電気の基礎:オームの法則を図で理解しよう(電圧=電流×抵抗)
目次
電気の計算で必ず登場するのが「オームの法則」です。
これが分かると、次のような身近な疑問が一気に整理できます。
- ブレーカーが落ちる理由
- 家電の「何W」「何A」って何?
- 配線やコンセントの“限界”はどこか
このページのねらい
対象(こんな人向け)
- 中学理科で「電圧・電流・抵抗」は聞いたことがある
- でも、式は覚えたのに イメージがつかめてない と感じる
- 電気工事やDIY、電気の資格勉強を始めたい
ゴール(ここまで分かればOK)
- 「V = I × R」の式を 言葉で説明できる
- 簡単な例題で、自分で I や R を計算できる
- よくあるミス(単位・式の変形・WとAの混同)を自分で避けられる
前提知識
- 中学校レベルの四則計算ができればOK
- 「電圧=押す力」「電流=流れる量」「抵抗=流れにくさ」というイメージを、これから一緒に作っていきます
まずは公式から
記事を読み進める前に、よく使う公式を一度まとめておきます。
オームの法則(基本形)
- V = I × R
記号の意味は次の通りです。
- V:電圧(ボルト)… 電気を押す力
- I:電流(アンペア)… 電気が流れる量
- R:抵抗(オーム)… 電気の流れにくさ
公式の変形
- 電流を求めたい → I = V ÷ R
- 抵抗を求めたい → R = V ÷ I
電力(どれくらい電気を使うか)
- P = V × I
- 電力から電流を出す式(よく使う) → I = P ÷ V
オームの法則って何?(V・A・Ωの関係)
電圧 V と電流 I の間には、次の関係があります。
V(電圧)= I(電流)× R(抵抗)
ここでいう抵抗 R(Ω)は、「電流の流れにくさ」 だと思ってください。
- 抵抗が小さい → 電流が流れやすい(例:金属)
- 抵抗が大きい → 電流が流れにくい(例:ゴム・ガラス など)
水の流れでイメージしてみる
水道管に水を流すイメージに置きかえると分かりやすいです。
- 電圧 V … ポンプの押す力(圧力)
- 電流 I … 1秒あたりに流れる水の量
- 抵抗 R … 管の細さ・詰まり具合(流れにくさ)
管が詰まる(抵抗が大きい)ほど、水の流れ(電流)は少なくなるという関係です。
電気が“流れるもの/流れないもの”:導体と絶縁体
導体:電流を通しやすいもの
導体(どうたい) は、電気を通しやすい物質です。
- 代表例:金・銀・銅・アルミなどの 金属
- 家の電線の中身(銅線)が電気を流すのは、抵抗が小さくて電流が通りやすいから
イメージ:
水がスイスイ流れる太い管=抵抗が小さい=導体
絶縁体:電流を通しにくいもの
絶縁体(ぜつえんたい) は、電気をほとんど通さない(非常に通しにくい)物質です。
- 代表例:ゴム・ガラス・プラスチック
- 電線の外側の被覆(ゴム/樹脂)は、電気を外に漏らさないための 防護服 の役割
イメージ:
ほとんど流れない、詰まりまくった管=抵抗がとても大きい=絶縁体
ここまでのまとめ
- V = I × R
- 導体=電気を通しやすい(金属)/絶縁体=通しにくい(ゴム・プラ)
- 導体は抵抗が小さい、絶縁体は抵抗が大きい
例題で身につけるオームの法則(ステップ&穴埋め)
まず覚える:W → A 換算(電力から電流を出す)
家電や電球などには「〇〇W」と書いてあります。これは 「どれくらい電気を使うか(電力)」 を表す単位です。
電力 P(W)から電流 I(A)を求めるとき、次の式を使います。
I(A)= P(W) ÷ V(V)
「この条件だと、何アンペア流れるの?」という場面で とてもよく出てくる式 です。
例題1:1.5Vの電池+1.5Wの豆電球(抵抗Ωを求める)
問題(要約)
1.5V の乾電池と、1.5W の豆電球があります。
この豆電球の抵抗 R(Ω)はいくつでしょう?
STEP0:図でイメージ
- 電池:1.5V(押す力)
- 豆電球:1.5W(どれくらい電気を使うか)

STEP1:電流 I を求める(I = P ÷ V)
まずは 電力と電圧から電流を計算 します。
- 式:I = P ÷ V
- 数値:P = 1.5W、V = 1.5V
I = 1.5W ÷ 1.5V = □ A
自分で計算してみてから、下の答えを見てください。
答え: I = 1.5 ÷ 1.5 = 1A
STEP2:抵抗 R を求める(R = V ÷ I)
次に、求めた電流 I と電圧 V を使って 抵抗 R を計算します。
- 式:R = V ÷ I
- 数値:V = 1.5V、I = 1A
R = 1.5V ÷ 1A = □ Ω
もう一度、自分で計算してみてください。
答え: R = 1.5 ÷ 1 = 1.5Ω
ここでつかんでほしい感覚
- 電力が大きいほど、同じ電圧なら 電流はたくさん流れる
- 抵抗が大きいほど、同じ電圧でも 電流は流れにくくなる
例題2:100Vコンセント+10Wの豆電球(抵抗Ωを求める)
問題(要約)
100V のコンセントにつなぐ、10W の豆電球があります。
この豆電球の抵抗 R(Ω)はいくつでしょう?
STEP1:電流 I を求める
- 式:I = P ÷ V
- 数値:P = 10W、V = 100V
I = 10W ÷ 100V = □ A
自分で計算してみてください。
答え: I = 10 ÷ 100 = 0.1A
STEP2:抵抗 R を求める
- 式:R = V ÷ I
- 数値:V = 100V、I = 0.1A
R = 100V ÷ 0.1A = □ Ω
小数点に気をつけて計算してみてください。
答え: R = 100 ÷ 0.1 = 1,000Ω(= 1kΩ)
例題2から分かること
- 同じ豆電球でも、「何Vで使うか」によって流れる電流が変わる
- 家庭の100Vコンセントでは、小さなW数でも 意外と大きな抵抗値 になる
自己診断テスト:ここでつまずいていませんか?
次の項目のうち、当てはまるものに ✅ を付けてみてください。
- ✅ mA を A に直すのをよく忘れる
- ✅ kΩ や kW の「k=1000倍」をつい無視してしまう
- ✅ V = I × R は覚えたのに、I や R を求めるときに変形で止まる
- ✅ W(ワット)と A(アンペア)の違いを説明しろと言われると困る
1つでも当てはまる場合は、以下のどこかでつまずいている可能性があります。
ミス1:単位の変換を忘れる(mA / kΩ / kW)
- 1000mA = 1A
- 1000Ω = 1kΩ
- 1000W = 1kW
逆に言うと、
- 0.5A = 500mA
- 2kΩ = 2,000Ω
- 0.1kW = 100W
のように、「k=1000倍」「m=1/1000」 という感覚を持っておくことが大事です。
★対策
計算を始める前に、必ず「A と Ω と W」にそろえる クセをつけると、ミスが激減します。
ミス2:「V = I × R」は覚えたのに、変形が出てこない
暗記しようとすると混乱するので、図でイメージして覚える方法 がおすすめです。
三角形のメモを作って、
- 一番上に V
- 左下に I
- 右下に R
と書きます。
- V を求めたい → 下の2つを掛ける → V = I × R
- I を求めたい → V ÷ R → I = V ÷ R
- R を求めたい → V ÷ I → R = V ÷ I
★対策
紙に三角形を書いて、声に出しながら3パターンの式を何度か書く と、手と口で覚えられて忘れにくくなります。
ミス3:W(電力)と A(電流)をごっちゃにする
- W(ワット) … どれくらい電気を使うか(消費する量)
例:電気代の計算などで重要 - A(アンペア) … どれくらい電気が流れるか(流量)
例:ブレーカーや配線の「耐えられるかどうか」の基準
★ざっくり言うと
- W:どれくらい働かせたか
- A:どれくらい流したか
家庭のブレーカーは A が基準 になっているので、
「この回路で何A流れるのか」を計算できるようになると、安全にDIYができるようになります。
まとめと「次に何を学ぶか」
このページのポイント
- オームの法則の基本形 → V(電圧)= I(電流)× R(抵抗)
- 導体=電流を通しやすい(金属)/絶縁体=通しにくい(ゴム・プラ)
- 電力から電流は I = P ÷ V で求められる
- 例題では「まず I を出して、次に R を出す」という 2ステップ に慣れる
- 単位の変換(mA・kΩ・kW)と、式の変形(V=IR → I=V/R → R=V/I)をセットで身につけると、計算が一気に楽になる
次に読むとスッキリするおすすめ記事
オームの法則が分かると、次に気になるのが
「じゃあ、ブレーカーが落ちる のは、具体的に何が原因なの?」
という話です。
続けて読むなら、たとえば次のような内容の記事がおすすめです。
- 電気とは?電圧・電流・電力を学んでブレーカーが落ちる原因を知ろう(電圧・電流・電力と、ブレーカーの関係をまとめた記事)
ここまで読めば、
- 家のどこでどれくらい電気を使っているのか
が、かなりクリアになるはずです。