電気ってなんだろう?
手っ取り早くブレーカーが落ちる対策を知りたい方はクリックするとショートカットできます。
まず、電気と聞いて、何を想像するでしょうか。照明、コンセントの電源、バチっと来る静電気、雨の日の雷等々…。身近な電気を考えてみましたが、いろいろな種類があります。
電気とは目に見えないものなので、得体がしれなくて怖いとか、感電しそうとか、良くないイメージを持っている方がたくさんいらっしゃると思います。確かに、電気は取り扱いを間違えると大変危険です。
しかし、電気は人間が生活するうえで欠かすことのできないライフラインです。
電気の正しい知識を身に着けることができれば、照明器具や電化製品の理解度が向上し、さらには節電のポイントが分かるなど、今の生活をより豊かにすることができるはずです。
そこでまず、電気とはどういったものなのかを簡単に説明したいと思います。理屈や原理から説明しますので、「読み飛ばしてOK」と書いてあるところは理解できなくても大丈夫です。さらっと、「電気ってこういうものなんだな~」ぐらいに思っていただけたら十分です。
電気を知るには原子を知ろう(※読み飛ばしてOK)
学校の化学の勉強を思い出しましょう。原子とは、物質を構成する最小単位のことです。
ちなみに、上の図の赤色の部分を「陽子」、黄色の部分を「中性子」、青色の部分を「電子」といいます。上の図の原子はヘリウムといいますが、プラスの陽子が2つとマイナスの電子が2つで、プラスとマイナス2つずつで非常に安定している状態です。
この電子は陽子と中性子(陽子と中性子を合わせて原子核といいます)の周りをグルグル回っています。しかし、原子の中には、電子が何かの拍子で軌道から離れて行ってしまうものがあります。
この原子核から離れていった電子のことを、自由電子と言うのですが、電気とはこの自由電子の流れのことを言います。
ちなみにですが、金属は電気をよく通す物質であるということをご存知でしょうか。電気のことを知るために、次のセクションでは「金属」についてご説明します。
金属と自由電子の関係について(※読み飛ばしてOK)
金属とは、金・銀・銅・鉄・アルミニウム等々、電気が流れやすい物質です。つまりひとつ前のセクションの言葉を使って言い換えると、原子から自由電子が飛び出やすい物質のことです。
上の図は金属原子が集まって構成されています。⊕ のマークはプラスの電荷を帯びている金属原子です。ちなみに電荷とは、物体が帯びている電気の量のことをいいます。
金属原子は自由電子が飛び出て行ったので、プラスの電荷を帯びています(これを陽イオンといいます)。プラスの陽イオンとマイナスの自由電子の間には、クーロン力なる力によって引き付けあっているのですが、これによって金属原子は結合されています。
自由電子はこの陽イオンの間を自由に動き回ることができます。先ほども説明しましたが、この自由電子の動きが、電気が流れている状態です。
電圧(ボルト【V】)と電流(アンペア【A】)について
どこのご家庭にもコンセントがあると思います。一般家庭用のコンセントの電圧は約100V(電圧の単位【V】:ボルト)です。
このコンセントは、電子を吸引・排出するパワーを持ったものと考えると分かりやすいかもしれません。電圧が高いほど、電子を吸引・排出するパワーが強いです。
ちなみに、電気とは電子の流れであると説明しましたが、この電子の流れの逆向きのことを電流(電流の単位【I】:アンペア)といいます。
ややこしいことに、電子の流れの逆向きが電流であると定義されてしまっているため、「こういうものなんだな…」ぐらいに思っていただけたら大丈夫です。
- 物体の中を動き回る自由電子が電気の正体
- 家庭のコンセントは電圧100ボルト【V】で、電流(電子)を流すパワーを持っている
電力(ワット【W】)について
電力(電力の単位【W】:ワット)とは 、家電などにて消費される電気エネルギーの大きさのことで、電圧(ボルト【V】) × 電流(アンペア【I】) で表すことができます。(厳密に言うと力率なる係数が掛かってくるため値が少し変わりますが、難しい話になるので気にしなくて大丈夫です)
例えば、コンセントから消費電力900ワット【W】の電気ケトルを使った場合の電流値についてご説明します。
電気ケトルとコンセントに流れる電流は、900ワット【W】÷100ボルト【V】=9アンペア【A】になります。
電圧や電流や電力のイメージが湧きにくいかもしれませんので、水に例えてご説明します。
電圧とは、水に例えると水圧のことです。蛇口の水圧が高いと水が勢いよくドバドバ出る、逆に水圧が弱いと水はチョロチョロしか出ません。
電流とは、水に例えると水の流れる量のことです。水圧が高く、水の流れる量が多ければ、水車をたくさん回せます(これが電気でいうところの電力です)。
つまり、電圧・電流が大きければ、大きな仕事(電力が大きい)ができます。
- 一般家庭の電圧は100ボルト【V】
- 電圧とは水に例えると水圧のことで、電圧の単位は ボルト【V】
- 電流とは水に例えると水の流れる量のことで、電流の単位は アンペア【A】
- 電圧×電流は電力であり、単位はワット【W】
- 電圧【V】 × 電流【I】 ≒ 電力【W】
ブレーカーが落ちる問題を解決しよう
ブレーカーとは、電気を入り切りするスイッチのことで、上写真のつまみが付いている部分です。後述で触れますが、電気を安全に遮断する安全装置の役割もあります。
ブレーカーが落ちる原因は大きく分けて以下の3つです。
- 電気の使い過ぎでブレーカーが落ちる ※90%以上これが原因です
- 漏電(電気が漏れている)が原因でブレーカーが落ちる
- ブレーカー自体が故障しているのでブレーカーが落ちる
電気の使い過ぎでブレーカーが落ちる問題を解決しよう
↑ホーム分電盤の外観写真 ↓カバーを外した時の写真
電気を使いすぎなのか判断するためには、電化製品の消費電力(ワット【W】)から電流値(アンペア【A】)を求める必要があります。
ちなみに一般家庭用の電化製品は大体のものが定格電圧100ボルト【V】であり、電化製品にも消費電力が記載されていますので、消費電力が分かれば電流値を計算することができます。
- 消費電力(ワット【W】)÷ 電圧(ボルト【V】)= 電流(アンペア【A】)
- 消費電力が900ワット【W】なら、900ワット【W】÷ 100ボルト【V】= 9アンペア【A】
上写真は家庭のホーム分電盤ですが、右側の小さいブレーカーのつまみの部分をよーく見ると、「20A」と書いてあります。つまり、”20アンペア【A】まで電気が使える(定格電流が20A)”ということを意味しています。
この電流値を超えて電気を使用するとブレーカーが過電流(電流が定格電流に対して流れすぎる状態)でトリップ(過電流でブレーカーが落ちること)してしまいます。
ブレーカーの内部にはバイメタルという金属が入っているのですが、これが過電流による温度上昇によって膨張し、ブレーカーをOFFにするための引き外し装置を働かせることにより、ブレーカーを自動で落としています。
つまり、ブレーカーは回路に電流が流れすぎないようにする安全装置の役割があります。もし回路に過電流が流れてしまうと、電線やコンセントに繋がっている家電などが焼損してしまう恐れがあり大変危険ですが、ブレーカーはその危険を防止してくれます。
繰り返しになりますが、ブレーカー1回路の定格電流は20アンペア【A】です。家庭用のコンセントは複数のコンセントで1回路(複数のコンセントでブレーカーが1台)の状態です。(ただし、エアコン用のコンセントは単独回路です。これを専用コンセントといい、コンセント1か所にブレーカーが1つある状態です)
上写真の例では、以下の6つの回路に分かれていることが分かります。
- 洋室・洗濯機
- 台所エアコン
- 洋室エアコン
- 台所・和室
- 和室エアコン
- 電子レンジ
上記6つの回路のうち、どれか1つの回路の電流が20Aを大きく超えてしまうと、そのブレーカーが落ちてしまいます。
電気の使い過ぎでブレーカーが落ちる問題の対策は?
ブレーカーが頻繁に落ちる場合は、消費電力の大きな電化製品を同時に使わないように、もしくは消費電力の大きな電化製品を別の回路のコンセントで使うようにしましょう。
必ず1回路の電流値は20アンペア【A】(つまり、一般家庭のコンセントは100Vなので、消費電力2,000W)以内となるようにしましょう。
このような対策をすれば、電気の使い過ぎが原因でブレーカーが落ちることは無くなります。
漏電が原因でブレーカーが落ちる問題を解決しよう
上写真はメインブレーカーを拡大した写真ですが、定格電流が40Aと書いてあります。
家全体の電気を使いすぎて合計電流値が40アンペア【A】を大きく超えると、メインブレーカーがトリップします。こうなると家全体が停電してしまいます。
この場合は電気の使い過ぎが原因ですので、前セクションで紹介した対策と同様に、同時に家電を使わないように気を付けましょう。
しかし、ブレーカーが落ちる原因は他にもあります。このメインブレーカーには漏電を検知してブレーカーを落とす(トリップさせる)機能があります。これを漏電ブレーカーといいます。
上写真の漏電ブレーカーの左側に白色のボタンがありますが、漏電を検知すると、この白色のボタンがピョコっと飛び出し、ブレーカーが落ちます(トリップします)。
漏電とは文字のとおり電気が漏れている状態であり、上図の②及び③が該当します。詳しくは以下のリンク先で説明していますので、興味のある方はご覧ください。
アース(接地)とは?家電の緑の線(アース線)は漏電時の安全に必要
漏電の原因は様々ですが、代表的な原因は以下になります。
- コンセントが濡れている
- コンセントが埃を被っている
- 配線に傷が入っている
- 内部が故障している古い電化製品を使用している
- 水にぬれた電化製品を使用している
漏電は水気がある場合に発生しやすいです。ある電化製品を使用中に漏電ブレーカーが漏電にて落ちた場合は、その電化製品が漏電の原因ですので使用しないようにしましょう。
漏電が原因でブレーカーが落ちる場合の対策は?
漏電個所を特定し、それを修理することにより問題を解決することができます。漏電個所の特定は以下の手順で実施しましょう。
- 20アンペア【A】の子ブレーカーを全部切った状態でメインブレーカーを投入する。
- 一つずつ子ブレーカーを投入していく。
- 子ブレーカーを投入したと同時にメインブレーカーが漏電で落ちてしまう場合は、その子ブレーカーの回路に漏電の原因がある。
- その子ブレーカーの回路に繋がっている機器のプラグをコンセントから抜き、その状態でメインブレーカーを投入してみる。
- ブレーカーが漏電で落ちなければ、そのプラグを抜いた機器が漏電の原因であると特定できる。
- 特定の危機を使用した場合に漏電ブレーカーが落ちるならば、その機器の故障が漏電の原因である。
ブレーカー自体が故障しているのでブレーカーが落ちる問題を解決しよう
過電流及び漏電が原因でもないのにブレーカーが落ちる場合は、ブレーカー本体の故障の可能性も考えられます。
設置から数十年以上経過しているブレーカーの場合、ブレーカー内部の部品の劣化している可能性があります。
この場合はブレーカーを取り替えることによって解決しますので、電気工事士の免許を持っている電気工事屋さんに修理を依頼して取り替えてもらいましょう。
ホーム分電盤の配線図について
絵を書くと上図のようになります。赤と黒の線は100ボルト【V】の電圧があります。白色の線は中性線と言って、電圧は0ボルト【V】です。
つまり、子ブレーカーは赤と白の組み合わせの100V(上側3個のブレーカー)と、黒と白の組み合わせ(下側3個のブレーカー)の100Vがあります。
この上側3台または下側3台のブレーカーの合計電流値が40Aを超えた場合、メインのブレーカーは過電流でトリップします。
また、図の緑の線はアース線です。電化製品等の機器に漏電が発生した際に、その漏電電流を安全に大地に流し、感電を防ぐことができます。
上図の③はアース線が接続されている場合の説明です。重ねてになりますが、詳しくは以下のリンク先で説明していますので、興味のある方はご覧ください。
アース(接地)とは?家電の緑の線(アース線)は漏電時の安全に必要
いかがでしたでしょうか。電気のことを少しでも理解していただけたなら幸いです。
資格のことから身近なことまで、電気に関する質問を募集していますので、何かありましたらコメントまでよろしくお願いします。面白い質問があれば記事にしたいと思います。