電気の電源には大きく直流(DC)交流(AC)の2種類があります。このページでは「違い(結論)→用語→DC/ACの例→変換(AC→DC)→なぜ家庭はAC?→まとめ」の順で、初学者でも迷わず理解できるように整理します。

まず結論:DCとACは「向きが変わるかどうか」

  • 直流(DC):電圧(+/−)の向きが基本的に一定(入れ替わらない)
  • 交流(AC):一定の周期で電圧の向き(+/−)が入れ替わる
電池=DC、コンセント=ACと覚えると最初はスムーズです。

最低限の用語:電圧・電流の「向き」って何?

ここでいう「向き」は、電圧がプラス側なのかマイナス側なのか(=極性)という意味です。 DCは極性が一定、ACは極性が周期的に入れ替わります。ACは時間とともに電圧がプラスになったりマイナスになったりを繰り返すイメージです。

直流(DC)ってどんなもの?

直流は、ざっくり言うと「一定方向に押し続ける電気」です。身近だと電池やバッテリーが代表例です。

DCの身近な例(3つ)

  • スマホ/タブレット(本体内部はDC) 充電でためるのはバッテリーの電気なので、最終的には直流として充電されます。端末内部の電子回路も直流で動きます。
  • ノートPC(バッテリー&内部回路はDC) コンセントは交流ですが、ACアダプターがAC→DCに変換してPCに供給します。バッテリー駆動も直流です。
  • LED照明(LED自体はDCで点灯) 家庭のLED電球はコンセントで使えますが、電球の中に回路がありAC→DCに変換してLEDを点灯させています。
覚え方:電子機器の“中身”はだいたいDC(バッテリー・電子回路・LEDなど)

交流(AC)ってどんなもの?

交流は、電圧の向きがプラスとマイナスで交互に入れ替わる電気です。家庭のコンセントから取り出せる電気が代表例です。

ACの身近な例(3つ)

  • 家庭のコンセント(AC100V) 家庭の電気の入口は基本が交流です(地域により50Hz/60Hz)。
  • IHクッキングヒーター(電源はAC) コンセントの交流を使って動作します(内部で制御はされますが、家庭での扱いとしてはAC機器の代表例です)。
  • 交流モータ(誘導電動機など) ファン・ポンプ・換気扇などに多い誘導電動機は、交流による回転磁界で回ります。
覚え方:電力として配るのはAC、回転機(モータ)もACが多い

混乱しやすいポイント:コンセントはACでも「中身はDC」が多い

スマホ・PC・LED照明のように、コンセント(AC)から受け取って内部でDCに変換して使う機器がたくさんあります。だから「コンセントに挿す=ACで動いている」と思い込むと混乱しやすいです。

ACアダプター(充電器)は「交流を直流に変える装置」

家庭のコンセントは交流ですが、バッテリー充電や電子回路の多くは直流で動きます。そこで、ACアダプター(充電器)が交流(AC)を直流(DC)に変換して機器に供給しています。 コンセント(AC) → 充電器で変換 → 機器の中はDCで動作/充電という流れです。   AC→DC変換の流れ:コンセントの交流(AC)を、充電器(ACアダプター)で直流(DC)に変換し、機器(スマホ・PCなど)内部の回路やバッテリーに供給する。

交流100Vの「100」は実効値(RMS)

家庭の交流100Vは「常に100Vが出ている」という意味ではなく、波形の実効値(RMS)が100Vという意味です。波の山(ピーク)の瞬間は100Vより大きくなります。

50Hz/60Hzとは?(東日本と西日本で違う理由)

Hz(ヘルツ)は「1秒間に何回くり返すか」を表します。交流の周波数が50Hzなら1秒間に50回、60Hzなら60回のサイクルで電圧の向きが入れ替わるイメージです。

なぜ家庭の電気は交流(AC)なの?

家庭で交流が使われている理由は、代表的には次の2つです。

理由1:電圧を変えやすい(変圧がしやすい)

交流は変圧しやすいため、送電では高い電圧にして損失を減らし、家庭の手前で電圧を下げる、といった運用がしやすくなります。

理由2:遮断しやすい(電圧が0になる瞬間がある)

交流は周期の中で電圧が0V付近になるタイミングがあり、事故時に電気を切る(遮断する)設計に有利な面があります。

最後に:超短いまとめ(これだけ覚えればOK)

  • DC:向きが一定(電池・バッテリー、スマホ/PCの内部、LEDの点灯)
  • AC:向きが周期的に入れ替わる(家庭のコンセント、IH、交流モータなど)
  • 多くの機器は「ACで受けてDCに変換して使う」(充電器・電源回路がAC→DCを担当)