第一種電気工事士を認定で取得した話
私は電気系の資格をだいたい取得してきました。電験三種、1級電気工事施工管理技士、第二種電気工事士、エネルギー管理士…。
なんとなく転職サイトの求人を眺めていたのですが、電験三種と第一種電気工事士の資格が両方なければ応募できない求人が数件ありました。
ちなみにですが、第一種電気工事士を試験合格後に取得するには5年以上(3年以上でOKな例外もあります)の実務経験が必要です。以下は実務経験の一例です。
- 電気工作物に該当する電気的設備を設置し、または変更する工事(自ら施工する当該工事に伴う設計及び検査を含む。キュービクル、変圧器等の据付けに伴う土木工事及び電気機器の製造除く)
実務経験の例は以下になります。三重県のホームページから引用しております。
- 電気主任技術者の指導監督のもとで下記工事において作業員として、最大電力 500kW以上の自家用電気 工作物の新設及び改修工事に従事し、主として受電設備の設置、低圧配線工事を行った。
- 認定電気工事従事者交付 平成○○年○○月○○日 ○○産業保安監督部第○○号 左記の期間、自家用電気工作物の低圧電気工事に従事した。工事内容としては、低圧屋内配線の分岐回路 の増設、照器具・コンセントの増設、低圧屋内配線の移設、低圧電動機への配線の取付等に従事した。 実施回数は45件。
- 第二種電気工事士免状交付 平成○○年○○月○○日 ○○県第○○号 左記の期間中、主任電気工事士の監督のもとで、一般用電気工作物の新設、増設、改修工事120件に 作業者として従事し、主に引込線の新設、屋内配線工事、配線器具の取付等を行った。
- 電気事業用電気工作物の新設、改修工事に○○電力株式会社の電気主任技術者の監督のもと で作業者として従事し、主として高圧、低圧配電線の取付・付替工事柱上変圧器・保安開閉器の取付・ 付替工事を行った。工事件数は約100件。
- 当社所有の寮、社員住宅等の一般用電気工作物の分岐回路の増設、破損したコンセント、点 滅器、照器具等の取替及び増設工事等に従事した。実施回数は約50回。
このように、第一種電気工事士試験合格後の実務経験は本格的な電気工事しか認められません。私の仕事は主に設計・積算・現場監督・構内施設の維持保全であり、電気工事は年に数件程度しかおこないません。
基本的には業者に依頼して電気工事をしてもらいます。私が電気工事をするのは業者を呼ぶほどでもない電気工事(天井内雨漏りによる照明器具の脱着、ダウンライトやコンセントの交換等)のみです。
つまり私の場合は、試験合格をしたとしても実務経験がほとんどないため、第一種電気工事士の免状を取得することができない状態でした。実務経験書類には会社のトップの方(社長クラス)の印鑑が必要であり、嘘は絶対に書けません。
第一種電気工事士の資格取得を諦めかけていた私ですが、あることを閃きました。
「もしかして、電験三種の資格を持っているから、認定で第一種電気工事士を取得できるのでは?」
電験を取得している場合、認定免状取得に必要な実務経験の例は以下になります。
- 電気工作物の工事、維持または運用に関する保安の監督
- 自ら行う電気工作物の工事、維持または運用
私の場合、電験三種取得後5年以上の①の実務経験がありましたので、認定免状取得の条件を満たしていました。そんなわけで、認定免状取得を目指すことにしました。
第一種電気工事士を認定で取得する流れ
申請は各都道府県で行います。インターネットで「第一種電気工事士 認定 〇〇県」のように検索をかければすぐに各都道府県の専用ホームページにたどり着けます。
各都道府県によって方法が違うかもしれませんが、基本的には申請書類(認定申請書・実務経験証明書等)を記入し、6,000円の収入証紙、半年以内に撮影した4cm×3cmの本人写真、返信用封筒等を一式封筒にまとめて各都道府県の担当窓口に直接持参して提出または郵送する流れになります。
一番厄介なのは実務経験証明書に会社の代表社印が必要なことです。大企業であれば原議書を関係各課にまわして決裁を取ったりすることが必要な場合もあると思います。
私の場合は実務経験証明書に代表者印をもらう前に、事前に担当窓口に内容の相談に伺いました。専用ホームページの例を参考に記入しましたが、特に問題等はありませんでした。
その後、必要書類一式を担当窓口に郵送しました。だいたい1カ月後に以下のような免状が送られてきました。
ふと疑問に思ったのですが、第一種電気工事士は「認定取得」と「試験取得」では区別があるのでしょうか?インターネット検索をした限りでは良くわかりませんでした。
もしご存じの方がいましたら教えてください。ちなみに、電気主任技術者は「認定取得」と「試験取得」は免状の番号で区別ができるようになっています。
一つ注意点ですが、第一種電気工事士を取得したら、5年以内サイクルに一度、自家用電気工作物の保安に関する講習を受ける必要があります。
講習料は12,500円とそこそこ高額ですので、第一種電気工事士の資格を活かすことが無さそうであれば、認定取得はしない方がいいかもしれません。
私は現状の仕事を続けるのであれば第一種電気工事士は必要ないのですが、将来転職する可能性も考え、認定取得させていただきました。
電験の資格のお持ちの方はぜひ第一種電気工事士の認定取得検討されてはいかがでしょうか。