令和5年度(2023年)の一級建築士試験「学科Ⅱ・環境・設備」について、全20問の正解と学習上のポイントを整理しました。各問の解説は、クリックすると開きます。

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建築技術教育普及センター 一級建築士 過去の試験問題 令和5年 環境 設備

問7・問10は最も適当な大小関係を選び、それ以外の問は最も不適当な選択肢を選びます。以下の判定・選択肢番号は、公式の問題に対応します。

頻出度の見方(2017〜2026年の10年分)

★★★:頻出(5年以上)/★★:そこそこ出題(2〜4年)/★:出題が少ない(1年)。星は、正解を判断するための中心テーマを各問で1つ選び、そのテーマが出題された年度数で表示しています。同じ年度は重複して数えません。

解説内には、中心テーマの出題年度に加え、より細かな知識について「この知識の出題:○年・○年」と記載しています。対象知識も併記するので、分野全体の出題頻度と、その知識の繰り返しを分けて確認できます。

過去問の類似テーマ・同じ原理や判断基準に基づく独自の整理です。文章が同一の問題だけを数えたものではありません。星は学習の優先順位を考える目安であり、将来の出題を保証するものではありません。

問1 放射・日射取得・騒音・色彩の用語

頻出度:★★

問1の正解・解説を表示

確認ポイント:物理量の収支や比、色の見え方を表す用語の定義を確認します。誘目性と視感度は異なる性質です。

中心テーマ:安全色・誘目性。中心テーマの出題:2017・2018・2023年(10年中3年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 夜間放射・実効放射
実効放射は、地表が上向きに放出する長波放射から、大気が下向きに放出する長波放射を引いた収支です。晴れた夜には地表から逃げる熱が大きくなり、放射冷却につながります。「夜間放射」という名称ですが、この長波の熱交換は日中にも存在します。
2:適当 冷房期の平均日射熱取得率
冷房期ηACは、窓を直接通る日射熱だけでなく、屋根・外壁等が日射を受けて室内へ伝える熱も評価します。窓のガラスだけの性能値ではありません。建物全体の外皮の日射取得を捉える指標で、断熱を示すUAとは別の量です。
3:適当 NC値
各オクターブバンドの音圧レベルをNC曲線群にプロットし、すべての帯域を上から包む最も低い曲線の番号を読み取ります。帯域の値を単純平均する方法ではなく、一つの帯域だけが大きくても評価を左右します。室内設備騒音等の評価に使います。
4:不適当 色の誘目性
誘目性は、色が目を引いて注意を向けさせる性質です。一般に赤などで高く、緑が最も高いとする説明は不適当です。明所視で緑付近の光を明るく感じやすい「視感度」とは別の性質で、背景との対比や面積等によっても目立ち方は変わります。
覚えるポイント

実効放射=上向き地表面放射−下向き大気放射。NC値は周波数帯域ごとの騒音を評価。誘目性は目を引きやすさ。

この知識の出題:2018・2023年

対象知識:色の誘目性は一般に赤などで高く、緑が最も高いとはいえない。

2017〜2026年の10年中2年に出題。

正解:4番

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問2 温熱環境・人体の放熱・局所不快感

頻出度:★★★

問2の正解・解説を表示

確認ポイント:窓際で寒く感じる原因には、冷たい面との放射熱交換と、冷えた空気の下降があります。両者を区別します。

中心テーマ:局所不快感・上下温度差。中心テーマの出題:2019・2021・2023・2024・2025年(10年中5年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:不適当 コールドドラフト
暖房時の窓に接した室内空気は、冷たいガラスで冷却され、重くなって下へ流れます。この対流による冷気の下降がコールドドラフトです。人体から冷たい窓への放射熱交換による寒さもありますが、設問は下降気流の原因を放射とした点が誤りです。
2:適当 顕熱と潜熱の割合
室温が高くなると、体と空気の温度差が小さくなり、対流等による顕熱の放出が難しくなります。一方、汗などの蒸発による潜熱放出の割合が増えます。同じ活動状態でも、総発熱量に占める顕熱・潜熱の配分は室温によって変わります。
3:適当 PMVの対象環境
PMVは主に均一な環境で集団の平均的な全身温冷感を予測します。上下の温度差や放射の非対称が大きいと、局所的な寒さ・暑さまで適切に表せない場合があります。PMVが中立付近だから、窓際や足元の不快感も必ずないとはいえません。
4:適当 着席時の上下温度差
椅子に座った状態では、足首の高さ約0.1mと頭の高さ約1.1mを比較し、上下温度差を3℃以内にすることが望ましいとされます。天井付近が暖かく床近くが寒い状態などの局所不快感を抑えるための目安で、床と天井の表面温度差ではありません。
覚えるポイント

コールドドラフト=窓付近で冷えた空気が下降する対流現象。着席時の頭と足首の温度差は3℃以内が目安。PMVでは局所不快感を別に確認。

この知識の出題:2023年

対象知識:コールドドラフトは、冷たい窓付近で空気が冷却・下降する対流現象である。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:1番

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問3 建築物衛生法の空気環境基準

頻出度:★★

問3の正解・解説を表示

確認ポイント:2023年は2022年4月改正後の基準を使います。旧問題集の数値をそのまま使わないよう、改正時期を確認します。

中心テーマ:空気環境基準。中心テーマの出題:2017・2023年(10年中2年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:不適当 一酸化炭素の含有率
2022年4月の改正後、一酸化炭素の基準は6ppm以下です。10ppmは旧基準で、2023年のこの設問では不適当になります。6ppmは0.0006%であり、設問の0.001%は10ppmです。数値だけでなく、改正前後と単位の換算を確認します。
2:適当 温度の下限
改正後の温度範囲は18℃以上28℃以下です。測定値18.0℃は下限と同じなので適合します。旧基準の下限17℃と混同しないようにします。「以上」「以下」は、その境界の値を含む表現です。
3:適当 浮遊粉じんの濃度
浮遊粉じんの量は空気1m³当たり0.15mg以下です。測定値0.10mg/m³は上限を下回るので適合します。ホルムアルデヒドとは上限値が異なるため、いずれもmg/m³という単位だから同じ数値、と覚えないようにします。
4:適当 ホルムアルデヒドの濃度
ホルムアルデヒドの量は0.10mg/m³以下です。測定値は上限と等しいため適合します。「以下」には0.10も含まれます。気体の体積比を表すppmと、体積当たりの質量を表すmg/m³は、数値をそのまま置き換えられる単位ではありません。
覚えるポイント

COは6ppm以下、温度は18〜28℃。浮遊粉じんは0.15mg/m³以下、ホルムアルデヒドは0.10mg/m³以下。

この知識の出題:2023年

対象知識:2022年4月改正後の一酸化炭素の空気環境基準は6ppm以下である。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

出題年度・改正の注意:2022年4月改正後の基準を適用。COは旧10ppmから6ppmへ、温度の下限は旧17℃から18℃へ変更されています。

正解:1番

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問4 壁体の定常伝熱と温度分布

頻出度:★★★

問4の正解・解説を表示

確認ポイント:屋外側がア、室内側がイです。同じ熱流が通る条件で、温度勾配と熱抵抗の関係を考えます。

中心テーマ:熱伝導率・熱抵抗・壁体温度分布。中心テーマの出題:2017・2018・2019・2020・2021・2023・2024・2026年(10年中8年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 温度勾配と熱伝導率
定常状態では両材料を同じ熱流が通ります。q=λΔθ/dより、同じ厚さなら温度差が大きい材料ほど熱伝導率λは小さくなります。図のアの温度勾配がイより大きいので、この記述は適当です。「大きく温度が下がる材料ほど熱を通しにくい」と考えます。
2:適当 屋外側材料の熱伝導率変更
屋外側のアの熱伝導率を上げると、その熱抵抗d/λが小さくなり、室内側のイが屋外の低温の影響を受けやすくなります。そのためイの各部分の温度は下がります。断熱を弱める側が屋外側なのか室内側なのかを確認して判断します。
3:不適当 室内側材料の熱伝導率変更
室内側のイの熱伝導率を下げると、イの熱抵抗が大きくなり、室内の暖かさが屋外側のアへ伝わりにくくなります。アの温度は上がるのではなく下がります。室内側の断熱を強くしたとき、外側の材料がより冷たくなる方向をイメージします。
4:適当 材料を入れ替えたときの表面温度
材料の順序を変えても、厚さと熱伝導率が同じなら各層の熱抵抗の合計は変わりません。室内外表面条件も同じなので、定常の室内表面温度も変わらず、表面結露防止には効果がありません。内部の温度分布や内部結露の検討とは区別します。
覚えるポイント

q=λΔθ/d。等厚・同じ熱流なら温度勾配が大きい材料ほどλが小さい。室内側を断熱すると屋外側の材料は冷えやすい。

この知識の出題:2017・2023年

対象知識:室内側の材料の熱抵抗を大きくすると、冬期の屋外側材料は冷えやすくなる。

2017〜2026年の10年中2年に出題。

正解:3番

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問5 火災継続・層間区画・煙突効果

頻出度:★★★

問5の正解・解説を表示

確認ポイント:可燃物の量が同じでも、供給される空気の量によって燃える速さが変わります。煙の移動は圧力差も確認します。

中心テーマ:火災性状・煙の移動・可燃物。中心テーマの出題:2018・2021・2022・2023・2024・2026年(10年中6年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:不適当 開口面積と火盛り期
換気によって燃焼が支配される火災では、開口が大きいほど酸素の供給が増えて燃焼が速くなります。可燃物量が同じなら消費も早く、火盛り期の継続時間は一般に短くなる方向です。設問の「長くなる」は逆で、燃える強さと継続時間を分けて考えます。
2:適当 上階への延焼防止
窓から噴き出した火炎が上階の窓へ達すると、外壁沿いに延焼するおそれがあります。層間区画を確保し、形状に応じて庇やバルコニーで火炎の進路を遮る対策が有効です。室内の防火区画だけでなく、外部を経由する延焼にも配慮します。
3:適当 冬期の竪穴への煙侵入
冬期は暖かい竪穴の空気が上昇し、低層部の竪穴内が周囲に対して負圧になりやすくなります。下階で火災が起こるほど、その圧力差で煙を竪穴へ吸い込みやすくなります。低層から吸い込み高層へ流れる煙突効果と結び付けて覚えます。
4:適当 異種用途区画
異なる用途では、火災の危険性や在館者の行動・避難特性が異なります。異種用途区画は、原則としてその境界を防火区画として、火災を別の用途部分へ広げないためのものです。面積による区画や、階段等を守る竪穴区画とは区画する目的が異なります。
覚えるポイント

換気支配の火災では開口が大きいほど燃焼が速くなり、同じ可燃物量なら火盛り期は短くなる傾向。冬の下層竪穴は煙を吸い込みやすい。

この知識の出題:2023年

対象知識:同じ可燃物量の換気支配の火災では、開口面積が大きいほど火盛り期は短くなる傾向がある。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:1番

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問6 太陽位置図の読み取り

頻出度:★★

問6の正解・解説を表示

確認ポイント:日付の曲線、時刻線、高度、方位角を順に確認します。真太陽時と時計の時刻、南基準の方位角を混同しないようにします。

中心テーマ:太陽高度・方位・日照時間。中心テーマの出題:2022・2023・2024年(10年中3年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 春分15時の太陽高度
春分は太陽の赤緯がほぼ0度です。北緯35度・真太陽時15時は南中から3時間後で、太陽高度は約35度となります。図では春分の日付曲線と15時の時刻線の交点を、高度の目盛で読み取ります。方位角の目盛と混同しないようにします。
2:不適当 夏至の真東の時刻
夏至の日付曲線と真東の方向が交わる時刻は、真太陽時で8〜9時頃です。7時頃はまだ北東寄りなので不適当です。日の出が早いことと、真東を通る時刻が早朝7時になることは同じではありません。図の東の方向と時刻線を対応させて読みます。
3:適当 秋分の高度と方位
秋分では、高度約45度の円と日付曲線が午前・午後の2か所で交わります。それぞれ南東寄り・南西寄りの位置なので適当です。同じ高度を一日の中で2度通ることと、正午を挟んで方位がほぼ対称になることを確認します。
4:適当 冬至の日没方位
冬至の日没は南西寄りで、図の南を基準とした太陽方位角は約60度です。北を0度とする一般の方位角なら別の数字になるため、角度の基準を必ず確認します。この図では南から西へ何度回ったかを読んでいる点が重要です。
覚えるポイント

北緯35度の春分15時は高度約35度。夏至に真東となるのは7時頃ではなく8〜9時頃。冬至の日没方位は南から西へ約60度。

この知識の出題:2023年

対象知識:北緯35度の夏至に太陽が真東へくる真太陽時は、7時頃ではなく8〜9時頃である。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:2番

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問7 点光源による鉛直面照度の計算

頻出度:★★

問7の正解・解説を表示

確認ポイント:図中の距離が面までの垂直距離か、光源から点までの斜距離かを確認します。入射角は受照面の法線から測ります。

中心テーマ:照度計算・立体角投射率。中心テーマの出題:2019・2022・2023年(10年中3年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:誤り AとB・Cの比較
Aの照度は200/1²=200lxです。Bは斜距離4m・入射角60度で50lx、Cは垂直入射で100lxとなります。BとCは同じ光度でも入射条件が違うため等しくなく、この組合せは不適当です。光源の光度だけで順位を決めないようにします。
2:正しい 正しい照度の順位
正しい順位です。E=Icos i/r²を使い、A=200lx、B=1,600×cos60°/4²=50lx、C=1,600/4²=100lxです。Bの2mは面までの垂直距離なので、光源から点までの斜距離r=2/cos60°=4mへ直して計算します。
3:誤り Bの斜距離と入射角
Bの2mをそのまま逆二乗則の距離に使うと照度を大きく見積もります。必要な光源から点までの距離は4mで、さらに斜め入射によるcos60°を掛けます。その結果Bは50lx、Cは100lxで、Aの200lxよりいずれも小さくなります。
4:誤り 光度だけでは決まらない
Aは光度が200cdと小さいものの、距離が1mと近いため照度は200lxで最大です。B・Cは1,600cdでも距離が4mで、Bには余弦係数もかかります。光度の大きい順ではなく、距離の2乗と入射角も含めて比較します。
覚えるポイント

点光源の照度E=Icos i/r²。A=200lx、B=50lx、C=100lx。正しい大小関係はA>C>B。

この知識の出題:2019・2023年

対象知識:点光源の照度は逆二乗則と余弦則E=Icos i/r²で求める。

2017〜2026年の10年中2年に出題。

正解:2番

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問8 色度図・表色系・安全色

頻出度:★★

問8の正解・解説を表示

確認ポイント:色を表す方法と、安全のために割り当てる意味は別の話です。安全色は色と用途を組にして覚えます。

中心テーマ:安全色・誘目性。中心テーマの出題:2017・2018・2023年(10年中3年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 xy色度図の色の傾向
xy色度図では、一般にxが大きくなる方向で赤み、yが大きくなる方向で緑みが強くなる傾向があります。明るさの情報とは分けた色度の座標です。図の位置による色の変化を示すもので、x・yがそのまま赤や緑の光の割合という意味ではありません。
2:適当 スペクトル軌跡
釣鐘形の曲線状の外周は、単一波長の光がもつ色度を並べたスペクトル軌跡です。両端を結ぶ直線は、赤と青紫を混ぜた色の軌跡で、単一波長では表せません。外周でも曲線部分と直線部分を区別して読むことがポイントです。
3:適当 マンセルと光源色
マンセル表色系は、色票を使って物体色を色相・明度・彩度で整理する顕色系です。発光する光源の色を直接同じように評価する方式ではありません。光源色にはXYZ表色系等の混色系を用い、対象が物体か光源かを分けます。
4:不適当 赤と黄の安全色
安全色で赤が表すのは防火・禁止等で、注意警告は黄です。設問は赤と黄の意味を取り違えています。色の印象だけで判断せず、標識として定められた役割を対応させて覚えます。緑の安全状態等や青の指示とも区別します。
覚えるポイント

xy色度図の曲線状外周は単色光の色度。マンセルは色票による物体色の表色系。赤は防火・禁止等、注意警告は黄。

この知識の出題:2023年

対象知識:安全色の赤は防火・禁止等、注意警告は黄である。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:4番

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問9 吸音・遮音・植栽の効果

頻出度:★★★

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確認ポイント:視覚的に音源を隠すことと、音を物理的に減らすことは同じではありません。透過損失は対数で扱います。

中心テーマ:質量則・透過損失・遮音。中心テーマの出題:2017・2019・2020・2021・2022・2023・2024・2025年(10年中8年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 透過率と透過損失
音響透過損失TLは10log₁₀(1/τ)です。透過率τを1/10にすると、逆数が10倍になるためTLは10dB増えます。透過するエネルギーを小さくするほど、透過損失は大きくなります。対数表示なので、透過損失と透過率の数字を直接比例させません。
2:適当 公共空間の吸音
公共空間で吸音を増やすと、長い残響や騒音の蓄積を抑え、放送の言葉が重なって聞こえるのを減らせます。そのため音声の明瞭度の改善に有効です。スピーカーの音量を上げるだけでは、反射音も増えて必ずしも聞き取りやすくなりません。
3:不適当 生垣・並木の遮音
通常の生垣や並木は隙間が多く、一般の敷地で大きな物理的遮音効果を得ることは難しいものです。音源が見えなくなる心理的・視覚的な緩和と、防音壁のように音を遮る効果は別です。植栽だけを高い遮音性能の根拠にする説明が不適当です。
4:適当 多孔質材の厚さ
多孔質材料を厚くすると、低い周波数の音に対しても空隙内でエネルギーを消費しやすくなり、低周波数域の吸音率が一般に高くなります。材料の性質だけでなく厚さや背後の空気層も重要です。設問は剛壁に密着させる条件で厚さを比較しています。
覚えるポイント

透過損失TL=10log₁₀(1/τ)。透過率を1/10にするとTLは10dB増加。普通の生垣・並木だけに大きな遮音効果を期待しない。

この知識の出題:2023年

対象知識:普通の生垣や並木だけでは、大きな物理的遮音効果を期待しにくい。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:3番

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問10 室容積・吸音面積と残響時間

頻出度:★★★

問10の正解・解説を表示

確認ポイント:容積の大きさだけでなく、室表面積と平均吸音率を掛けた等価吸音面積で割ります。

中心テーマ:残響時間・Sabine・Eyring。中心テーマの出題:2017・2018・2019・2020・2021・2023・2025・2026年(10年中8年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:誤り 順位A>B>Cの検討
Sabine式で計算すると、A約1.07秒、B約0.81秒、C約1.61秒です。Cが最も長いので、A>B>Cという順位にはなりません。室容積・表面積・平均吸音率の3つを使い、まず各室のV/(Sα)を求めてから比較します。
2:誤り 順位A>C>Bの検討
Aの等価吸音面積は750×0.2=150m²、Cは1,500×0.2=300m²です。Cは吸音面積が2倍ですが容積が3倍なので、残響時間はAより長くなります。吸音面積だけで短い・長いを判断したり、Aを最大としたりしないようにします。
3:正しい 正しい残響時間の順位
正しい順位です。Aは0.161×1,000/150≒1.07秒、Bは0.161×1,500/300≒0.81秒、Cは0.161×3,000/300≒1.61秒です。したがってC>A>Bとなります。共通の係数0.161を省き、V/(Sα)の大小だけで比較しても求められます。
4:誤り BとAの比較
Cが最も長い点は合っていますが、BとAが逆です。BはV/(Sα)=1,500/300=5、Aは1,000/150≒6.67なので、Bのほうが残響時間は短くなります。容積が大きいBでも、吸音面積が十分大きければAより短くなる点を理解します。
覚えるポイント

Sabine式T=0.161V/(Sα)。A約1.07秒、B約0.81秒、C約1.61秒なのでC>A>B。

この知識の出題:2020・2023・2025年

対象知識:Sabine式では残響時間が室容積に比例し、等価吸音面積に反比例する。

2017〜2026年の10年中3年に出題。

正解:3番

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問11 熱回収・冷却塔・蓄熱・台数制御

頻出度:★★★

問11の正解・解説を表示

確認ポイント:省エネルギーの仕組みを、熱の再利用・負荷の平準化・効率のよい負荷率での運転に分けて整理します。

中心テーマ:冷却塔。中心テーマの出題:2017・2018・2019・2020・2021・2023・2025年(10年中7年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 冷暖同時運転の熱回収
冷房する室から取り出した熱を、暖房が必要な室へ回収して利用できるため、同じ冷媒系統内で冷暖同時運転をする場合に省エネルギー効果が期待できます。冷房と暖房を別々に行って熱を捨てる場合との違いを考えます。
2:不適当 開放式と密閉式の冷却塔
密閉式はコイルを介して冷却するため、追加の熱交換抵抗があります。同じ冷却能力なら、一般に密閉式のほうが開放式より送風機動力が大きくなる傾向です。設問は開放式・密閉式の大小が逆です。冷却水を大気に直接触れさせるかも併せて区別します。
3:適当 水蓄熱と熱源容量
水蓄熱槽がピーク時の冷熱・温熱を供給することで、熱源機は負荷変動へ直接追従する必要が小さくなります。負荷の小さい時間に蓄えて必要時に使うため、ピークに合わせた熱源容量を減らせます。供給量の収支と蓄熱容量が適切であることが前提です。
4:適当 モジュール型の台数制御
モジュール型は複数の小型ユニットを組み合わせ、負荷に応じて運転台数を変えます。小負荷時に少ない台数で運転し、各機を効率のよい負荷率に保ちやすくなります。最大容量を満たすだけでなく、部分負荷時の運転を改善する仕組みです。
覚えるポイント

同能力の冷却塔では、一般に密閉式のほうが開放式より送風機動力が大きい。蓄熱はピーク負荷を分担し、台数制御は部分負荷運転を改善。

この知識の出題:2017・2023年

対象知識:同じ冷却能力なら、一般に密閉式冷却塔のほうが開放式より送風機動力が大きい。

2017〜2026年の10年中2年に出題。

正解:2番

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問12 放射・床吹出し・配管・排熱利用

頻出度:★★★

問12の正解・解説を表示

確認ポイント:リバースリターンは配管を短くする方式ではなく、往復の経路長を揃えて水量をバランスしやすくする方式です。

中心テーマ:配管方式・水系統。中心テーマの出題:2018・2019・2023・2025・2026年(10年中5年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 冷水パネルの結露防止
冷水パネルの表面が室内空気の露点温度より低くなると、水蒸気が表面で凝縮して結露します。表面温度を露点以上に保つ水温制御と、室内空気の除湿が必要です。放射冷房の快適性と、結露を防ぐ温湿度管理を一組で考えます。
2:適当 床吹出しと居住域空調
床吹出しは床近くから空気を供給し、人がいる居住域を優先して空調する方式です。適切な気流特性の吹出口を用いれば、天井の高い空間でも上部全体を同じように冷やす必要はありません。空調域の高さに合った吹出口の選定が条件です。
3:不適当 リバースリターンの配管
リバースリターンは、往きで近い機器の還りを長くする等により、機器ごとの往復配管長を揃えて水量をバランスしやすくします。その分、一般に配管が長くなり、スペースも増えます。配管スペースを縮小できるとした設問は、この方式の目的を取り違えています。
4:適当 デシカントとコージェネ
デシカントローターは、吸着した水分を放出させる再生に熱を使います。コージェネレーションの排熱を再生熱源へ利用すれば、発電以外にも熱を有効活用でき、総合効率の向上につながります。冷却用の電力だけでなく、必要な再生熱の供給も考えます。
覚えるポイント

冷水パネルの表面は露点温度以上に保つ。リバースリターンは一般に配管長・スペースが増える。デシカントの再生には排熱を利用できる。

この知識の出題:2023年

対象知識:リバースリターンは往復配管長を揃えるため、一般に配管長・スペースが増える。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:3番

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問13 喫煙室・自然換気・火気使用室

頻出度:★★★

問13の正解・解説を表示

確認ポイント:室内を負圧にする目的と、燃焼空気を確保する必要性を分けます。汚染を外へ漏らさないことだけで方式を決めないようにします。

中心テーマ:換気方式・室内圧力。中心テーマの出題:2017・2018・2019・2020・2021・2023年(10年中6年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 喫煙室の境界気流
非喫煙場所から喫煙室へ向かう気流を境界開口で0.2m/s以上確保し、煙が外へ漏れるのを防ぎます。向きが反対なら、風速が十分でも煙を外へ押し出します。適合条件は気流以外にもあるため、境界の向きと速度を押さえたうえで計画します。
2:適当 ソーラーチムニー
ソーラーチムニーは、日射でシャフト内の空気を温め、その浮力による上昇流を換気に利用します。温度差を積極的につくる自然換気の方法です。単に高いシャフトを設けるだけでなく、日射を受けて空気を暖める仕組みと組み合わせます。
3:適当 Ⅰ型排気フードの換気量
排気フードⅠ型を設けた条件では、有効換気量V=30KQを用います。Kは燃料の単位量当たりの理論廃ガス量、Qは設備の実状に応じた燃料消費量です。フードの有無や形式によって係数が変わるので、30をすべての火気使用室に使わないようにします。
4:不適当 ボイラー室の換気方式
第3種換気は機械排気で室内を負圧にしやすく、ボイラーの燃焼や排ガスの排出を妨げるおそれがあります。一般には第1種又は第2種で燃焼に必要な空気を確保します。室内発熱を除去する風量と、燃焼空気の確保を併せて考える必要があります。
覚えるポイント

喫煙室の境界は室内向き0.2m/s以上。Ⅰ型フードはV=30KQ。ボイラー室は一般に第1種又は第2種換気で燃焼空気を確保。

この知識の出題:2023年

対象知識:ボイラー室は燃焼への悪影響を避けるため、一般に第1種又は第2種換気とする。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:4番

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問14 飲料用受水槽の水質・腐食対策

頻出度:★★

問14の正解・解説を表示

確認ポイント:水質管理には、遮光・水の入れ替わり・残留塩素・材質の耐食性が関係します。水槽を大きくする場合は滞留にも配慮します。

中心テーマ:水槽の水質・腐食・塩素管理。中心テーマの出題:2023・2026年(10年中2年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 ステンレス水槽の気相部
水面上の気相部は、塩素を含む湿った空気や結露水の影響で腐食が問題になります。水中より常に腐食しにくいとは限らず、気相部に耐食性の高い鋼材を使う計画は適当です。液相部・気相部それぞれの環境に合わせて材質を選びます。
2:適当 大容量水槽と塩素管理
容量を1日予想給水量の2倍にすると、災害時の備えが増える一方、通常時の水の滞留が長くなりやすくなります。残留塩素の低下に対応し、塩素滅菌装置等で水質を維持する計画が必要です。水量を大きくするだけで衛生面も改善するわけではありません。
3:不適当 FRP水槽の遮光
藻類の増殖を抑えるには水槽内へ光を入れないことが重要で、FRP水槽の水槽照度率は一般に0.1%以下が目安です。10%では高すぎます。比率は水槽内照度/水槽外照度×100で、0.1%は外部の光の1/1,000に相当します。
4:適当 迂回壁と死水防止
流入口から流出口へ水が短絡すると、槽の一部に入れ替わりにくい死水域が生じます。迂回壁は流路を長くして槽内の水を回しやすくし、滞留部分を減らすための工夫です。槽の大きさだけでなく、入口・出口の位置と水の動きも計画します。
覚えるポイント

FRP水槽の水槽照度率は一般に0.1%以下。気相部は塩素による腐食に注意。迂回壁で短絡流や死水域を防ぐ。

この知識の出題:2023年

対象知識:藻類増殖を防ぐFRP水槽の水槽照度率は一般に0.1%以下が目安である。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:3番

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問15 雨水排水・排水ます・降雨強度

頻出度:★★★

問15の正解・解説を表示

確認ポイント:降雨強度は同じ単位に換算して比較します。短時間の強い雨を長い時間で平均するとピークが小さく見えます。

中心テーマ:雨水排水・排水ます・排水方式。中心テーマの出題:2017・2019・2021・2023・2024・2025・2026年(10年中7年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 合流式地域の雨水接続
合流式の公共下水道には汚水も流れるため、雨水系統から臭気や害虫が侵入しないようにします。屋外のトラップますを介して敷地排水管に接続する計画は、この目的に合います。雨水を屋内の汚水管と兼用することとは区別します。
2:適当 排水ますの間隔
排水ますは、清掃や点検が必要な起点・屈曲点・合流部等に設けます。直線部の間隔は管径の120倍以内が目安で、200mm×120=24,000mm=24mです。管径をmへ換算するか、最後にmmからmへ換算し、単位を揃えて計算します。
3:不適当 1時間値と短時間豪雨
同じ雨でも1時間で平均すると、10分程度に集中した強い雨のピークがならされます。そのため一般に1時間値を使ったほうが小さい降雨強度となり、短時間の集中豪雨に対して管径を過小にするおそれがあります。設問の「管径が大きくなる」が逆です。
4:適当 サイホン式雨水排水
サイホン式は特殊なルーフドレンで空気の流入を抑え、管内を満流にして落差による吸引力を利用します。空気を含んで流れる従来の重力式より大きい排水能力を得やすく、たてどいを小径化できます。所定の降雨・配管条件に合わせた設計が必要です。
覚えるポイント

雨水排水は短時間の強い雨を考慮。ます間隔の目安は管径の120倍以内で、200mmなら24m。サイホン式は満流と落差を利用する。

この知識の出題:2023年

対象知識:短時間豪雨のピークは1時間値で平均すると小さく見え、排水管径を過小にするおそれがある。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:3番

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問16 力率・需要率・負荷率・不等率

頻出度:★★

問16の正解・解説を表示

確認ポイント:比率の名称だけでなく、分子・分母と、何を比較する値かをセットで覚えます。小さな数値例で確認すると理解しやすくなります。

中心テーマ:力率・需要率・負荷率・不等率。中心テーマの出題:2018・2019・2023・2024年(10年中4年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:不適当 力率の分子と分母
力率は有効電力Pを皮相電力Sで割ったP/Sです。設問のS/Pは逆です。たとえば有効80kW・皮相100kVAなら力率0.8となり、通常の力率は0〜1で表します。有効電力は実際に仕事をする分、皮相電力は電源から供給する全体の大きさです。
2:適当 需要率
需要率は最大需要電力を、接続された設備容量の合計で割った値です。設備100kWに対して最大同時使用が60kWなら60%です。すべての機器が同時に最大出力で運転するわけではないことを、受電設備等の容量計画に反映します。
3:適当 負荷率
負荷率は、ある期間の平均需要電力を最大需要電力で割ります。平均40kW・最大80kWなら50%です。最大に比べて平均が近いほど負荷が平準化しています。設備容量を分母にする需要率とは、比較する対象が異なります。
4:適当 不等率
不等率は、個々の負荷の最大需要電力を足した値を、系統全体の最大需要電力で割ります。各負荷のピーク時刻がずれるため、通常は1以上です。個別の最大の和と、実際に同時に生じる系統の最大を比較している点を理解します。
覚えるポイント

力率=有効/皮相。需要率=最大需要/設備容量。負荷率=平均需要/最大需要。不等率=各負荷の最大の和/系統全体の最大。

この知識の出題:2019・2023年

対象知識:力率は有効電力を皮相電力で割った比である。

2017〜2026年の10年中2年に出題。

正解:1番

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問17 SPD・配電電圧・電動機・雷保護

頻出度:★★★

問17の正解・解説を表示

確認ポイント:同じ電力を送るなら、電圧が低いほど電流は大きくなります。電線の太さの関係を、電力の式から確かめます。

中心テーマ:配電方式・電圧降下・電圧区分。中心テーマの出題:2018・2019・2020・2023・2024・2025年(10年中6年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 SPDの役割
SPDは、雷等による一時的な過電圧を制限し、サージ電流を逃がして電気・電子機器を保護します。雷を受ける受雷部とは役割が異なります。建物の外部雷保護と、内部へ侵入するサージに対する保護を組み合わせて考えます。
2:不適当 電圧と必要な電線断面積
同じ電力・力率等の条件なら、配電電圧200Vでは400Vの約2倍の電流が流れます。そのため一般に200Vのほうが大きい電線断面積を必要とし、設問の大小が逆です。電圧を下げれば電線も細くできる、とはいえません。
3:適当 スターデルタ始動
スターデルタ始動は、始動時にスター結線として巻線にかかる電圧を下げます。直入れに比べ、電源側の始動電流は概ね1/3に抑えられます。始動トルクも低下するため、電流が小さいという利点だけでなく、負荷を始動できるかも考慮します。
4:適当 構造体鉄骨の利用
電気的な連続性や断面・接続等の条件を満たす構造体鉄骨は、雷電流を地上から接地側へ流す自然的な引下げ導線として利用できます。鉄骨があるだけで無条件に適合するわけではなく、継手を含めて電流が連続して流れることを確認します。
覚えるポイント

同電力・力率では電圧半分で電流2倍。200Vのほうが400Vより一般に太い電線が必要。スターデルタ始動は直入れより始動電流を抑える。

この知識の出題:2018・2023年

対象知識:同じ電力・力率なら、低い配電電圧ほど電流が大きく、一般に太い電線を必要とする。

2017〜2026年の10年中2年に出題。

正解:2番

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問18 火災感知・受信機・警報・電源配線

頻出度:★★

問18の正解・解説を表示

確認ポイント:P型とR型は、信号の伝え方を区別します。警報の鳴らし方と、火災中に電源を維持する配線も確認します。

中心テーマ:感知器・受信機・警報。中心テーマの出題:2018・2022・2023年(10年中3年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 炎感知器
炎感知器は、炎から出る紫外線・赤外線等を検出します。高天井で煙や熱が感知器へ届きにくい空間でも火災を検出しやすい方法です。ただし炎を見通せる範囲や障害物にも配慮し、熱・煙感知器との検出原理の違いを理解します。
2:不適当 P型とR型受信機
固有信号を多重伝送し、信号線を少なくできるのはR型受信機です。P型は共通信号を警戒区域ごとの回路で受信します。設問はP型とR型を逆にしています。P型=共通信号、R型=固有信号という対応から、配線の構成も整理します。
3:適当 区分鳴動
区分鳴動は、出火階や近接階等の区分から限定して警報を鳴らし、一斉避難による混乱を抑える方式です。必要な条件で警報範囲を広げるため、他の階に永遠に知らせない方式ではありません。全館一斉鳴動との違いを確認します。
4:適当 受信機の非常電源配線
火災時にも受信機へ電力を供給する必要があるため、予備電源を内蔵しない構成では非常電源との間に耐火配線を用います。一般の配線と同じ条件でよいとはいえません。電源の位置と、火災中に機能を維持すべき回路を対応させて考えます。
覚えるポイント

P型は共通信号、R型は固有信号を多重伝送。R型は信号線を減らしやすい。区分鳴動は出火階・近接階等から限定して警報する。

この知識の出題:2023年

対象知識:固有信号を多重伝送して配線数を減らせるのは、P型ではなくR型受信機である。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:2番

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問19 設備の耐震・免震・災害継続

頻出度:★★

問19の正解・解説を表示

確認ポイント:機器がどの床・構造体に支持されるか、構造間の相対変位がどこで大きくなるかを考えます。

中心テーマ:設備耐震・振動・免震。中心テーマの出題:2023・2024・2025・2026年(10年中4年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 吊り機器の適用階
1階の天井内の吊り機器は、一般に2階の床構造から支持されます。高層建物では、その支持する床に対応した中間階の区分と耐震クラスから標準震度を選ぶので適当です。機器が見える空間の階ではなく、どの構造体に取り付くかを確認します。
2:適当 免震建物のエレベーター
基礎免震建物のエレベーターでは、建物の高さによらず同じ標準水平震度の区分で評価します。高さに応じて区分が変わる一般の耐震建物と混同しないようにします。免震による水平応答の特性を踏まえた設計上の扱いです。
3:適当 発電機の冷却方式
空冷式の発電機は、冷却水の供給を必要としないため、地震後の断水時にも運転を継続しやすい方式です。長時間の非常運転では、燃料だけでなく冷却に必要な条件も維持する必要があります。吸排気の経路等も確保した計画が前提です。
4:不適当 ジョイントを横断する配管
ジョイントを挟む構造体は地震時に別々に動き、その相対変位は一般に高層部ほど大きくなります。やむを得ず給水管を横断させるなら、低層部で変位を吸収する措置を設けます。設問の高層部を選ぶ方針は逆で、配管の破損を招きやすくなります。
覚えるポイント

天井吊り機器は支持する床の区分を考慮。やむを得ないジョイント横断配管は低層部で変位吸収措置を設ける。空冷式発電機は断水に対応しやすい。

この知識の出題:2023年

対象知識:やむを得ずジョイントを横断する配管は、高層部を避け低層部で変位吸収措置を設ける。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:4番

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問20 ZEB Ready・BEI・外皮・HFC

頻出度:★★★

問20の正解・解説を表示

確認ポイント:消費量の比と削減率は別の値です。BEIの分子が、減らした量ではなく設計上の消費量であることを確認します。

中心テーマ:BELS・BEI・省エネ表示。中心テーマの出題:2017・2020・2021・2023・2024・2026年(10年中6年)。

選択肢・判定 確認する内容と解説
1:適当 ZEB Readyの削減率
ZEB Readyは、再生可能エネルギーによる削減分を除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上削減した建築物です。発電量を増やすだけで達成する区分ではなく、断熱・設備効率等による省エネルギーを先に確保することがポイントです。
2:不適当 BEIの定義
BEIは設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割った値です。設問の分子である「省エネルギー量」は削減量なので違います。基準100・設計60ならBEIは0.6、削減率は40%です。消費量の比と、減らした割合を分けて考えます。
3:適当 PAL*と外皮性能
PAL*は、外皮に関係する年間熱負荷を評価する指標です。同じ評価条件なら小さいほど、外皮による冷暖房負荷が小さく、熱性能が高いと判断されます。設備機器の効率や一次エネルギー消費量を直接示すBEIとは、評価対象が異なります。
4:適当 HFCとキガリ改正
HFCはオゾン層を破壊しない代替フロンですが、温室効果ガスとして温暖化への影響があります。2016年のモントリオール議定書キガリ改正では、生産・消費量の段階的削減が求められました。オゾン層への影響がないことと、温暖化への影響がないことは別です。
覚えるポイント

BEI=設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量。ZEB Readyは再エネ分を除いて50%以上削減。PAL*は小さいほど外皮の負荷が小さい。

この知識の出題:2023年

対象知識:BEIの分子は、省エネルギーによる削減量ではなく設計一次エネルギー消費量である。

2017〜2026年の10年中1年に出題。

正解:2番

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全20問の正解番号

正解番号の一覧を表示
問題 正解 問題 正解
問1 4 問11 2
問2 1 問12 3
問3 1 問13 4
問4 3 問14 3
問5 1 問15 3
問6 2 問16 1
問7 2 問17 2
問8 4 問18 2
問9 3 問19 4
問10 3 問20 2

本記事は独自に作成した学習用解説です。問題文・図表の全文は掲載していません。正解番号は試験センターの公表資料と照合しています。制度・設計標準等は2023年の設問の指定年度・条件に沿って確認し、今後の受験では適用される資料の版や改正内容も確認してください。