平成29年度(2017年)の一級建築士試験「学科Ⅳ・構造」について、全30問の正解と学習上のポイントを整理しました。各問の解説は、クリックすると開きます。

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建築技術教育普及センター 一級建築士 過去の試験問題 平成29年 構造

問題文・図表の全文は掲載していません。図を使う問1〜7・10・11は、問題の図と見比べて読んでください。法令の説明は、試験が指定する平成29年(2017年)1月1日時点の規定に合わせています。壁量や筋かいの寸法は出題時の規定で判断します。

頻出度は2017〜2026年の10年分について、各問に設定した中心テーマが出た年度数で判定しています。同じ年度に複数回出ても1年と数え、5年以上=★★★、2〜4年=★★、1年=★です。解説内の「この知識の出題」は、同じ知識・判断関係を確認できた年度(正誤を逆にした記述を含む)を示します。将来の出題予測ではありません。

問1 軸力と曲げを重ねた柱脚の縁応力度

頻出度:★★★

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確認ポイント:軸力による一様な圧縮と、曲げによる正負の応力度を足します。

中心テーマ:断面の応力度・断面性能
出題年度:2017・2018・2019・2020・2021・2022・2023・2024・2025・2026年(10年中10年)

一様な圧縮と曲げを別々に計算

  1. A=200×300=60000mm²。N=120000Nなので、軸力による圧縮応力度は−N/A=−2N/mm²。
  2. Qの方向に沿う断面寸法は300mm。Z=bh²/6=200×300²/6=3000000mm³。
  3. 柱脚の曲げM=QH=15000×2000=30000000N・mm。縁の曲げ応力度は±M/Z=±10N/mm²。
  4. 引張側:−2+10=+8。圧縮側:−2−10=−12N/mm²。

図の縦に見える200mmを、曲げのせいhへ機械的に入れないことが大切です。力Qが向く300mmの方向で曲がります。

選択肢 判断・解説
選択肢1 引張+6・圧縮−14N/mm²
× 誤った組合せ

この組合せは軸力・曲げの計算結果と一致しません。面積A=200×300=60000mm²。曲げ方向のせいを300mmとするとZ=200×300²/6=3000000mm³。軸圧縮−2N/mm²に曲げ±10N/mm²を加え、引張+8・圧縮−12N/mm²です。

根拠・考え方(選択肢1):σ=−N/A±M/Z。
選択肢2 引張+8・圧縮−12N/mm²
○ 正しい組合せ

正しい組合せです。面積A=200×300=60000mm²。曲げ方向のせいを300mmとするとZ=200×300²/6=3000000mm³。軸圧縮−2N/mm²に曲げ±10N/mm²を加え、引張+8・圧縮−12N/mm²です。

根拠・考え方(選択肢2):長方形のZ=bh²/6、曲げ方向のhは300mm。
選択肢3 引張+11・圧縮−19N/mm²
× 誤った組合せ

この組合せは軸力・曲げの計算結果と一致しません。面積A=200×300=60000mm²。曲げ方向のせいを300mmとするとZ=200×300²/6=3000000mm³。軸圧縮−2N/mm²に曲げ±10N/mm²を加え、引張+8・圧縮−12N/mm²です。

根拠・考え方(選択肢3):M=Q×柱高さ、kNをNへ換算。
選択肢4 引張+13・圧縮−17N/mm²
× 誤った組合せ

この組合せは軸力・曲げの計算結果と一致しません。面積A=200×300=60000mm²。曲げ方向のせいを300mmとするとZ=200×300²/6=3000000mm³。軸圧縮−2N/mm²に曲げ±10N/mm²を加え、引張+8・圧縮−12N/mm²です。

根拠・考え方(選択肢4):圧縮軸力は両縁の応力度を同じ圧縮側へ移す。
覚えるポイント

σ=−N/A±M/Z。断面の曲げ方向のせいは300mmで、引張+8・圧縮−12N/mm²です。

この知識の出題:2017・2021・2025年
弾性範囲の柱断面で軸力N/Aと曲げM/Zを重ね合わせて縁応力度を求める

正解:2番

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問2 摩擦のない重ね梁のたわみ

頻出度:★★★

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確認ポイント:Bの長さは2倍、曲げ剛性は各材の合計で2倍です。

中心テーマ:梁のたわみと曲げ剛性
出題年度:2017・2018・2019・2020・2021・2022・2023・2025・2026年(10年中9年)

一体断面にせず、2材で荷重を分担

  1. A:I_A=a×a³/12=a⁴/12。
  2. B:接触面の摩擦がないので、それぞれの材が自身の図心まわりで曲がります。I_B=2I_A。
  3. 中央たわみδ=PL³/(48EI)。同じP・Eで、Bは長さ2倍、Iは2倍。
  4. δ_B/δ_A=2³/2=4。したがってδ_A:δ_B=1:4。

荷重分担で考えても、Bの各材は荷重P/2・スパン2lで、(1/2)×2³=4倍のたわみとなります。

選択肢 判断・解説
選択肢1 δ_A:δ_B=1:1
× 誤った比

長さと曲げ剛性の両方を入れると、この比にはなりません。Bは摩擦のない2材の重ね梁なのでI_B=2I_A、スパンは2倍。δ_B/δ_A=(2l/l)³×(I_A/I_B)=8/2=4です。高さ2aの一体断面のIにはしません。

根拠・考え方(選択肢1):中央集中荷重の単純梁:δ=PL³/(48EI)。
選択肢2 δ_A:δ_B=1:2
× 誤った比

長さと曲げ剛性の両方を入れると、この比にはなりません。Bは摩擦のない2材の重ね梁なのでI_B=2I_A、スパンは2倍。δ_B/δ_A=(2l/l)³×(I_A/I_B)=8/2=4です。高さ2aの一体断面のIにはしません。

根拠・考え方(選択肢2):たわみはスパンの3乗に比例。
選択肢3 δ_A:δ_B=1:4
○ 正しい比

正しい比です。Bは摩擦のない2材の重ね梁なのでI_B=2I_A、スパンは2倍。δ_B/δ_A=(2l/l)³×(I_A/I_B)=8/2=4です。高さ2aの一体断面のIにはしません。

根拠・考え方(選択肢3):摩擦のない重ね梁:各材のIを合計。
選択肢4 δ_A:δ_B=1:8
× 誤った比

長さと曲げ剛性の両方を入れると、この比にはなりません。Bは摩擦のない2材の重ね梁なのでI_B=2I_A、スパンは2倍。δ_B/δ_A=(2l/l)³×(I_A/I_B)=8/2=4です。高さ2aの一体断面のIにはしません。

根拠・考え方(選択肢4):BのIはa×(2a)³/12という一体断面の値ではない。
覚えるポイント

単純梁中央のたわみはPL³/(48EI)。Bは長さの効果8倍÷剛性2倍で、Aの4倍たわみます。

この知識の出題:2017・2019・2022年
摩擦・接着のない重ね材は各材の断面二次モーメントを合計する

正解:3番

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問3 ピン・ローラー支持のラーメンの曲げ図

頻出度:★★★

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確認ポイント:右柱脚はローラーで、水平反力を負担しません。

中心テーマ:骨組の反力・断面力のつり合い
出題年度:2017・2018・2019・2020・2021・2022・2023・2024・2025・2026年(10年中10年)

支点反力を先に求める

  1. 右柱脚はローラーなので水平反力0。左柱脚の水平反力は左向きP。
  2. 左柱脚まわりの全体つり合い:V_R×2l=4P×l+P×2l。V_R=3P、V_L=P。
  3. 左柱頭の曲げはP×2l=2Pl。右柱の曲げは0。
  4. 梁中央から右側を取り出すと、右反力3P×距離lより、梁中央の曲げの大きさは3Pl。

これらの値を引張側に描いた図1を選びます。右柱の実長がlでも、そこに水平反力がなければ曲げは生じません。

選択肢 判断・解説
選択肢1 図1:左柱頭2Pl・梁中央3Pl・右柱0
○ 正しい図

右柱脚はローラーで水平反力0、左柱脚が水平荷重Pに抵抗します。左柱頭の曲げの大きさは2Pl、右柱の曲げは0。鉛直反力は左P・右3Pなので、梁中央の曲げは3Pl。引張側に描いた図1が一致します。

根拠・考え方(選択肢1):全体の反力と各部材の曲げのつり合い。
選択肢2 図2:左柱頭4Pl・梁中央5Pl
× 誤った図

左柱頭の曲げはP×2l=2Plで、4Plではありません。また梁中央は3Plです。左柱頭と中央の双方の数値がつり合いに合いません。

根拠・考え方(選択肢2):左柱頭の曲げは水平反力P×柱高さ2l。
選択肢3 図3:右柱にも曲げがある図
× 誤った図

右柱には水平反力も途中の水平荷重もなく、柱脚曲げも0なので、右柱の曲げは全長で0です。右柱にも曲げを描いている点が誤りです。

根拠・考え方(選択肢3):右柱脚ローラーの水平反力と曲げ反力は0。
選択肢4 図4:梁中央5Pl・右柱にも曲げがある図
× 誤った図

右柱に曲げを描く点が合いません。左柱頭2Pl、右柱0、梁中央3Plが正しく、中央5Plという値も誤りです。

根拠・考え方(選択肢4):曲げ図は設問の指示どおり部材の引張側に描く。
覚えるポイント

左柱頭の曲げはP×2l=2Pl。鉛直反力は左P・右3Pで、梁中央3Pl、右柱の曲げ0の図1です。

この知識の出題:2017年
ピン・ローラー支持の骨組で水平反力と曲げモーメントの関係を求める

正解:1番

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問4 崩壊時の仮想仕事と柱1本のせん断力

頻出度:★★

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確認ポイント:層全体のせん断力と、柱1本の負担を区別します。

中心テーマ:崩壊機構と仮想仕事による荷重・断面力の計算
出題年度:2017・2020・2021・2022年(10年中4年)

塑性ヒンジの仕事 → 荷重 → 反力

  1. 柱が微小角θだけ傾くと、2階の水平変位はlθ、屋根は2lθ。外力仕事はP×lθ+2P×2lθ=5Plθ。
  2. 屋根梁の両端:2×M_pθ。2階梁の両端:2×2M_pθ。左右の柱脚:2×2M_pθ。内部仕事の合計は10M_pθ。
  3. 外力仕事=内部仕事より5Plθ=10M_pθ。P=2M_p/l。
  4. 屋根梁せん断:Q_b=2M_p/(2l)=M_p/l。
  5. 鉛直反力:V=(5Pl−4M_p)/(2l)=3M_p/l。
  6. 下層全体のせん断力は3P=6M_p/l。左右の柱で等分し、右柱1本はQ_c=3M_p/l。

図の黒丸は塑性ヒンジです。塑性ヒンジは抵抗曲げが0という意味ではなく、M_p等の塑性モーメントを保ちながら回転する点です。

選択肢 判断・解説
選択肢1 屋根梁のQ_b=M_p/l
○ 適当

屋根梁の両端曲げの大きさは各M_p、スパンは2l。せん断力はQ_b=(M_p+M_p)/(2l)=M_p/lです。

根拠・考え方(選択肢1):梁せん断力=両端曲げの大きさの和/スパン。
選択肢2 右鉛直反力V=3M_p/l
○ 適当

P=2M_p/lを用い、全体の転倒モーメントのつり合いを取ります。V×2l+2M_p+2M_p=P×l+2P×2l=5Pl。V=3M_p/lです。

根拠・考え方(選択肢2):全体の転倒に対し左右の柱脚曲げも抵抗。
選択肢3 水平荷重P=2M_p/l
○ 適当

柱の微小回転をθとすると2階変位lθ、屋根変位2lθです。外力仕事は5Plθ、塑性ヒンジの内部仕事は10M_pθ。等置してP=2M_p/lとなります。

根拠・考え方(選択肢3):外力の仮想仕事=塑性ヒンジの内部仕事。
選択肢4 右下層柱のQ_c=6M_p/l
× 不適当(正解)

下層全体のせん断力はP+2P=3P=6M_p/l。左右の柱の条件が同じなので、柱1本は半分の3M_p/lです。6M_p/lを右柱1本へ割り当てている点が誤りです。

根拠・考え方(選択肢4):層全体のせん断力3Pを左右の柱で分担。
覚えるポイント

崩壊荷重P=2M_p/l、下層全体は3P。柱1本のQ_cはその半分の3M_p/lです。

この知識の出題:2017・2021年
層全体のせん断力と、左右同条件の柱1本のせん断力を区別する

正解:4番

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問5 45度トラスを切って軸力を求める

頻出度:★★★

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確認ポイント:引張を正として仮定し、切った側のつり合いで符号を確かめます。

中心テーマ:トラスの軸力とつり合い
出題年度:2017・2018・2019・2020・2021・2022・2023・2024・2025・2026年(10年中10年)

切断面で「引張」を仮定して符号を決める

  1. 全鉛直荷重はP+2P+P=4P。左右対称なので支点反力は各2P。
  2. ABと上下の水平材を横切る切断面で左側だけを取り出します。そこには上向き2Pと、Aでの下向きPがあります。
  3. ABを引張と仮定すると、切り出した左側をAからBの方向、つまり右下へ引きます。鉛直つり合いは2P−P−N_AB sin45度=0。
  4. N_AB=P/(1/√2)=+√2P。正なので最初の引張の仮定が合っています。

「部材が節点を引く」場合が引張です。部材に生じる力の種類と、部材が節点に及ぼす力の向きを対応させます。

選択肢 判断・解説
選択肢1 N_AB=−√2P
× 誤った値

つり合いから得る符号又は大きさが合いません。対称荷重から左右の反力は各2P。ABを横切って左側を取り出すと、上向き2Pと下向きPの差のPを、ABの下向き成分で打ち消します。引張を正としたN_AB/√2=Pより、N_AB=+√2Pです。

根拠・考え方(選択肢1):対称荷重による左右の鉛直反力は各2P。
選択肢2 N_AB=−√2P/2
× 誤った値

つり合いから得る符号又は大きさが合いません。対称荷重から左右の反力は各2P。ABを横切って左側を取り出すと、上向き2Pと下向きPの差のPを、ABの下向き成分で打ち消します。引張を正としたN_AB/√2=Pより、N_AB=+√2Pです。

根拠・考え方(選択肢2):切断法でABと水平材を横切り、左側を取り出す。
選択肢3 N_AB=+√2P/2
× 誤った値

つり合いから得る符号又は大きさが合いません。対称荷重から左右の反力は各2P。ABを横切って左側を取り出すと、上向き2Pと下向きPの差のPを、ABの下向き成分で打ち消します。引張を正としたN_AB/√2=Pより、N_AB=+√2Pです。

根拠・考え方(選択肢3):N_ABの鉛直成分はN_AB sin45度。
選択肢4 N_AB=+√2P
○ 正しい値

正しい符号と大きさです。対称荷重から左右の反力は各2P。ABを横切って左側を取り出すと、上向き2Pと下向きPの差のPを、ABの下向き成分で打ち消します。引張を正としたN_AB/√2=Pより、N_AB=+√2Pです。

根拠・考え方(選択肢4):切断した左側を右下へ引く仮定の力が正なのでABは引張。
覚えるポイント

左反力2Pから荷重Pを引いた上向きPを、ABの下向き成分が打ち消します。ABは引張+√2Pです。

この知識の出題:2017年
45度の斜材を切り出した側の鉛直つり合いから、引張・圧縮を符号付きで求める

正解:4番

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問6 横移動と端部条件で変わる座屈長さ

頻出度:★★★

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確認ポイント:実際の柱の長さでなく、有効座屈長さを比べます。

中心テーマ:柱の弾性座屈荷重と端部条件
出題年度:2017・2020・2021・2024・2025年(10年中5年)

実長に端部条件の係数を掛ける

架構 横移動・回転の条件 実長L 座屈長さL_k
A 横移動自由、柱脚ピン・柱頭回転拘束 2h 2L=4h
B 横移動自由、両端回転拘束 5h L=5h
C 梁端の水平方向の支持で横移動拘束、両端回転拘束 6h 0.5L=3h

P_e=π²EI/L_k²。共通因子π²EI/h²を除くと、Aは1/16、Bは1/25、Cは1/9。したがってC>A>Bです。

剛な梁で柱頭の回転が拘束されても、梁ごと横に動ける場合があります。「回転を拘束」と「水平移動を拘束」は別々に読みます。本問は対称な柱と剛梁を持つ架構の条件で判定します。

選択肢 判断・解説
選択肢1 P_A>P_C>P_B
× 誤った順序

実長だけでなく端部・横移動の条件を入れると、この順序にはなりません。有効座屈長さはAが2×2h=4h、Bが5h、Cが0.5×6h=3h。E・Iは同じでP_e=π²EI/L_k²なので、最短のCが最大、最長のBが最小となりP_C>P_A>P_Bです。

根拠・考え方(選択肢1):Aは横移動自由、柱頭回転拘束・柱脚ピン:L_k=2L。
選択肢2 P_B>P_A>P_C
× 誤った順序

実長だけでなく端部・横移動の条件を入れると、この順序にはなりません。有効座屈長さはAが2×2h=4h、Bが5h、Cが0.5×6h=3h。E・Iは同じでP_e=π²EI/L_k²なので、最短のCが最大、最長のBが最小となりP_C>P_A>P_Bです。

根拠・考え方(選択肢2):Bは横移動自由で両端回転拘束:L_k=L。
選択肢3 P_C>P_A>P_B
○ 正しい順序

正しい順序です。有効座屈長さはAが2×2h=4h、Bが5h、Cが0.5×6h=3h。E・Iは同じでP_e=π²EI/L_k²なので、最短のCが最大、最長のBが最小となりP_C>P_A>P_Bです。

根拠・考え方(選択肢3):Cは横移動拘束・両端回転拘束:L_k=0.5L。
選択肢4 P_C>P_B>P_A
× 誤った順序

実長だけでなく端部・横移動の条件を入れると、この順序にはなりません。有効座屈長さはAが2×2h=4h、Bが5h、Cが0.5×6h=3h。E・Iは同じでP_e=π²EI/L_k²なので、最短のCが最大、最長のBが最小となりP_C>P_A>P_Bです。

根拠・考え方(選択肢4):Euler式P_e=π²EI/L_k²。
覚えるポイント

A・B・Cの座屈長さは4h・5h・3h。P_eは座屈長さの2乗に反比例するので、C>A>Bです。

この知識の出題:2017・2021・2024・2025年
横移動の有無と材端の回転条件を分けて有効座屈長さを決める

正解:3番

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問7 地盤種別と振動特性係数R_t

頻出度:★★

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確認ポイント:短い周期で一定となる区間と、地盤別の曲線の順序を確認します。

中心テーマ:振動特性係数R_tと周期・地盤種別
出題年度:2017・2018・2020・2023年(10年中4年)

グラフを選ぶ2つの基準

  1. 短周期側でR_t=1の水平な部分があるか。
  2. 第1種→第2種→第3種の順に、低下を始める周期T_cが長くなっているか。
地盤種別 T_c 傾向
第1種 0.4秒 最も短い周期から低下
第2種 0.6秒 中間
第3種 0.8秒 長い周期まで1を維持

全ての周期で必ず第3種>第2種>第1種という厳密な不等号になるわけではなく、短周期側では同じ1となる区間があります。

選択肢 判断・解説
選択肢1 図1:短周期で1・長周期で第3種が上
○ 正しい図

T≦T_cの短周期範囲ではR_t=1で、その後は周期が長くなるほど低下します。T_cは第1種0.4秒、第2種0.6秒、第3種0.8秒。低下が始まった後の同じ周期では、一般に第3種の値が大きく、図1が一致します。

根拠・考え方(選択肢1):昭和55年建設省告示第1793号第2のR_tとT_c。
選択肢2 図2:地盤種別の曲線の上下が逆
× 誤った図

一定区間の後の地盤別の上下関係が逆です。第1種地盤が最も上ではなく、同じ周期では第3種が第1種以上になります。短周期で各曲線が1に重なる範囲もあります。

根拠・考え方(選択肢2):第1種・第2種・第3種の順にT_cが大きい。
選択肢3 図3:短周期からR_tが低下
× 誤った図

地盤別の大小の方向は合っていますが、ごく短い周期から低下させる描き方が誤りです。規定ではT≦T_cにR_t=1の一定区間があります。

根拠・考え方(選択肢3):T≦T_cの範囲はR_t=1の一定値。
選択肢4 図4:短周期区間と地盤の順序が不適切
× 誤った図

短周期での一定区間が適切でなく、地盤種別による曲線の上下関係も逆です。第1種ほど短い周期から低下し、第3種ほど長い周期まで1を保ちます。

根拠・考え方(選択肢4):R_tはTと地盤種別に応じて算定し、長周期域では低下。
覚えるポイント

T≦T_cでR_t=1。T_cは第1種0.4秒・第2種0.6秒・第3種0.8秒で、第3種ほど低下し始める周期が長くなります。

この知識の出題:2017・2020・2023年
R_tは一般に周期が長くなるほど小さくなる側で、短周期では1の一定区間がある

正解:1番

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問8 学校の屋上広場の積載荷重

頻出度:★★★

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確認ポイント:学校の屋上広場を、そのまま教室と同じ欄で読みません。

中心テーマ:用途・計算対象別の積載荷重
出題年度:2017・2018・2019・2021・2026年(10年中5年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 屋上広場に教室の荷重を採用
× 不適当(正解)

学校の屋上広場を実況によらず計算する場合、施行令第85条第1項の表では百貨店・店舗の売場の数値を用います。床用は売場2900N/m²、教室2300N/m²で異なるため、教室の値をそのまま採用できません。

根拠・考え方(選択肢1):施行令第85条第1項の表、屋上広場・バルコニーの区分。
選択肢2 雪下ろしと垂直積雪量の低減
○ 適当

雪下ろしを行う慣習がある地方では、その実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らす扱いがあります。低減して設計した建物では、雪下ろしの条件を出入口等の見やすい場所へ表示する扱いも合わせて確認します。

根拠・考え方(選択肢2):出題時の施行令第86条第6項・第7項、雪下ろしによる低減と表示。
選択肢3 都市部と平坦地の風速係数E_r
○ 適当

都市部では地表の障害物により平均風速が低下し、同じ高さのErは平坦地より小さい。

根拠・考え方(選択肢3):施行令第87条、平成12年建設省告示第1454号のE_r。
選択肢4 最下層の地震層せん断力
○ 適当

下層は上の各階の慣性力を累積して受け、最下層の層せん断力が最大となる。

根拠・考え方(選択肢4):施行令第88条、上の部分の地震力を下層で累積。
覚えるポイント

実況によらない学校の屋上広場は、教室でなく百貨店・店舗の売場の値を用います。

この知識の出題:2017年
学校の屋上広場を実況によらず計算する場合は教室でなく売場の表の値を用いる

正解:1番

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問9 木製筋かいの壁倍率の上限

頻出度:★★★

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確認ポイント:片筋かいの倍率を2倍しても、上限を超えて使えません。

中心テーマ:木造の壁量・壁倍率
出題年度:2017・2018・2019・2021・2022・2023・2025・2026年(10年中8年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 風用壁量を方向別に確認
○ 適当

風圧は見付面積が方向ごとに異なるため、それぞれの方向の必要壁量を満たす。

根拠・考え方(選択肢1):出題時の施行令第46条第4項、方向ごとの見付面積と必要壁量。
選択肢2 圧縮も負担する筋かいの寸法
○ 適当

圧縮を負担する木製筋かいは厚さ3cm以上・幅9cm以上を確保する。

根拠・考え方(選択肢2):出題時の施行令第45条第2項、圧縮を負担する筋かいの寸法。
選択肢3 9cm角のたすき掛けを倍率6とする
× 不適当(正解)

出題時の9cm角筋かいは片筋かいの倍率3ですが、たすき掛けで単純に3+3=6とはできません。倍率の上限は5なので、6倍として必要壁量を満たしたと判断するのは不適切です。

根拠・考え方(選択肢3):出題時の施行令第46条第4項、筋かい倍率とたすき掛けの上限。
選択肢4 交差部で間柱を欠き取る
○ 適当

耐力要素の筋かいを欠き取らず、交差する間柱側を欠き取る。

根拠・考え方(選択肢4):施行令第45条第4項、筋かいの欠込み禁止と所定の例外。
覚えるポイント

出題時の9cm角の筋かいは片側3倍ですが、たすき掛けでも上限5倍。6倍としての算定は誤りです。

この知識の出題:2017・2025年
9cm角筋かいは片側3倍でも、たすき掛けの倍率は6でなく上限5

正解:3番

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問10 四分割法の充足率と壁率比

頻出度:★★★

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確認ポイント:片側の充足率だけでなく、反対側との比まで計算します。

中心テーマ:木造耐力壁の配置・四分割法
出題年度:2017・2018・2020・2021・2022・2023・2024・2025・2026年(10年中9年)

北側と南側の充足率を比較

X方向の側端部分は、Xと直交するY方向(8m)の両端から1/4=2mの帯です。単位面積当たり15cm/m²=0.15m/m²を使います。

側端部分 面積 必要壁量 存在壁量 充足率
北側 10×2=20m² 20×0.15=3m 5m×倍率1=5m 5/3≒1.67
南側 20m² 3m 2m×倍率1=2m 2/3≒0.67

壁率比=小さい充足率/大きい充足率=(2/3)/(5/3)=2/5=0.4。「北側は十分」という確認だけで終わらせないことが大切です。

選択肢 判断・解説
選択肢1 北側の必要壁量3m
○ 適当

北側側端の面積は10×2=20m²。必要壁量20×0.15=3mとなる。

根拠・考え方(選択肢1):平成12年建設省告示第1352号:側端部分の床面積×所定係数。
選択肢2 北側の存在壁量5m
○ 適当

北側のX方向壁の長さ合計は5m、倍率1なので存在壁量5m。

根拠・考え方(選択肢2):同告示:耐力壁の実長×壁倍率による存在壁量。
選択肢3 北側充足率は1を超える
○ 適当

壁量充足率は5/3=約1.67で、1を超える。

根拠・考え方(選択肢3):同告示:壁量充足率=存在壁量/必要壁量。
選択肢4 X方向の壁率比は0.5超
× 不適当(正解)

北側の壁量充足率5/3に対し、南側は2/3です。小さい方÷大きい方=(2/3)/(5/3)=0.4で、0.5を超えていません。北側だけが1を超えていても、両側とも1を超える場合の例外には当たりません。

根拠・考え方(選択肢4):同告示:壁率比=両側端の充足率の小さい方/大きい方。
覚えるポイント

北は5/3、南は2/3。壁率比=(2/3)/(5/3)=0.4なので、0.5を超えていません。

この知識の出題:2017・2018・2024・2025年
壁率比は両側端の壁量充足率の小さい方を大きい方で割る

正解:4番

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問11 荷重方向とコンクリートのひび割れ

頻出度:★★

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確認ポイント:曲げで引張になる側と、図のひび割れ位置を対応させます。

中心テーマ:RC躯体のひび割れ状況と原因の対応
出題年度:2017・2020・2024年(10年中3年)

フーチングを柱から張り出す片持ち部分として見る

通常の片持梁が先端に下向き荷重を受けると、根元の上側が引張です。一方、このフーチングは柱から張り出した部分に上向きの地盤反力を受けるため、曲げの向きが逆になり、下面が引張になります。問題の図2ではひび割れが上面から描かれているので、この荷重による曲げひび割れの説明と合いません。

選択肢 判断・解説
選択肢1 最上階接合部の開く向きの曲げ
○ 適当

図のように最上階のL形柱梁接合部を開く向きの曲げが作用すると、主筋の定着力等により接合部の外側へ割裂状のひび割れが生じることがあります。図の位置・向きは原因と対応しています。

根拠・考え方(選択肢1):最上階L形接合部の開く向きの曲げと主筋の定着力。
選択肢2 地盤反力によるフーチングの曲げ
× 不適当(正解)

柱から外へ張り出すフーチングを片持ち部分として見ると、地盤からの上向き反力に対して下面が引張になります。図2は上面からのひび割れを描いており、この荷重による曲げの引張側と一致しません。下向き荷重を受ける通常の片持梁の上端引張と混同しないことがポイントです。

根拠・考え方(選択肢2):上向き接地圧を受ける片持ちフーチングの下面引張。
選択肢3 周辺固定スラブ上面のひび割れ
○ 適当

周辺を梁で固定されたスラブに鉛直下向き荷重が作用すると、周辺部は負曲げとなり上面が引張になります。梁の近くのスラブ上面に描かれたひび割れは、この曲げと対応します。

根拠・考え方(選択肢3):周辺固定スラブの端部負曲げによる上面引張。
選択肢4 壁の乾燥収縮ひび割れ
○ 適当

耐力壁が乾燥収縮しようとしても、周辺の柱・梁等が自由な収縮を拘束すると壁に引張応力が生じます。図の縦方向のひび割れは、この拘束された乾燥収縮と対応します。

根拠・考え方(選択肢4):壁の乾燥収縮を周辺架構が拘束して引張応力が生じる。
覚えるポイント

上向きの地盤反力を受けるフーチングのはね出し部分は下面が引張。上面からのひび割れを示す図2が不適切です。

この知識の出題:2017年
上向きの地盤反力を受ける独立基礎フーチングのはね出し部分は下面が引張

正解:2番

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問12 RC梁のせん断応力度比と靱性

頻出度:★★★

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確認ポイント:強くすることと、壊れる前に粘れることを分けて考えます。

中心テーマ:RC部材のせん断耐力と塑性変形能力
出題年度:2017・2018・2020・2021・2023・2024・2026年(10年中7年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 あばら筋量を増やしてせん断強度向上
○ 適当

あばら筋量を増すとひび割れ後のせん断抵抗が増し、梁のせん断強度を高められる。

根拠・考え方(選択肢1):あばら筋によるせん断ひび割れ後の抵抗。
選択肢2 せん断応力度/Fcを増やして靱性向上
× 不適当(正解)

Fcに対するせん断応力度比を大きくすると脆いせん断破壊に近づき、靱性を低下させる。靱性確保には比を抑える。

根拠・考え方(選択肢2):せん断応力度/Fcと、曲げ降伏後のせん断破壊への余裕。
選択肢3 柱のFcを高めてせん断強度向上
○ 適当

Fcを高めるとコンクリートのせん断抵抗が増し、一般に柱のせん断強度が高くなる。

根拠・考え方(選択肢3):コンクリート強度の上昇による柱のせん断抵抗増加。
選択肢4 壁の側柱の帯筋量を増加
○ 適当

側柱の帯筋は壁端の圧縮を拘束し、曲げ降伏する壁の圧壊を遅らせて靱性を改善する。

根拠・考え方(選択肢4):壁の側柱の帯筋によるコンクリート拘束と圧壊抑制。
覚えるポイント

梁の靱性を確保するには、せん断応力度/Fcを小さくする側。比を大きくしてせん断破壊に近づけるのは逆です。

この知識の出題:2017・2018年
梁のせん断応力度を抑え、せん断破壊への余裕を確保して靱性を高める

正解:2番

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問13 主筋の間隔と付着割裂強度

頻出度:★★★

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確認ポイント:主筋周囲のコンクリートと横補強筋が、割裂を抑えます。

中心テーマ:RC主筋の付着割裂と対策
出題年度:2017・2019・2020・2021・2022・2026年(10年中6年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 主筋間のあきを増すと強度低下
× 不適当(正解)

主筋間のあきが大きいと、それぞれの鉄筋を取り囲むコンクリートの余裕が増し、一般に付着割裂強度は大きくなる側です。小さくなるという大小関係が逆です。鉄筋径やかぶり・横補強等も関係します。

根拠・考え方(選択肢1):RC規準の付着割裂:主筋間隔と周囲のコンクリートの抵抗。
選択肢2 太径主筋と隅角部の割裂
○ 適当

太径筋はかぶり/径が小さくなり、隅角部の付着割裂を起こしやすい。

根拠・考え方(選択肢2):同じかぶりで太径にすると、かぶり/鉄筋径が小さくなる。
選択肢3 横補強筋の拘束効果
○ 適当

帯筋・あばら筋・中子筋は割裂を拘束するため、その効果を付着割裂強度へ考慮できる。

根拠・考え方(選択肢3):横補強筋が付着割裂の進展を拘束する。
選択肢4 端部ひび割れと有効な付着長さ
○ 適当

端部のせん断ひび割れにより主筋応力が一定となる範囲では付着の伝達が効きにくく、残りの長さで必要付着を評価する。

根拠・考え方(選択肢4):せん断ひび割れによる引張応力のシフトと付着を負担する長さ。
覚えるポイント

主筋間のあきが大きいほど、一般に付着割裂強度は大きくなります。小さくなるという記述は逆です。

この知識の出題:2017・2026年
主筋間のあきが大きくなるほど付着割裂強度は一般に大きくなる

正解:1番

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問14 鉄筋の材種を上げても長期許容値は同じ

頻出度:★★

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確認ポイント:降伏点の数字と、長期許容引張応力度を区別します。

中心テーマ:RC鉄筋の材種と許容応力度
出題年度:2017・2019・2022年(10年中3年)

長期の上限値を先に確認

材種 長期・D25以下 長期・D29以上 短期の主筋の許容引張
SD345 215 195 345
SD390 215 195 390

単位はN/mm²。同じ径・本数なら長期の鉄筋の許容引張力A_s f_tは変わりません。短期で値が異なることを、そのまま長期へ持ち込まないようにします。

選択肢 判断・解説
選択肢1 RC断面でコンクリートの引張を無視
○ 適当

許容曲げはコンクリートの引張を無視し、圧縮コンクリートと鉄筋の抵抗を考慮する。

根拠・考え方(選択肢1):RC許容曲げ計算ではコンクリートの引張抵抗を期待しない。
選択肢2 SD345からSD390へ変更して長期曲げ向上
× 不適当(正解)

同じ径のSD345・SD390は、長期許容引張応力度の上限が同じです。例えばD25以下ではいずれも215N/mm²、D29以上では195N/mm²。同じ断面積の鉄筋をSD390へ替えるだけでは、長期の許容曲げモーメントは大きくなりません。短期の許容値の違いとは分けます。

根拠・考え方(選択肢2):施行令第90条の鉄筋の長期許容応力度の上限と径区分。
選択肢3 短期せん断で主筋の分担を無視
○ 適当

短期許容せん断はコンクリートとせん断補強筋の抵抗で計算し、主筋のせん断分担は通常無視する。

根拠・考え方(選択肢3):短期許容せん断力はコンクリートとせん断補強筋の抵抗で評価。
選択肢4 開口補強に壁の縦横筋も考慮
○ 適当

開口補強には既存の縦・横筋の寄与を適切に評価し、不足分を補強筋で確保できる。

根拠・考え方(選択肢4):開口を横切る壁筋の寄与と不足分の開口補強。
覚えるポイント

同じ径のSD345とSD390では長期許容引張応力度は同じ。材種だけを替えても長期許容曲げは増えません。

この知識の出題:2017年
同じ径のSD345とSD390では長期許容引張応力度の上限が同じ

正解:2番

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問15 筋かいの保有耐力接合と先行破断の防止

頻出度:★★★

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確認ポイント:粘れる軸部より先に、接合部を破断させないことが目的です。

中心テーマ:筋かい端部・接合部の保有耐力接合
出題年度:2017・2018・2019・2020・2024年(10年中5年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 軸部降伏耐力を接合部破断耐力より大きくする
× 不適当(正解)

保有耐力接合では接合部の破断耐力を軸部の降伏耐力より大きくする。設問の大小は逆で、先行破断を招く。

根拠・考え方(選択肢1):筋かい端部の先行破断を防ぐ接合部の保有耐力。
選択肢2 溝形鋼の突出脚の無効部分
○ 適当

溝形鋼等の偏心接合では全断面に応力が均一に伝わらず、突出脚の無効部分を低減する。

根拠・考え方(選択肢2):偏心接合によるシアラグと突出脚の無効部分。
選択肢3 横移動拘束・両端ピンの座屈長さ
○ 適当

横移動を拘束された両端ピン柱は、有効座屈長さを節点間距離とする。

根拠・考え方(選択肢3):横移動拘束・両端ピン柱の座屈長さは節点間距離。
選択肢4 梁端を重点的に横補剛
○ 適当

均等補剛が難しい場合、塑性化する梁端を重点的に横補剛する方法がある。

根拠・考え方(選択肢4):均等間隔補剛と塑性化する梁端を重点的に補剛する方法。
覚えるポイント

接合部の破断耐力を、筋かい軸部の降伏耐力より十分大きくするのが保有耐力接合です。

この知識の出題:2017・2019・2020・2024年
筋かいの軸部が降伏する前に端部・接合部を破断させない

正解:1番

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問16 埋込み柱脚の剛性を評価する固定点

頻出度:★★★

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確認ポイント:基礎上端より下にも変形が生じることをモデルへ反映します。

中心テーマ:鉄骨柱脚の応力伝達と剛性・耐力
出題年度:2017・2022・2023・2024・2025・2026年(10年中6年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 伸び能力のあるアンカーボルト
○ 適当

伸び能力のあるアンカーボルトは、ねじ部が先に破断せず軸部の十分な塑性変形を許す。

根拠・考え方(選択肢1):ねじ部を先に破断させず、軸部の塑性伸びを確保。
選択肢2 根巻部でのせん断力
○ 適当

根巻内で鉄骨の曲げを急にRCへ渡すため、上部鉄骨のせん断より根巻部のせん断が大きくなる。

根拠・考え方(選択肢2):根巻内での鉄骨からRCへの曲げの伝達とせん断力。
選択肢3 根巻高さを柱せいの2.5倍以上
○ 適当

根巻高さは柱せいの2.5倍以上等を確保し、必要な剛性・力の伝達能力を得る。

根拠・考え方(選択肢3):根巻高さと柱せいの比による必要な剛性・耐力の確保。
選択肢4 埋込み柱脚を基礎上端で固定とする
× 不適当(正解)

埋込み柱脚では基礎コンクリート上端より下の埋込み部分にも変形が生じます。そのため、上端を完全固定点として鉄骨柱の剛性を算定すると拘束を過大に評価します。一般的な剛性モデルでは、基礎上端より下がった位置を固定点とするなど、埋込み部の変形を反映させます。

根拠・考え方(選択肢4):埋込み部の変形を含めた鉄骨柱の剛性モデル。
覚えるポイント

埋込み柱脚の剛性を、基礎コンクリート上端で完全固定として評価するのは不適切。埋込み部の変形を考慮します。

この知識の出題:2017年
埋込み柱脚は基礎コンクリート上端で完全固定として剛性を評価しない

正解:4番

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問17 鋼材ダンパーの取付部剛性

頻出度:★★★

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確認ポイント:変形をダンパーへ十分に伝えるには、取付部にも剛性が必要です。

中心テーマ:制振ダンパーと主架構・取付部の働き
出題年度:2017・2018・2019・2021・2022・2023・2024・2025年(10年中8年)

取付部に変形が逃げるとは

架構の変形は「ダンパーの変形+取付部等の変形」に分かれます。取付部が柔らかいと、その部分だけが大きく変形して、エネルギーを吸収させたいダンパー自身の変形が小さくなります。取付部にはダンパーの力を伝える耐力と、変形を十分に伝える剛性が必要です。

選択肢 判断・解説
選択肢1 SA440で主架構の弾性範囲を確保
○ 適当

主架構の高強度化で弾性範囲を広げ、ダンパーを先に塑性化させる設計は無損傷化に有効。

根拠・考え方(選択肢1):主架構を弾性に保ち、ダンパーに塑性変形を集中させる計画。
選択肢2 LY225でエネルギー吸収
○ 適当

LY225は低降伏点と高い伸び能力を持ち、繰返し塑性化によるエネルギー吸収に適する。

根拠・考え方(選択肢2):低降伏点鋼材の早期降伏と高い伸び能力。
選択肢3 取付部の剛性を小さくする
× 不適当(正解)

取付部が柔らかいとそこに変形が逃げ、ダンパー変形が減る。制振効果を高めるには取付部剛性を確保する。

根拠・考え方(選択肢3):ダンパーと取付部は直列的に変形し、柔らかい取付部へ変形が逃げる。
選択肢4 累積損傷度で疲労を検討
○ 適当

履歴ダンパーは繰返し塑性変形を受けるため、累積損傷度による疲労確認が必要。

根拠・考え方(選択肢4):鋼材ダンパーの繰返し塑性変形と累積疲労損傷。
覚えるポイント

取付部が柔らかいと変形がそこへ逃げ、ダンパーの働きが低下します。取付部の剛性は十分に確保します。

この知識の出題:2017・2022年
ダンパーの取付部等の変形を考慮し、ダンパーへ十分に変形を伝える

正解:3番

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問18 冷間成形による強度と変形性能の変化

頻出度:★★★

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確認ポイント:加工硬化による強度上昇と、伸びの低下をセットで覚えます。

中心テーマ:冷間成形角形鋼管柱の材料特性・耐震設計
出題年度:2017・2019・2020・2022・2026年(10年中5年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 プレス成形角部で強度も変形性能も向上
× 不適当(正解)

冷間プレス成形した角部は加工硬化によって強度が上がる一方、伸び・変形性能は低下する傾向があります。「強度及び変形性能がともに高くなる」の後半が誤りです。強度が高いことと靱性が高いことは同じではありません。

根拠・考え方(選択肢1):冷間加工の加工硬化と伸び・靱性の低下。
選択肢2 柱梁接合のダイアフラム
○ 適当

柱梁接合のダイアフラムには通し・内・外の各形式があり、梁フランジ力を伝える。

根拠・考え方(選択肢2):ダイアフラムによる梁フランジ力の柱への伝達。
選択肢3 柱継手を曲げ応力の小さい位置へ
○ 適当

柱継手は一般に現場溶接となり、曲げ応力が小さく施工しやすい位置に配置する。

根拠・考え方(選択肢3):柱継手の応力条件と現場施工性。
選択肢4 ルート1-1のC_0と柱応力の割増し
○ 適当

冷間成形角形鋼管柱のルート1-1はC0≧0.3と柱応力の割増しによる確認が必要。

根拠・考え方(選択肢4):出題時の冷間成形角形鋼管柱のルート1-1の追加条件。
覚えるポイント

冷間成形した角部は一般に強度が上がる一方、変形性能は低下します。両方高くなるとはいえません。

この知識の出題:2017・2022年
冷間曲げ加工は強度を上げる一方、伸び・変形性能を低下させる

正解:1番

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問19 地盤調査と試験で分かる性質

頻出度:★★★

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確認ポイント:強度・変形・圧密・振動のどれを調べる試験かを整理します。

中心テーマ:基礎の設計に用いる地盤調査・土質試験
出題年度:2017・2019・2020・2022・2024年(10年中5年)

調べたい性質に合わせて試験を選ぶ

試験・測定 主に確認するもの
孔内水平載荷試験 地盤の水平方向の変形特性。杭頭付近の水平抵抗の評価に利用
平板載荷試験 地盤の載荷に対する支持力・沈下特性。影響は載荷板幅に対応する浅い範囲
常時微動測定 地盤の卓越周期・振動特性
一軸圧縮試験 側圧を加えない粘性土の圧縮強さq_u等。内部摩擦角φを単独では決められない
選択肢 判断・解説
選択肢1 孔内水平載荷試験の調査深さ
○ 適当

杭の水平抵抗は杭頭付近の地盤が支配するため、約5m又は杭径の約5倍等の必要な範囲で水平載荷試験を行う。

根拠・考え方(選択肢1):杭水平抵抗には杭頭付近の地盤の変形特性が重要。
選択肢2 平板載荷試験の影響深さ
○ 適当

平板載荷試験が直接把握するのは浅い範囲で、概ね板幅の1.5〜2倍深さまで。下部軟弱層は別調査が必要。

根拠・考え方(選択肢2):載荷板寸法に対応する平板載荷試験の影響深さ。
選択肢3 常時微動と地盤の卓越周期
○ 適当

常時微動から卓越周期を推定でき、地盤種別・振動特性の評価に利用する。

根拠・考え方(選択肢3):常時微動の卓越周期から地盤の振動特性を推定。
選択肢4 一軸圧縮試験で内部摩擦角を算定
× 不適当(正解)

一軸圧縮試験は側方から拘束圧を加えずに圧縮し、一軸圧縮強さq_uや変形特性等を調べます。この試験だけで内部摩擦角φを独立に決めることはできません。φと粘着力cの評価には、異なる拘束圧の三軸試験等を用います。

根拠・考え方(選択肢4):一軸試験の側方拘束圧は0で、cとφを独立に決定できない。
覚えるポイント

一軸圧縮試験は粘性土の一軸圧縮強さ等を調べる試験で、内部摩擦角を単独で求める試験ではありません。

この知識の出題:2017・2024年
一軸圧縮試験だけで粘性土の内部摩擦角を決めることはできない

正解:4番

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問20 杭の周面摩擦と先端抵抗の発揮順序

頻出度:★★

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確認ポイント:沈下が小さい段階から働く抵抗を先に考えます。

中心テーマ:杭の鉛直支持力と先端・周面抵抗
出題年度:2017・2022・2023・2024年(10年中4年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 先端抵抗が周面摩擦より先に働く
× 不適当(正解)

周面摩擦抵抗は比較的小さい沈下で発揮され、先端抵抗が十分に発揮されるには、より大きな沈下が必要です。本肢はその順番を逆にしています。どちらか一方しか作用しないという意味ではなく、十分に発揮される沈下量の違いです。

根拠・考え方(選択肢1):周面摩擦と先端支持では十分な抵抗を発揮する沈下量が異なる。
選択肢2 液状化時の水平地盤反力係数
○ 適当

液状化は杭周地盤の横抵抗を低下させるため、水平地盤反力係数を低減する。

根拠・考え方(選択肢2):液状化に伴う水平地盤反力係数の低減。
選択肢3 地下室の浮力と引抜き抵抗
○ 適当

地下室の浮力が建物重量を上回る場合に備え、杭の引抜き抵抗と接合部を確認する。

根拠・考え方(選択肢3):地下水位による浮力、杭の引抜き抵抗と接合。
選択肢4 杭先端の平均N値の上限
○ 適当

出題時の所定の杭先端支持力の計算では、先端付近の平均N値を用い、60を超える場合は60とする扱いです。N値60超をそのまま比例的に耐力へ加算することはしません。工法・適用式の条件も必要です。

根拠・考え方(選択肢4):出題時の施行令第93条・平成13年告示第1113号の所定の杭支持力算定。
覚えるポイント

周面摩擦抵抗が比較的小さい沈下で先に発揮され、先端抵抗を十分に発揮するにはより大きな沈下が必要です。

この知識の出題:2017年
周面摩擦が小さい沈下で先に発揮され、先端抵抗にはより大きな沈下が必要

正解:1番

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問21 杭頭の固定度と曲げモーメント

頻出度:★★

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確認ポイント:杭頭の回転を止めるために、杭頭に曲げが生じます。

中心テーマ:杭頭回転拘束と杭頭曲げ
出題年度:2017・2022年(10年中2年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 根入れ深さと隣接建築物
○ 適当

隣接掘削等で有効な根入れが失われる場合があるので、根入れ深さの評価に周辺条件を考慮する。

根拠・考え方(選択肢1):支持力式の根入れによる上載効果と隣接条件。
選択肢2 固定度を上げると杭頭曲げが減少
× 不適当(正解)

杭頭の固定度を上げると回転を抑えるための曲げが杭頭に生じます。同じ地盤・杭・水平力等の条件で長い杭を比較する場合、一般に杭頭曲げモーメントは大きくなります。杭頭の水平変位が小さくなることと混同しません。

根拠・考え方(選択肢2):同一条件の長い杭の水平抵抗と杭頭回転拘束。
選択肢3 長短の杭を混用したときの分担
○ 適当

杭長・支持条件が異なると水平剛性の差が生じ、杭の分担差や基礎のねじれにつながる。

根拠・考え方(選択肢3):杭長差による水平剛性・分担水平力・ねじれの違い。
選択肢4 支持杭の負の摩擦力
○ 適当

沈下地盤は杭へ下向きの負の摩擦を与え、支持力・軸力・沈下の追加検討が必要。

根拠・考え方(選択肢4):周辺地盤の沈下が杭に下向きの負の摩擦力を与える。
覚えるポイント

同条件の長い杭では、杭頭固定度が高いほど杭頭の曲げモーメントは大きくなります。

この知識の出題:2017・2022年
同条件の長い杭では杭頭固定度が高いほど杭頭曲げモーメントが大きくなる

正解:2番

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問22 壁式RCの一般的な適用範囲

頻出度:★★★

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確認ポイント:軒高だけでなく、地上階数も合わせて確認します。

中心テーマ:壁式RCの適用範囲・構造上の条件
出題年度:2017・2018・2020・2021・2022・2024・2025・2026年(10年中8年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 プレテンション方式の導入順序
○ 適当

プレテンションは先に緊張してコンクリートを打ち、硬化後に緊張を解放し付着でプレストレスを導入する。

根拠・考え方(選択肢1):先に緊張→打設・硬化→解放→付着でプレストレス導入。
選択肢2 特定層へ変形を集める制振方式
○ 適当

柔らかい特定層へ変形とダンパーを集中させ、エネルギーを吸収する制振方式もある。

根拠・考え方(選択肢2):変形を集中させた層のダンパーによるエネルギー吸収。
選択肢3 免震を適用できる規模・用途
○ 適当

免震は住宅から超高層まで幅広い規模・用途へ適用できる。各建物の振動・転倒等の確認が必要。

根拠・考え方(選択肢3):免震構造の適用性と各建物の支持力・変位等の確認。
選択肢4 軒高20mの地上6階に壁式RCを採用
× 不適当(正解)

平成29年の出題時における壁式RCの一般的な適用範囲は、地階を除く階数5以下かつ軒高20m以下です。軒高20mだけを満たしても、地上6階は一般的な適用範囲に入りません。壁式ラーメン等の別の構造形式と区別します。

根拠・考え方(選択肢4):出題時の平成13年国土交通省告示第1026号第一第一号の適用範囲。
覚えるポイント

出題時の一般的な壁式RCは地階を除く5階以下・軒高20m以下。軒高20mでも地上6階は一般的な適用範囲外です。

この知識の出題:2017年
一般的な壁式RCは地階を除く5階以下・軒高20m以下の範囲で扱う

正解:4番

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問23 CFT柱の変形性能と耐火性能

頻出度:★★★

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確認ポイント:鋼管にコンクリートを充塡する効果は、変形性能だけではありません。

中心テーマ:CFT柱のコンクリート充塡の効果
出題年度:2017・2018・2020・2024・2025・2026年(10年中6年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 合成梁のスラブ有効幅
○ 適当

合成梁の剛性用スラブ有効幅は、RC梁の有効幅の扱いを準用できる。

根拠・考え方(選択肢1):剛性評価に用いる合成梁の床スラブ有効幅。
選択肢2 デッキ合成スラブの面内せん断
○ 適当

デッキとコンクリートが適切に一体化された合成スラブは、水平構面として面内せん断も伝達する。

根拠・考え方(選択肢2):合成スラブのデッキとコンクリートの一体性、面内せん断伝達。
選択肢3 CFTの耐火性能は中空鋼管と同等
× 不適当(正解)

CFTは充塡コンクリートが鋼管を支え、鋼管がコンクリートを拘束するため、一般に中空鋼管より塑性変形性能が高くなります。さらに内部コンクリートの熱容量・耐荷機構等により耐火性能も向上します。「耐火性能は同等」とする点が誤りです。必要な耐火被覆等は個別に確認します。

根拠・考え方(選択肢3):CFTの相互拘束効果と充塡コンクリートによる耐火性能の向上。
選択肢4 RCコアと外周鉄骨の混合構造
○ 適当

RCコアで水平力を負担し外周S造で長スパンをつくる形式は、開放的な空間に適する。

根拠・考え方(選択肢4):RCコアの水平抵抗と外周鉄骨架構の長スパン化。
覚えるポイント

CFTは中空鋼管に比べ、一般に塑性変形性能も耐火性能も向上します。「耐火性能は同等」が誤りです。

この知識の出題:2017年
CFTは中空鋼管より一般に耐火性能が高い

正解:3番

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問24 床の振動は応力度だけでは判断できない

頻出度:★★

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確認ポイント:壊れないことに加え、使う人が感じる揺れも確認します。

中心テーマ:床の振動と使用上の支障の検討
出題年度:2017・2022年(10年中2年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 べた基礎による不同沈下への対策
○ 適当

べた基礎は建物を面で支持し、基礎剛性を高めて不同沈下による損傷を抑えやすい。

根拠・考え方(選択肢1):基礎剛性を増し、不同沈下による損傷を抑える計画。
選択肢2 細長い平面での剛床仮定
○ 適当

細長い平面では床の面内変形が無視できない場合があり、短辺地震時に剛床を仮定しない。

根拠・考え方(選択肢2):細長い平面の床の面内変形を反映する解析モデル。
選択肢3 応力度だけで床振動の支障を確認
× 不適当(正解)

応力度が許容値内でも、床が大きく揺れて使用上の不快感や支障が出る場合があります。床組の振動は固有振動数・振幅・減衰等により確認する必要があり、部材断面の応力度だけで検証したとはいえません。

根拠・考え方(選択肢3):使用上の振動は強度・応力度とは別の使用性の検討。
選択肢4 片持スラブの地震時上下動
○ 適当

片持ち部は上下動で先端変形と応力が増すため、所定の地震時上下振動を考慮して設計する。

根拠・考え方(選択肢4):片持スラブの鉛直方向の地震応答と配筋。
覚えるポイント

床組の使用上の振動は、応力度だけでなく固有振動数・振幅等で検討します。

この知識の出題:2017年
床振動の使用性は、部材の応力度だけでなく振動特性で確認する

正解:3番

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問25 断面二次半径と許容圧縮応力度

頻出度:★★

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確認ポイント:細長比λ=座屈長さ/断面二次半径から大小を判断します。

中心テーマ:断面二次半径と許容圧縮応力度
出題年度:2017・2022・2025年(10年中3年)

細長比を式で比べる

λ=L_k/i。例えばL_k=3000mmが同じで、iが50mmならλ=60、iが30mmならλ=100です。iを小さくすると細長比が増し、座屈に対して不利になります。i=√(I/A)は断面の寸法の性質で、部材の長さそのものではありません。

選択肢 判断・解説
選択肢1 X形筋かいの引張・圧縮側耐力
○ 適当

X筋かいは引張側耐力と、圧縮側の座屈後に安定して残る耐力の和で評価できる。

根拠・考え方(選択肢1):変形の適合を考慮した引張側と圧縮側の座屈後耐力。
選択肢2 山形鋼をガセットの両側へ配置
○ 適当

山形鋼2本をガセット両側へ取り付けると偏心を小さくし、安定した力の伝達を図れる。

根拠・考え方(選択肢2):ガセット両側への対称配置による偏心の低減。
選択肢3 非埋込みSRC柱脚の累加耐力
○ 適当

非埋込みSRC柱脚は、所定の累加方法に従ってアンカーボルト・支圧コンクリート・周囲RCの抵抗を評価する。

根拠・考え方(選択肢3):非埋込みSRC柱脚の所定の累加耐力評価。
選択肢4 断面二次半径が小さいほど許容値増大
× 不適当(正解)

細長比λ=L_k/i(座屈長さ÷断面二次半径)です。材種とL_kが同じなら、iが小さいほどλが大きくなって座屈に不利で、許容圧縮応力度は小さくなります。大きくなるという記述は逆です。

根拠・考え方(選択肢4):λ=L_k/i。iが小さいほど細長比が大きくなり座屈に不利。
覚えるポイント

断面二次半径iが小さいほどλは大きく、座屈に不利。許容圧縮応力度は小さくなります。

この知識の出題:2017・2022・2025年
同じ材種・座屈長さならiが小さいほどλが大きく、許容圧縮応力度は小さい

正解:4番

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問26 積層ゴムアイソレータの引張への注意

頻出度:★★★

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確認ポイント:鉛直圧縮に強いことと、大きな引張に耐えられることを区別します。

中心テーマ:積層ゴム等の免震装置の支持・復元・減衰
出題年度:2017・2018・2019・2021・2023・2024・2025・2026年(10年中8年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 水平と上下方向の免震効果
○ 適当

積層ゴムは水平に柔らかく鉛直に硬い。通常の方式では上下動の免震効果は期待しない。

根拠・考え方(選択肢1):積層ゴムは水平方向に柔らかく、鉛直方向に硬い。
選択肢2 支持軸力と面圧
○ 適当

面圧=支持軸力/有効な水平断面積で求め、ゴムの圧縮・座屈性能を確認する。

根拠・考え方(選択肢2):面圧=支持軸力/積層ゴムの水平断面積。
選択肢3 大きな引張に天然ゴム系を採用
× 不適当(正解)

通常の天然ゴム系積層ゴムは、圧縮力を支えつつ水平に変形する装置で、大きな引張軸力を負担させることには適しません。転倒による引張を抑える配置・重量計画や、引張に対応した装置・機構等を検討します。天然ゴム系を選ぶだけでは解決しません。

根拠・考え方(選択肢3):通常の積層ゴムの引張耐力・引張変形の制約。
選択肢4 天然ゴム系にダンパーを併設
○ 適当

天然ゴム系アイソレータの減衰だけでは不足し、別のダンパーを組み合わせる。

根拠・考え方(選択肢4):天然ゴム系の復元機能と、別途必要な減衰機能。
覚えるポイント

天然ゴム系積層ゴムは一般に大きな引張を負担させるのに適しません。引張を抑える計画や対応した装置等を検討します。

この知識の出題:2017年
通常の天然ゴム系積層ゴムを、大きな引張軸力への対策として選定しない

正解:3番

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問27 木表・木裏と乾燥時の反り

頻出度:★★

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確認ポイント:乾燥で大きく縮む側が、反ったときの内側になります。

中心テーマ:木材の乾燥収縮異方性と反り
出題年度:2017・2019・2024・2026年(10年中4年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 気乾比重と曲げ強度
○ 適当

木材は一般に気乾比重が大きいほど曲げ強度も大きい。

根拠・考え方(選択肢1):一般に気乾比重が大きい木材ほど曲げ強度が大きい。
選択肢2 木裏側が凹に反るという記述
× 不適当(正解)

板目材では一般に木表側が木裏側より大きく収縮し、木表側を内側(凹)にして反ります。木裏側が大きく縮み、木裏側が凹になるという本肢の説明は逆です。木材の接線方向と半径方向で収縮率が異なることが背景にあります。

根拠・考え方(選択肢2):板目材の接線方向・半径方向の収縮差と木表側の反り。
選択肢3 LVLの繊維方向と用途
○ 適当

LVLは単板の繊維方向を主に平行にして積層した線材用材料。

根拠・考え方(選択肢3):JASの単板積層材:繊維方向を主として平行に積層。
選択肢4 CLTの繊維方向と用途
○ 適当

CLTは層ごとの繊維を直交させた板状材料で、床・壁の面材に用いる。

根拠・考え方(選択肢4):JASの直交集成板:隣接する層の繊維方向を直交させる。
覚えるポイント

一般に木表側の収縮が木裏側より大きく、木表側が凹になります。LVLは主に平行、CLTは直交積層です。

この知識の出題:2017・2019・2026年
板目材は一般に木表側の収縮が大きく、木表側が凹に反る

正解:2番

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問28 コンクリートの局部支圧強度

頻出度:★

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確認ポイント:部分的に押す場合は、周囲のコンクリートの拘束も働きます。

中心テーマ:コンクリートの局部支圧と拘束効果
出題年度:2017年(10年中1年)

せん断弾性係数の関係も確認

G=E/[2(1+ν)]。ポアソン比νを0.2とすればG=E/2.4≒0.417Eで、「Eの0.4倍程度」に対応します。ヤング係数Eとせん断弾性係数Gを同じ値にしません。

選択肢 判断・解説
選択肢1 セメントの細かさと初期強度
○ 適当

細かいセメント粒子は比表面積が大きく、水和が進みやすいため初期強度発現が早い。

根拠・考え方(選択肢1):セメント比表面積と水和反応・初期強度の発現。
選択肢2 水中養生と大気中養生
○ 適当

水中養生は必要な水分を保つので、同温度の大気中養生より一般に強度が高い。

根拠・考え方(選択肢2):強度発現には水和に必要な水分の供給と保持が重要。
選択肢3 GとEの関係
○ 適当

G=E/[2(1+ν)]。νが約0.2ならGは約0.42Eで、0.4倍程度といえる。

根拠・考え方(選択肢3):弾性関係式G=E/[2(1+ν)]。
選択肢4 局部支圧強度は全面圧縮強度より小さい
× 不適当(正解)

局部的な支圧では、載荷部分の横への膨張が周囲のコンクリートに拘束されます。そのため、一般に全面圧縮より高い支圧強度が得られます。「小さい」は逆です。実際の評価には載荷面積と支承面積等の条件があります。

根拠・考え方(選択肢4):局部支圧部の周囲のコンクリートによる拘束効果。
覚えるポイント

局部圧縮では周囲が横膨張を拘束するため、支圧強度は一般に全面圧縮強度より大きくなります。

この知識の出題:2017年
局部支圧強度は周囲の拘束によって全面圧縮強度より一般に大きくなる

正解:4番

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問29 シャルピー吸収エネルギーと脆性破壊

頻出度:★★★

正解・解説を開く

確認ポイント:衝撃を受けても破断までに吸収できるエネルギーの大小です。

中心テーマ:鋼材のシャルピー吸収エネルギーと靱性
出題年度:2017・2020・2022・2024・2025年(10年中5年)

選択肢 判断・解説
選択肢1 SN400Bの基準強度
○ 適当

板厚40mm以下のSN400BのFは235N/mm²で、短期許容引張応力度もFとなる。

根拠・考え方(選択肢1):JIS G 3136のSN400Bと所定板厚範囲の基準強度。
選択肢2 圧延方向と板厚方向
○ 適当

圧延組織や介在物の方向性により、板厚方向は面内より強度・延性が小さい傾向がある。

根拠・考え方(選択肢2):圧延鋼材の組織・介在物と板厚方向の性質。
選択肢3 吸収エネルギーが小さい鋼材を採用
× 不適当(正解)

シャルピー吸収エネルギーは、衝撃によって破断するまでに材料が吸収するエネルギーを表します。大きいほど一般に靱性が高く、脆性破壊の防止に有利です。小さい材料を選ぶという本肢は逆です。

根拠・考え方(選択肢3):シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーと靱性。
選択肢4 アルミニウムの線膨張係数
○ 適当

アルミニウムの線膨張係数は通常の鉄・鋼の約2倍で、温度変形が大きい。

根拠・考え方(選択肢4):アルミニウム約23×10⁻⁶/K、鋼約12×10⁻⁶/K。
覚えるポイント

脆性破壊の防止には、シャルピー吸収エネルギーが大きい鋼材が有利です。

この知識の出題:2017・2020・2025年
シャルピー吸収エネルギーが大きい鋼材は脆性破壊防止に有利

正解:3番

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問30 耐震等級の数字と要求性能

頻出度:★★

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確認ポイント:耐震等級は数字が大きいほど要求性能が高くなります。

中心テーマ:耐震等級と要求性能の大小
出題年度:2017・2024年(10年中2年)

等級の数字と地震力の倍率

耐震等級 基準となる地震力に対する倍率 要求性能
1 1.0倍 基本
2 1.25倍 等級1より高い
3 1.5倍 3区分で最も高い

これは設計で用いる地震力の倍率です。「必ず1.5倍の震度まで無傷」などと読み替えることはできません。

選択肢 判断・解説
選択肢1 耐震等級を3から1へ変更
× 不適当(正解)

日本住宅性能表示基準の耐震等級は1・2・3の順に要求性能が高くなります。例えば倒壊等防止の基準となる地震力の倍率は、等級1が1.0、等級2が1.25、等級3が1.5。3から1への変更は性能要求の引下げです。

根拠・考え方(選択肢1):平成13年国土交通省告示第1346号の日本住宅性能表示基準、耐震等級。
選択肢2 角形鋼管の許容曲げ応力度
○ 適当

角形鋼管は閉断面で横座屈のおそれがないため、所定の部材条件の下で許容曲げ応力度を許容引張応力度と同じにできます。ただし、長柱の圧縮座屈や局部座屈など、柱として必要な他の確認まで不要になるわけではありません。

根拠・考え方(選択肢2):角形鋼管の閉断面と横座屈、所定条件での許容曲げ応力度。
選択肢3 所定PCa柱梁の最小かぶり
○ 適当

本肢は、国土交通大臣が定めた所定の構造方法によるプレキャストRCの柱・梁を前提としています。その条件では直接土に接しない部分の最小かぶりを2cmとする扱いがあります。一般の現場打ちRC柱・梁の最小3cmを、一律に2cmへ減らせるという意味ではありません。

根拠・考え方(選択肢3):施行令第79条第2項・平成13年国土交通省告示第1372号の所定のPCa部材のかぶり。
選択肢4 鋼管杭の腐食代
○ 適当

一般の鋼管杭では、強い酸性等の特別な腐食条件がないことを確認し、所定の腐食代として厚さ1mmを見込む方法を用います。特別に腐食が進みやすい環境まで、無条件に同じ値でよいとはしません。

根拠・考え方(選択肢4):通常の地盤条件における鋼管杭の設計上の腐食代。
覚えるポイント

等級1<等級2<等級3。3から1に変えると要求性能は下がり、高くする目的と逆です。

この知識の出題:2017・2024年
耐震等級は1より2、2より3の要求性能が高い

正解:1番

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正解一覧

全30問の正解を開く
問 正解 問 正解
問1 2番 問16 4番
問2 3番 問17 3番
問3 1番 問18 1番
問4 4番 問19 4番
問5 4番 問20 1番
問6 3番 問21 2番
問7 1番 問22 4番
問8 1番 問23 3番
問9 3番 問24 3番
問10 4番 問25 4番
問11 2番 問26 3番
問12 2番 問27 2番
問13 1番 問28 4番
問14 2番 問29 3番
問15 1番 問30 1番

平成29年度の公式正解と全30問を照合しています。解説・学習用の見出し・頻出度は独自に整理したものです。