誘導電動機と同期電動機の違いって何?【電験躓きポイント解説】
目次
【疑問】誘導電動機と同期電動機の違いって何?
誘導機と同期機は電験の「機械」科目に、さらには電験二種二次試験の「機械・制御」科目において、超重要です。避けて通ることはできません。
ここで電験躓きポイントですが、誘導電動機と同期電動機の回転する原理を理解することが非常に難しいです。それに加え、誘導電動機と同期電動機の原理の違いを理解することも難しいです。
参考書にも当然、回転の原理について説明はありますが、それを理解するために必要な基礎知識が膨大に必要であるため、詳しくは書かれていない(詳しく書くとページ数が膨大に必要なため)ように思います。
以降、誘導電動機と同期電動機の原理の違いについて、頑張って説明してみたいと思います。
誘導電動機と同期電動機の基礎知識について
まずはyoutubeで誘導電動機と同期電動機について勉強しましょう。
誘導電動機の仕組みについて
これはとても分かりやすく三相誘導機について勉強することができます。ちなみに、誘導機は誘導電動機と誘導発電機がありますが、誘導機の大部分は誘導電動機になります。
同期機(同期発電機)の仕組みについて
とても分かりやすく同期発電機について勉強することができます。本当は混乱を避けるために、同期”電動”機の動画を探したのですが、見つけることができなかったため、同期発電機についての解説動画を紹介させていただきます。
ちなみに、同期機は同期電動機と同期発電機がありますが、同期機の大部分は同期発電機になります。
加えて補足ですが、発電機とは”機械的エネルギーから電気エネルギーを得るもの”、電動機とは”電気エネルギーを力学的エネルギーに変換するもの(モーター)のことです。
つまり、同期機に電気エネルギーを入力すると、同期電動機のように機械的エネルギーを取り出すことも可能です。
誘導電動機と同期電動機の違いについて
誘導電動機と同期電動機の違い
電動機(モーター)は、電気エネルギーを回転という機械エネルギーに変換する装置です。
一見どれも同じように見えますが、回転の仕組み(原理)によって種類が分かれます。
ここでは代表的な2つの電動機である誘導電動機と同期電動機について、
原理・特徴・用途の違いを整理して解説します。
誘導電動機とは
誘導電動機の回転原理
誘導電動機は電磁誘導を利用して回転します。
固定子(ステータ)の巻線に交流電流を流すと、回転磁界が発生します。
この回転磁界によって回転子(ロータ)に電流が誘導され、その電流と磁界の作用でトルクが発生します。
ロータには電源を直接接続していない点が大きな特徴です。
このため構造が簡単で、非常に広く使われています。
誘導電動機の特徴
- ロータに電源が不要
- 構造が簡単で故障しにくい
- 起動が容易
- 回転速度は同期速度より必ず遅れる
回転速度が同期速度より遅れる現象をスリップといいます。
誘導電動機のメリット・デメリット
メリット
- 安価で量産しやすい
- メンテナンス性が良い
- 耐久性が高い
デメリット
- 回転速度が負荷により変化する
- 精密な速度制御には不向き(インバータ併用で改善)
誘導電動機の主な用途
- 送風機・ファン
- ポンプ
- コンプレッサー
- 工作機械
同期電動機とは
同期電動機の回転原理
同期電動機は、固定子の回転磁界と回転子の磁界が完全に同期して回転する電動機です。
回転子には、外部電源による励磁や永久磁石によって磁界を持たせます。
その結果、回転速度は電源周波数に対応した同期速度と完全に一致します。
負荷が変動しても回転速度が変わらない点が最大の特徴です。
同期電動機の特徴
- 回転速度が一定
- 高効率
- 力率改善に利用できる
同期電動機のメリット・デメリット
メリット
- 回転速度が安定している
- 効率が高い
- 発電機としても使用可能
デメリット
- 構造が複雑
- 励磁装置が必要(永久磁石型を除く)
- コストが高い
同期電動機の主な用途
- 発電機
- 高精度な回転が必要な装置
- 大型産業機械
誘導電動機と同期電動機の違いまとめ
| 項目 | 誘導電動機 | 同期電動機 |
|---|---|---|
| 回転原理 | 電磁誘導 | 磁界の同期 |
| 回転速度 | 同期速度より遅い | 同期速度と一致 |
| スリップ | あり | なし |
| 構造 | 簡単 | 複雑 |
| 主な用途 | 汎用機器 | 精密・大型設備 |
まとめ
誘導電動機は構造が簡単で扱いやすく、最も一般的な電動機です。
一方、同期電動機は回転速度が一定で、高効率・高精度な用途に向いています。
用途や要求性能によって使い分けることが重要です。