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エネルギー管理士試験の日程について
エネルギー管理士は以下のサイトから試験の申し込みをすることができます。
試験は年1回、8月の初旬にあります。マークシートによる試験です。受験資格も無いので誰でも受験できますが、試験に合格した場合はエネルギー管理士免状の交付申請が必要です。
この交付申請には”エネルギーの使用の合理化に関する実務に一年以上従事”した実務経験が必要です。(とは言うものの、実務経験については詳しく書く必要はなく、電気に関連する仕事をしていれば、何かしらこじつけて書くことはできそうです)
エネルギー管理士ってどんな資格なの?
「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(通称、省エネ法といいます)」が定められているのをご存知でしたでしょうか。簡単に言うと、「地球環境のためにもエネルギーは無駄使いせず、可能な限り有効に使用しましょう」ということです。
身近な省エネの例を挙げると、誰もいない部屋の電気はこまめに消す、真夏に冷房の温度は28℃に設定して扇風機を併用して使う等です。
先ほどの例は家庭のことですので微々たるエネルギーですが、これが大規模の工場となると莫大なエネルギーを使用します。
そのため、規定量以上のエネルギーを使用する工場は、第一種エネルギー管理指定工場に指定されます。規定量は熱(燃料等)と電気を合算したエネルギーの年間使用量が原油換算3000kl(キロリットル)です。
原油換算ではピンとこないと思いますので、これをざっくり電気代に換算して計算すると、年間の電気代が50,000,000円以上となります。
このうち製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種はエネルギーの使用量に応じてエネルギー管理士の免状の交付を受けている人のうちから1人~4人のエネルギー管理者を選任しなければなりません。
ちなみに、前述5業種以外の業種についてはエネルギー管理員の選任でOKです。(エネルギー管理員はお金を払って講習を受けて簡単な試験に合格するだけで資格を得ることができます。)
- 規定量(エネルギーの年間使用量が原油換算3000kl)以上のエネルギーを使用する工場は第一種エネルギー管理指定工場に指定される
- 上記のうち、製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種はエネルギーの使用量に応じてエネルギー管理士の免状の交付を受けている人のうちから1人ないし4人のエネルギー管理者を選任しなければならない
エネルギー管理士を取得するメリットは?将来性は?
エネルギー管理士はそこそこおすすめな資格です。その理由を以下にまとめてみました。
①就職や転職に有利
エネルギー管理士は大規模な工場(製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業)であれば必ず必要となる資格です。求人も一定数あります。ただし、エネルギー管理士が必要な工場はそこまでたくさんはありませんので、電験三種と比較すると需要は少ないです。
この資格があれば、職に困ることが無い!と言い切ることは難しいかもしれませんが、そこそこの需要はあるのでおすすめの資格です。
エネルギー管理士を取得すると、一例ですが以下のような仕事に就くことができます。
工場の保全作業員
工場全体の設備の保全や保守をする仕事です。工場には特別高圧受電設備や受電設備・変電設備等、さらに空調設備やボイラー、コンプレッサー等の大型機器がたくさんあります。
それらの保全や保守をやりながら、エネルギー管理士として管理方法や使用方法の見直し及び設備更新等をおこない、省エネを推進することが仕事となります。
この資格を持っていれば未経験の場合でも(エネルギー管理士の取得の際にどんな些細なことでもいいので1年間の実務経験が必要です)、採用される確率はそこそこあると思います。さらに電験三種をセットで取得していると、採用確率はグッと高くなります。
省エネ診断士
工場やビル・大型施設等を対象に、省エネコンサルティングを行います。省エネルギーの専門家であるエネルギー管理士として、現状のエネルギー使用状況を分析し、省エネかつ費用対効果の高い対策を提案します。
求人自体はあまり多くありませんが、資格を持っていれば採用される確率は高いと思われます。
②会社で自慢できる
電気関係の仕事をしておりエネルギー管理士の資格を保有していれば、同僚や上司から一目置かれます。資格の難易度は電験三種と同レベルであり、保有している人も少ないので希少な資格と言えます。
また、エネルギー管理員の場合、「資質向上講習」という講習に数年に一度通う必要がありますが、エネルギー管理士の資格を保有している場合は講習を受ける必要が無くなります。
エネルギー管理士はそこそこ需要が高く、そこそこおすすめの資格なのですが、一つ問題点があります。それは試験が難しいことです。電験三種と同様に半端な気持ちでは合格できません。
とはいえ、過去問と似た問題がよく出題される傾向にありますので、しっかり過去問を解いていれば合格できると思います。個人的には電験三種より簡単かなと思います。
エネルギー管理士の合格率は?取得にどのくらい費用が掛かる?
合格率はどのくらい?
エネルギー管理士は「熱分野」と「電気分野」のどちらかを選んで受験できます。どちらか片方に合格すればエネルギー管理士の資格を取得できます。「電気分野」を選択した場合、「エネルギー総合管理及び法規」、「電気の基礎」、「電気設備及び機器」、「電力応用」の4科目があります。
この4科目を3年以内に全て科目合格すると、晴れて試験に合格となります。全体の合格率は20%程であり、合格率が低いので真剣に勉強しないと合格は難しいでしょう。
私の場合ですが、1年で合格するつもりで過去問を解きながら勉強しましたが、詰めが甘く4科目中3科目しか合格できませんでした。
2年目は残った科目を勉強し、合格できました。電験三種を合格した状態でエネルギー管理士を受験すると、そこまで苦労せずに資格を取得できると思います。(電験三種の資格を取得する方が大変ですが…)
取得費用はどのくらい?
エネルギー管理士取得に掛かる費用をまとめると以下のようになります。
- 受験申込手数料 … 17,000円(インターネット申し込みの場合)
- 合格時申請手数料 … 約3,800円(書類郵送費用込)
- 参考書 … 約19,000円(4科目の参考書及び過去問)
エネルギー管理士の免状を受け取るまでの費用は合計40,000円程です。他の試験と比較して、受験申込料が高いです。
おすすめの参考書は?
おすすめの勉強法について
おすすめの勉強方法ですが、とりあえず過去問を解きましょう。エネルギー管理士は過去問の類似問題がよく出題されます。分からなくてもとりあえず答えを見ながら解いてみましょう。
答えの導き方が良く分からないときは、参考書の出番です。参考書を見て解き方を学びましょう。参考書は過去問を解く上で分からない場合に使用するのがおすすめです。
私の場合ですが、過去問の学習だけでそこまで苦労することなく合格を勝ち取ることができました。
いかがでしたでしょうか。電験三種を取得できた方なら、もうあとちょっと追加で勉強すればエネルギー管理士の資格を取得できます。取得には苦労すると思いますが、その価値がある資格だと思います。
資格のことから身近なことまで、電気に関する質問を募集していますので、何かありましたらコメントまでよろしくお願いします。面白い質問があれば記事にしたいと思います。