸法
頻出度:★★★
問7の正解・解説を表示
確認ポイント:分数の勾配を百分率に直すと、急すぎる計画を見つけやすくなります。
集計対象:エレベーターの群管理・配置/駐車場の車路勾配/車椅子の通過・回転/洗面器・手洗い。対象テーマが出た年度:2017・2018・2019・2020・2021・2022・2023・2024・2025年(10年中9年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 二十四人乗りエレベーター 間口2,150mm、奥行1,600mmは、定員24人の乗用エレベーターのかご内法寸法として適当な例です。寸法はかご内部と昇降路を取り違えないようにします。 |
| 2:適当 | 出入口の有効幅 主要出入口1,500mm、その他1,000mmの有効幅は、設問の適当な計画例です。扉枠の呼び寸法ではなく、扉を開けて実際に通れる幅で確認します。 |
| 3:不適当 | 駐車場の車路勾配 本勾配1/5は20%で、駐車場車路の傾斜部の17%以下という基準を超えます。始まりと終わりに緩和勾配を設けても、本勾配そのものが急すぎる点は解消されません。 |
| 4:適当 | 洗面器の中心間距離 成人が隣り合って使う洗面器の中心間距離850mmは適当な計画例です。器具の幅だけでなく、肩や腕の動きに必要な余裕を考慮します。 |
1/5=20%。自動車車路の傾斜部は17%以下が基本。洗面器中心間850mmは動作の余裕を考慮した寸法。出入口は実際に通れる有効幅で確認します。
正解:3番
問8 屋内階段の手すり・段・警告ブロック
頻出度:★★★
問8の正解・解説を表示
確認ポイント:手すりは移動を支え、点状ブロックは危険な段差を知らせます。
集計対象:階段の寸法・安全/手すり/誘導・警告ブロック。対象テーマが出た年度:2017・2019・2020・2023・2024・2025・2026年(10年中7年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 手すり端部の延長 手すりを段の端部より延長すると、段を上がる前後にも体を支えられます。設問の上端は水平45cm、下端は斜め部分を含む45cmという計画を、それぞれ区別して確認します。 |
| 2:適当 | 上下二段の手すり 上段80cm、下段60cmの二段手すりは、身長や姿勢の異なる利用者に対応する計画例です。高齢者や子どもなどが握りやすい高さを選べます。 |
| 3:適当 | 蹴上げ・踏面・蹴込み 蹴上げを低く、踏面を広く取ると昇降の負担を減らせます。蹴込み1cmは足先の引っ掛かりを抑える計画で、設問の各寸法は適当です。 |
| 4:不適当 | 階段上端の警告ブロック 階段の危険を知らせるのは点状ブロックです。線状ブロックは進む方向を案内するものなので用途が違います。また段の直前5cmでは近すぎるため、通常は段鼻から約30cm離します。 |
二段手すりは上80cm・下60cmの例。段は蹴上げ15cm・踏面32cm・蹴込み1cm。階段の警告は点状ブロックを用い、段鼻から通常約30cm離して配置します。
正解:4番
問9 オストメイト設備と車椅子用便房
頻出度:★★★
問9の正解・解説を表示
確認ポイント:車椅子利用者専用の小さな傾斜鏡より、座位と立位で使える平面鏡を考えましょう。
集計対象:オストメイト/鏡の設置/手すり。対象テーマが出た年度:2017・2020・2024・2025・2026年(10年中5年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 汚物流しの水栓 湯温を調整できるレバーハンドル型の混合水栓は、洗浄時に使いやすい計画です。汚物流しの設置だけでなく、給湯と操作のしやすさを確認します。 |
| 2:適当 | 装具等の置き台 交換用のストーマ装具や小物を置く台があると、準備や装具交換を行いやすくなります。使う人が手を伸ばせる位置と、清潔に置ける空間を考えます。 |
| 3:不適当 | 洗面器の鏡 幅35cm、高さ45cmの小さな傾斜鏡では、利用者の姿勢や身長の違いに対応しにくくなります。低い位置から十分な長さを持つ平面鏡を設け、車椅子の座位でも立位でも利用できるようにします。 |
| 4:適当 | 便器周囲の手すり 壁側のL型手すりと反対側の可動手すりを組み合わせると、立ち座りと横からの移乗を支えられます。水平部を便座から25cm上に設けるのは、設問の適当な計画例です。 |
オストメイトには洗浄用の給湯と装具を置く台。鏡は低い位置から十分な高さを持つ平面鏡。便器の壁側はL型手すり、反対側は移乗のために可動手すりを計画します。
正解:3番
問10 歴史的な都市計画と再生事業
頻出度:★★
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確認ポイント:計画者と都市構造の特徴を対応させましょう。
集計対象:歴史的都市計画。対象テーマが出た年度:2017・2021・2022・2025年(10年中4年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 帝都復興の学校と公園 関東大震災後の復興では、鉄筋コンクリート造の小学校と、それに隣接する小公園が整備されました。教育施設の不燃化・耐震化と地域の空地確保を関連付けた事例です。 |
| 2:適当 | パリのヴォワザン計画 ル・コルビュジエの提案は、既成の街区を大規模に組み替え、超高層建築や幹線道路を配置するものです。既存市街地の全面的な再編に近い提案として整理します。 |
| 3:不適当 | 東京計画1960 丹下健三の東京計画1960は、東京湾方向へ伸びる線状・軸状の都市構造を提案しました。従来の放射状の構造の問題に対応する考え方で、湾の全面埋立てによる放射状都市という説明は誤りです。 |
| 4:適当 | パリのグラン・プロジェ ミッテラン政権期の文化施設等の拠点整備によるパリの都市再生です。ルーブルの改修や旧駅舎の美術館への転用など、文化と都市整備を関連付けた事例として覚えます。 |
帝都復興=復興小学校と小公園。ヴォワザン=既成市街地の大規模再編。東京計画1960=東京湾方向への軸状展開。グラン・プロジェ=文化拠点等による都市再生。
正解:3番
問11 敷地・地区計画・文化財・緑化の制度
頻出度:★★★
問11の正解・解説を表示
確認ポイント:制度の対象が、複数敷地・地区・歴史的建造物・敷地の緑化のどれかを整理しましょう。
集計対象:景観・歴史的環境の保存/地区計画・協定/都市の緑地制度/容積率・高度利用と敷地制度。対象テーマが出た年度:2017・2020・2021・2023・2024・2025・2026年(10年中7年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:不適当 | 連担建築物設計制度 連担建築物設計制度は、既存建築物を含む複数の敷地を合理的に一体設計し、一定の建築規制を同一敷地内にあるものとして適用する制度です。街区単位に都市計画を定めるという説明は、この制度の仕組みではありません。 |
| 2:適当 | 地区計画 地区の特性や課題に応じて、道路・公園などの地区施設や建築物の用途・形態などのルールを定める手法です。住民と市町村が地区の将来像を共有することと結び付けます。 |
| 3:適当 | 登録有形文化財の建造物 建造物の登録では、原則として建設後50年を経過し、歴史的景観への寄与など一定の基準に該当することが必要です。古い建物がすべて自動的に登録されるわけではありません。 |
| 4:適当 | 緑化地域 緑が不足する市街地などで、一定規模以上の新築・増築に敷地の一定割合の緑化を求める制度です。地域を定めたうえで、建築に伴う緑化を確保する仕組みとして理解します。 |
連担建築物設計=既存建築物を含む複数敷地を一体として一定の規制を適用。地区計画=地区ごとのルール。登録有形文化財=原則築50年と登録基準。緑化地域=一定規模以上の建築に緑化率を求める制度。
正解:1番
問12 住宅作品の構造と空間構成
頻出度:★★
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確認ポイント:設計者だけでなく、平屋・積層・可動間仕切りなどの空間の特徴も覚えましょう。
集計対象:シュレーダー/ファンズワース/原広司自邸/前川國男自邸。対象テーマが出た年度:2017・2020・2026年(10年中3年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | ファンズワース邸 ミースの週末住宅で、鉄骨の柱・梁による架構とガラスの壁が特徴です。H形鋼の柱から梁を介して床・屋根を支持する構造を、開放的な空間と結び付けます。 |
| 2:適当 | シュレーダー邸 リートフェルトの住宅は、二階の可動間仕切りによって、一つの広い空間にも複数の小さな空間にもできます。建具や家具を、空間を組み替える要素として扱う点が特徴です。 |
| 3:不適当 | 前川國男自邸 前川國男自邸は木造平屋で、中央の居間を高く取った住宅です。極小敷地で用途別の空間を積層する説明とは一致しません。平屋と積層という基本形の違いを押さえます。 |
| 4:適当 | 原広司自邸 原広司自邸では、玄関から内部を通りバルコニーへ至る廊下の両側に居室を配置しています。内部の動線とトップライトによる採光を結び付けて覚えます。 |
ファンズワース=鉄骨とガラス。シュレーダー=可動間仕切り。前川自邸=木造平屋と中央の高い居間。原自邸=内部の廊下を軸にした居室構成とトップライト。
正解:3番
問13 共同居住・住宅再生の事例
頻出度:★
問13の正解・解説を表示
確認ポイント:生活の共同化、空間の共有、住民参加の建設・改修を区別しましょう。
集計対象:SHARE yaraicho/かんかん森/求道學舎/泉北ニュータウン。対象テーマが出た年度:2017年(10年中1年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | かんかん森 独立した住戸を保ちながら、共用の居間や台所で食事や家事の一部を共同化するコレクティブハウスです。単なる設備の共有に加え、暮らしを共同で運営する仕組みがあります。 |
| 2:適当 | SHARE yaraicho 半透明のテント膜による道路側の外観と、吹抜けを介した個室・共用空間の構成が特徴です。複数の居住者がコモンスペースを使うシェアハウスとして整理します。 |
| 3:適当 | 泉北ニュータウン 大規模ニュータウンの既存住宅を活用し、支援付き共同住宅や多世代のシェアハウスなどを試みた事例です。新築だけでなく、空き住戸等の再利用による住宅地再生を確認します。 |
| 4:不適当 | 求道學舎 求道學舎は旧学生寮を改修したコーポラティブ住宅です。居住予定者が参加する再生の方式と、住戸を連ねるテラスハウスという建築形態を混同しないようにします。 |
かんかん森=コレクティブハウス。SHARE yaraicho=シェアハウス。泉北=空き住戸等を生かした共同居住。求道學舎=旧学生寮を再生したコーポラティブ住宅。
正解:4番
問14 高層事務所の防災計画
頻出度:★★★
問14の正解・解説を表示
確認ポイント:法令が定める最低面積と、設計で余裕を持たせる面積を区別しましょう。
集計対象:非常用エレベーター/オフィスのコア計画/防災・防火と避難。対象テーマが出た年度:2017・2018・2020・2023・2025・2026年(10年中6年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:不適当 | 非常用エレベーターの乗降ロビー 建築基準法施行令第129条の13の3第3項第7号の乗降ロビーの面積は、非常用エレベーター一基について10㎡以上です。15㎡に設計すること自体が悪いのではなく、最低基準を15㎡とする説明が誤りです。 |
| 2:適当 | 片寄せコアと避難 片側にコアを寄せると、避難経路の方向や距離が偏る可能性があります。高層・大規模の建物では二方向避難や混雑を検討し、安全性を確認することが望まれます。 |
| 3:適当 | 火災の拡大防止 出火の可能性が高い部分を防火上有効に区画し、初期消火設備と不燃性の材料を組み合わせます。出火の抑制と、発生した火災を広げない計画の両方が必要です。 |
| 4:適当 | 屋上の緊急離着陸場 屋上の緊急離着陸場は、ヘリコプターによる在館者の救助や消防隊の進入に利用されます。用途を通常の避難階段などと取り違えず、消防活動の拠点として確認します。 |
非常用エレベーター乗降ロビーは一基当たり10㎡以上。片寄せコアは二方向避難に注意。出火リスクのある部分を区画し、初期消火・不燃化を組み合わせます。
正解:1番
問15 避難場所・災害拠点病院・仮設住宅
頻出度:★★★
問15の正解・解説を表示
確認ポイント:危険から逃れる場所と、被災後の住まいの役割を分けて覚えましょう。
集計対象:災害時の住宅/津波・災害拠点。対象テーマが出た年度:2017・2020・2021・2023・2026年(10年中5年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 指定緊急避難場所 災害の危険から直ちに逃れるための場所です。洪水に対応する施設では、想定される水位より上に避難スペースを確保するなど、対象災害に応じた安全性を確保します。津波だけの制度ではありません。 |
| 2:適当 | 基幹災害拠点病院 広域的な災害医療の中心を担う病院です。病院機能に必要な施設の耐震性や敷地内のヘリポートなど、災害時にも診療と搬送を続けるための条件を確認します。 |
| 3:適当 | 借上型仮設住宅 地方自治体が既存の民間賃貸住宅を借り上げ、被災者の一時的な住まいとして供与する方式です。新たに建てる仮設住宅とは異なり、既存ストックを活用します。 |
| 4:不適当 | 建設型仮設住宅 建設型は災害後に建設する応急的な住まいで、恒久的な供与を前提にするものではありません。供与期間の延長等があり得ることと、当初から恒久住宅であることは別です。 |
緊急避難場所は災害種別に応じた安全性を確保。災害拠点病院は医療機能の継続。借上型は既存賃貸住宅の活用、建設型は災害後に建設する一時的な住まいです。
正解:4番
問16 医療・福祉の施設と支援の用語
頻出度:★★★
問16の正解・解説を表示
確認ポイント:リハビリの段階と、施設・サービスの対象者を確認しましょう。
集計対象:介護老人保健施設/急性期・回復期/高齢者の住まいと支援/通所介護・デイサービス。対象テーマが出た年度:2017・2020・2022・2023・2025年(10年中5年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 介護老人保健施設 医療ケアや医学的管理の下の介護、リハビリテーションなどによって、要介護者の在宅復帰を支援する施設です。長期の生活の場という役割だけで捉えないようにします。 |
| 2:不適当 | 急性期と回復期のリハビリ 急性期は発症や受傷から早い段階に、状態に応じて機能低下の予防などを進めます。設問の90〜180日をかけて日常生活動作を改善する説明は回復期に対応します。期間は一律ではなく疾患等で異なります。 |
| 3:適当 | 放課後等デイサービス 障害のある就学児に、放課後や長期休暇中の訓練・支援を提供します。高齢者向けの通所介護とは対象が異なり、子どもの生活能力や社会参加を支えるサービスです。 |
| 4:適当 | 日本版CCRC 設問の日本版CCRCは、高齢者が元気な段階から地域へ移り、活動に参加して多世代と交流する考え方です。介護が必要になってから施設へ入るという説明とは区別します。 |
老健=在宅復帰への支援。急性期=発症・受傷後の早期、回復期=生活機能の改善。放課後等デイ=障害のある就学児。日本版CCRC=元気な時から地域に参加する高齢者の暮らし。
正解:2番
問17 図書館の形態と設計者
頻出度:★★
問17の正解・解説を表示
確認ポイント:円盤屋根・四隅のL字塔・格子外皮・円筒という形態を対応させましょう。
集計対象:シアトル中央図書館/ストックホルム市立図書館/フランス国立図書館/ベルリン自由大学。対象テーマが出た年度:2017・2022年(10年中2年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:不適当 | ベルリン自由大学図書館 フォスター設計のベルリン自由大学図書館は、曲面の外皮を持つ建物です。傾いた円盤状の屋根と文字を刻んだ外壁はアレクサンドリア図書館の特徴で、作品を取り違えています。 |
| 2:適当 | フランス国立図書館 ドミニク・ペローの計画は、緑のある中庭と四隅のL字型高層塔が特徴です。塔は開いた本のような形として、全体の配置と一緒に覚えます。 |
| 3:適当 | シアトル中央図書館 OMAによる図書館で、格子状の鉄骨とガラスによる外皮が特徴です。外観の格子と、室内へ光を取り込む構成を関連付けます。 |
| 4:適当 | ストックホルム市立図書館 アスプルンドの図書館は、円筒と直方体を組み合わせた形態が特徴です。大きな円筒内部に壁沿いの書架が配置される空間を、外観の形と対応させます。 |
ベルリン自由大学=フォスターの曲面外皮。フランス国立=ペローの四隅のL字塔。シアトル=OMAの格子状外皮。ストックホルム=アスプルンドの円筒。円盤と文字の外壁はアレクサンドリア。
正解:1番
問18 工事監理と監理技術者の違い
頻出度:★★★
問18の正解・解説を表示
確認ポイント:「監理」という字が同じでも、設計側の確認業務と施工側の技術管理は別です。
集計対象:工事監理と監理技術者/設計業務の契約・変更。対象テーマが出た年度:2017・2018・2019・2020・2021・2022・2023・2024・2025年(10年中9年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | 工事監理と結果の報告 所定の建築物の工事監理と、その照合・確認や結果報告は建築士が担う業務です。工事監理は、工事を設計図書と照らし合わせ、図書どおりに実施されているかを確認することが基本です。 |
| 2:適当 | 工事監理の具体的な方法 建築士法は工事監理の定義や責任を定めますが、すべての工事で行う確認対象・方法を細部まで一律に規定しているわけではありません。具体的な方法は工事内容や契約等に応じて定めます。 |
| 3:適当 | 引渡し立会いと支払審査 一般的な監理業務には、引渡しへの立会いや工事費支払の審査などが含まれます。設計図書との照合・確認そのものと、関連する契約上の業務を分けて理解します。 |
| 4:不適当 | 監理技術者講習の位置付け 監理技術者講習は施工側の建設業法上の制度に関係します。建築士の工事監理者と監理技術者は別の役割なので、工事監理を行う一級建築士全員にこの講習が必要という説明は誤りです。 |
工事監理者=設計図書との照合・確認を担う建築士。監理技術者=施工側の建設業法上の役割。工事監理をする一級建築士全員に監理技術者講習が必要ということではありません。
正解:4番
問19 根切りの作業上のゆとり幅と余幅
頻出度:★
問19の正解・解説を表示
確認ポイント:この問は正しい組合せを選びます。法付けと山留めで、図中のどの幅を問うか確認しましょう。
集計対象:積算の根切り余幅。対象テーマが出た年度:2017年(10年中1年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:誤り | 選択肢1の幅の組合せ 法付けの作業上のゆとり幅0.1m、山留めの余幅0.5mは、どちらも設問の標準値に足りません。指定基準と深さ2mの図の条件では、順に0.5m、1.0mです。 |
| 2:誤り | 選択肢2の幅の組合せ 法付け0.3m、山留め0.5mという組合せは、どちらも指定基準の値と一致しません。法付けの作業上のゆとり幅と、山留め壁側の余幅をそれぞれ確認します。 |
| 3:正しい | 選択肢3の幅の組合せ 法付けの作業上のゆとり幅0.5mと、山留めの余幅1.0mが正しい組合せです。図で示された幅を確認し、法面そのものの水平幅をゆとり幅に含めないようにします。 |
| 4:誤り | 選択肢4の幅の組合せ 山留めの余幅1.0mは合っていますが、法付けの作業上のゆとり幅1.0mが違います。両工法の値を同じにせず、法付けは0.5mとして判定します。 |
設問の根切り深さ2mの条件では、法付けの作業上のゆとり幅0.5m、山留めの余幅1.0m。法面の水平幅と、作業上のゆとり幅を混同しないこと。
正解:3番
問20 不動産・発注・事業方式のマネジメント
頻出度:★★★
問20の正解・解説を表示
確認ポイント:発注方式と、情報モデルを利用する手法を分けましょう。
集計対象:PPP・PFIと事業方式/デザインビルド・発注方式/資産・施設・ライフサイクル管理。対象テーマが出た年度:2017・2018・2019・2020・2021・2022・2023・2024・2025年(10年中9年)。
| 選択肢・判定 | 確認する内容と解説 |
|---|---|
| 1:適当 | アセットマネジメント 所有者・投資家の立場で不動産の価値や収益を管理し、運用を行う考え方です。設問は維持管理・運営を含む業務全体を代行する広い説明として適当です。日常の個別管理を担うPMと役割を整理すると理解しやすくなります。 |
| 2:不適当 | デザインビルドとBIM デザインビルドは設計と施工を一括して発注する方式です。情報を持つ三次元モデルを企画・設計・施工・維持管理に活用する説明はBIMに対応します。発注方式と情報活用の手法を取り違えています。 |
| 3:適当 | BOT方式 Build(建設)、Operate(運営)、Transfer(移転)の順です。民間が建設後に一定期間運営し、その後に公共側へ移管します。移管の時期を、建設直後に移すBTOと区別します。 |
| 4:適当 | LCMとLCC LCMは企画から使用・更新・解体まで、建築物の機能や費用を長期的に管理することです。その期間に要する費用の総額がLCCで、LCCの低減はLCMの目的の一つです。 |
デザインビルド=設計・施工の一括発注。BIM=建築情報を持つ三次元モデル。BOT=建設→運営→移転。LCM=建築物の一生を通じた管理、LCC=その期間の総費用。
正解:2番
全20問の正解番号
正解番号の一覧を表示
| 問題 | 正解 | 問題 | 正解 |
|---|---|---|---|
| 問1 | 2 | 問11 | 1 |
| 問2 | 4 | 問12 | 3 |
| 問3 | 4 | 問13 | 4 |
| 問4 | 4 | 問14 | 1 |
| 問5 | 2 | 問15 | 4 |
| 問6 | 2 | 問16 | 2 |
| 問7 | 3 | 問17 | 1 |
| 問8 | 4 | 問18 | 4 |
| 問9 | 3 | 問19 | 3 |
| 問10 | 3 | 問20 | 2 |
本記事は独自に作成した学習用解説です。問題文・図表の全文は掲載していません。正解番号は試験センターの公表資料と照合しています。制度・統計・設計標準等は設問の指定年度・条件に沿って確認し、今後の受験では適用される資料の版や改正内容も確認してください。