電気の資格

令和3年度電験三種【電力】を解いてみた(感想と解き方のコツ)

令和3年度電験三種【電力】を解いてみた

ふと、「令和3年度の電験三種の電力科目を解くと、何点取れるんだろう?」と思ってしまったので、解いて見ました。(ちなみに、理論科目機械科目も解いています)

なんといっても、令和3年度の電験二種試験に合格しているので、電験三種の勉強はしてなくても、さすがに6割は取れるんじゃないかな~と、自信はありました。

結果は…

75点でした!う、う~ん、この点数はどうなんだ??
(この75点うち、2問は勘で当てましたので、実質65点しか…ゴホンゴホン)

なんだか後半の計算問題がとても難しく感じました。そう思って合格率を調べたところ、32.6%とかなり高めでした。どうやら簡単な年のようです。問1~問14までは簡単な問題が多かったため、このような高い合格率になったものと思われます。

もしかすると参考になる方もいらっしゃるかもしれませんので、私の解き方を参考にお伝えしたいと思います。

令和3年度 電験三種 電力科目

【正解の答え】問1:(5)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(オ)の「調整池式」は自信があったので、この時点で(4)と(5)に絞れました。
(ウ)は「水路式はダム式、ダム水路式に比べ」建設費が「高いか」、「安いか」ですが、ダムを造らない分、建設費は安くなるはずなので、(5)を選択しました。

 

【正解の答え】問2:(3)
私の結果 ⇒ 不正解

【考え方】「ベルヌーイの定理」を使って計算することは分かりましたが、肝心の公式を忘れていました。人間、使わないとすぐ忘れてしまいます。
流速はなるべくきれいな数字である(2)の「3.0」を選び、水圧は選択肢の(2)と(3)が被っている「316」を選び、その結果(2)を選択しましたが、見事に外れていました。

 

【正解の答え】問3:(5)
私の結果 ⇒ 不正解

【考え方】汽力発電については電験二種で勉強していたので、自信がありました。(1)正しい、(2)正しい、(3)空気予熱器は燃焼用空気を排ガスの余熱で温めるものだから、この選択肢は間違っている。よって答えは(3)だ!という感じで選択しましたが、その選択が間違っていました。
「空気予熱器は、煙道ガスの余熱を燃焼用空気に回収することによって」という文章を、間違えて「煙道ガスを燃焼用空気に送り込む」と解釈してしまいました。日本語力が欠如していました…。

 

【正解の答え】問4:(4)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(ウ)の「高電圧」と(エ)の「コロナ」が分かったので、(4)、(5)の2択まで絞れました。(イ)と(オ)はまったくわかりませんでしたが、(ア)は「平板電極」だと思うんだよな~ということで、(4)を選択したら正解でした。
ちなみに、(ア)の問題は(3)、(4)、(5)が共通、(イ)の問題は(3)、(4)、(5)が共通、(オ)の問題は(1)、(4)、(5)が共通であり、共通が一番多いのが(4)の選択肢であるということも、判断の一つとなりました。この技を過信しすぎるのは良くないですが、判断材料として活用できるのでおすすめです。

 

【正解の答え】問5:(2)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(2)の減速材って、黒鉛ではなく「軽水」ではなかったっけ?ということで、(2)を選択し、正解でした。

 

【正解の答え】問6:(5)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】まず、(1)~(5)を読みます。…誤りが見つからない。というわけで、2週目に突入しますが、(5)の吸熱反応が非常に怪しく感じました。ここしか間違ってそうなところが見つからなかったため、(5)を選択したところ、正解でした。

 

【正解の答え】問7:(5)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(ア)、(イ)、(ウ)全て分かりましたので、(5)を選択して、正解でした。変流器の「2次側開放厳禁」は非常に重要ですので、覚えておいた方が良いです。

 

【正解の答え】問8:(4)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(4)「断路器の種類によっては、短い線路や母線の地絡電流の遮断が可能な場合がある」ですが、こんな話は聞いたことが無かったため、(4)を選択したところ、正解でした。
問題文の書き方が少しいやらしく、「~が可能な場合がある」という正しい選択肢で使われがちな書き方だったので、「もしかしてそういうこともあるのか?」と惑わされました。

 

【正解の答え】問9:(4)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】総負荷がMW表示だったので、これに力率0.95を割ってMVA表示とし、単位に注意しながら計算を進めていった結果、(4)を選んで正解でした。

 

【正解の答え】問10:(1)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(ア)、(イ)、(エ)は確実に分かったため、(1)を選択し、正解でした。過去問でもよく見た記憶があるので、これはサービス問題だと思います。

 

【正解の答え】問11:(2)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(2)の「表皮効果」は「導体全体での電気抵抗が大きくなるため、悪いことの代表例」というイメージがあったので、(2)を選択したところ正解でした。

 

【正解の答え】問12:(5)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(2)「中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡な状態で中性線が切断されると、容量が大きい側の負荷にかかる電圧は低下し、反対に容量が小さい側の負荷にかかる電圧は高くなる。」ですが、これが誤りの選択肢だろうと思いましたが、念のため別の選択肢も読みます。(5)「許容電流の大きさが等しい電線を使用した場合、電線 1 線当たりの供給可能な電力は、単相 2 線式よりも小さい。」ということで、この選択肢が明らかに誤りだったので、(5)を選択したところ正解でした。
(2)について、”中性線が切断されると、100Vの負荷は200Vになるんじゃなかったっけ?”と勘違いしていましたが、よく考えると問題文のように、分圧の法則により「大容量側(低抵抗)の負荷にかかる電圧は低下し、小容量側(高抵抗)の負荷にかかる電圧は高く」なりました。

 

【正解の答え】問13:(2)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(ウ)と(エ)はすぐに分かりましたので、(2)、(4)に絞られました。(ア)は”高圧ヒューズだと、切れたとき大変そうだな”ということで、おそらく「遮断器」が正解だろう。(イ)は「連携」開閉器なんて言葉は聞いたことがないから、おそらく「区分」開閉器が正解だろう。ということで、(2)を選択したら正解でした。

 

【正解の答え】問14:(4)
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(4)ですが、「導電率は、軟銅(一般的なケーブルや電線に使われているもの)よりも、硬銅の方が小さい」ため、誤りだと分かります。(4)を選択し、正解でした。

 

【正解の答え】問15(a):(2)、問15(b):(4)
私の結果 ⇒ (a)正解、(b)不正解

【考え方】(a)は所内率がいやらしいところです。24時間の電力量を計算し、所内率の0.02を除いた0.98が送電端電力量になるので、計算を進めて(2)を選択し、正解。

(b)は[J]を[W]に変換することができれば解けます。計算を進めて、(3)を選択し、不正解。…不正解?!
「発電端効率 = 発電機出力 / 燃料使用量から換算した熱量」
の計算式となるのですが、私は間違えて「発電機出力(5830MWh)」を「送電端電力量(5710MWh)」として計算してしまいました。

 

【正解の答え】問16(a):(4)、問16(b):(2)
私の結果 ⇒ (a)正解、(b)不正解

【考え方】(a)について、電線のたるみの公式「D=WS^2/8T」は覚えていましたが、”どの記号がどれを表すんだっけ?”というレベルで、ほとんど覚えていませんでした。電線の長さ(実長)の公式に至っては、思い出すこともできませんでした。
こうなっては勘で当てるしかない…。計算問題の場合、(1)と(5)は正解になりにくいので除外ししました。残った(2)~(4)のうち、なるべくきれいな数字である(4)を選択し、正解。
(b)も同様に、(1)と(5)は正解になりにくいので除外、残った(2)~(4)のうち、なるべくきれいな数字である(4)を選択し、不正解。

 

【正解の答え】問17(a):(2)、問17(b):(3)
私の結果 ⇒ (a)不正解、(b)正解

【考え方】(a)見るからに難しそうな問題なので、なんとしても(a)は解きたいところ。「配電線の電圧降下の近似式」は覚えていたので、値を代入して計算し、そこから電圧降下率を計算、(1)を選択し、不正解。…え、なんで??
悲しいことに、「単相 2 線式送電線の電圧降下」の ×2倍 をすっかり忘れており、半分の値を選んでしまいました。公式は定期的に見返さないと忘れてしまいますね…。(本当は原理から公式を覚えるのが一番良いのでしょうが…)
(b)は難しそうなので計算を諦めました。勘で回答しますが、計算問題の場合は(1)と(5)は正解になりにくいので除外、残った(2)~(4)のうち、なるべくきれいな数字である(3)を選択し、正解。

いかがでしたでしょうか。解き方の参考になれば幸いです。

ABOUT ME
sumato
電気関係の仕事をしています。設計・積算・現場管理など。資格マニアです。 【取得済】 電験二種・電験三種・エネルギー管理士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士(認定)・第二種電気工事士・消防設備士甲4・乙6