電気の資格

消防設備士乙6を取得しよう!将来性や合格率について

消防設備士ってどんな資格なの?

消防設備とは屋内消火栓やスプリンクラー設備、自動火災報知設備等があります。病院や学校等の建物は消防法に則り消防設備の設置が義務づけられていますこれらの工事、整備等を行うには、消防設備士の資格が必要です

まず、消防設備士は甲種と乙種の2種類があり、さらに第1類~第6類までの種類があります。ちなみに甲種は工事・整備・点検、乙種は整備・点検をすることができます。消防設備士の資格について以下にまとめてみました。

甲種 特類 特殊消防用設備
甲種・乙種 第1類 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備等
甲種・乙種 第2類 泡消火設備、パッケージ型消火設備等
甲種・乙種 第3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備
甲種・乙種 第4類 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備等
甲種・乙種 第5類 金属製避難はしご、救助袋等
乙種 第6類 消火器
乙種 第7類 漏電火災警報器

この中で特類・第2類・第3類・第5類・第7類は特殊な資格であるように思います。電気関係の仕事をしていますが、あまり見かけることはありません。

ですので、消防設備士の中で人気・需要がある資格は第2類・第4類・第6類です。今回はこの中で消防設備士 乙種第6類の資格についてご紹介します

消防設備士 乙種第6類【乙6】ってどんな資格なの?

消防設備士乙6は消火器に関する資格です。消火器は病院やカラオケボックス・映画館・重要文化財等には確実に設置が必要であり、150㎡以上のホテルや百貨店・老人デイサービスセンター・幼稚園等、300㎥以上の小学校・中学校・図書館等にも設置が必要です。

つまり、施設の種類や面積によって消火器の設置が必要かどうかが変わってきますが、基本的にはほぼ全ての施設に消火器が必要です

さらに、1,000㎥以上の特定防火対象物(病院やカラオケボックス、百貨店等)に設置している消火器は半年に一度、有資格者による点検が必要です

さらに、点検結果を特定防火対象物は1年に1回、非特定防火対象物(学校や図書館等)は3年に1回、消防に提出する必要があります

つまり、1,000㎥未満の施設なら防火対象物の関係者(所有者や管理者等)が自ら点検し、点検結果を消防に報告することも可能です。ただし、無資格者が消防法に則った消火器の点検を行うことは専用工具等が必要なこともあり、非常に困難です。

また、消火器を施設に設置する場合は設置届を消防に提出する必要があります。これは消防設備士の資格を持っていないとおこなうことができません。

ちなみに、今回の話にはあまり関係ありませんが、一般住宅には消火器の設置義務はありません。ただし、アパートやマンションには設置義務があります。

消防設備士【乙6】を取得するメリット・将来性は?

消防設備士【乙6】はおすすめな資格です。その理由を以下にまとめてみました。

①就職や転職に有利

消防設備士【乙6】を取得すると、一例ですが以下のような仕事に就くことができます。

消防設備士

消防設備士として、ショッピングモールなどの商業施設やオフィスビルなどのあらゆる設備の消防設備を点検し、報告書を作成します。

1,000㎥以上の特定防火対象物(病院やカラオケボックス、百貨店等)は半年に1度、有資格者による消防設備士の点検が必要ですので、需要はそこそこあると思われます。

ビルメン

ビルメンとは、ショッピングモールなどの商業施設やオフィスビルなどのあらゆる設備を保全・保守・メンテナンスします。つまり、その名のとおりビルをメンテナンスする仕事です。

その保守業務の一つとして消火器の点検があります。ビルメンの中では比較的珍しい資格だと思いますので、消防設備士を持っていれば重宝されると思います。

電気工事士

電気工事会社とは、家庭の電気関係の修理や電化製品の取付をしてくれる町の電気屋さんを始め、大規模施設の改修や新営に伴う照明器具取付や電気配線等の電気工事をする仕事です。

施設の新営工事や改修工事をする場合は消防設備の着工届や変更届を提出する必要があります。これらは消防設備士の有資格者でないとおこなうことができません。電気工事士の中では比較的珍しい資格だと思いますので、消防設備士を持っていれば重宝されると思います。

②自分で消火器を点検できる

一般住宅には消火器の設置義務が無いので点検する機会はあまりないかもしれませんが、自営業をしていたりアパートやマンションを経営している親戚の方がいれば、消火器の点検・報告書の作成・消防へ報告を手伝ってあげましょう。

消防設備士【乙6】の合格率は?取得にどのくらい費用が掛かる?

消防設備士は以下のサイトから試験の申し込みをすることができます。

一般財団法人 消防試験研究センター

試験は各道府県の当センター支部ごとに実施しています。このため、試験日、試験会場、願書受付期間等が異なります。詳細は各支部のサイトで確認する必要がありますが、概ね夏と冬の年2回試験があります。

試験はマークシートでの4肢択一の筆記試験と実技試験(写真・イラスト・図面等を用いた記述式)で行われ、試験時間は1時間45分です。筆記試験も実技試験もこの時間内で同時に行われます。

また、受験資格は無いので誰でも受験できます。

合格率はどのくらい?

合格率は30~40%程であり、まじめに勉強すれば普通に取れる資格です。

私の場合ですが、合格率が高いので、そこまで真剣に勉強しなくても合格できるかなと甘い考えから試験日の1カ月程前から勉強を始めました。

しかし、勉強始めてみると意外と覚えることが多くて少し焦ったのですが、平均すると1日45分ほど勉強したと思います。一通り参考書を暗記し、予想問題集1冊を完璧に解けるようした状態で試験に挑みました。

ちなみに、消防設備士の試験は過去問が公開されていないので、資格試験の勉強法の王道である過去問を使った勉強ができません。そのため市販されている予想問題集を買って勉強する必要があります。結果は以下のようになりました。

消防設備士は筆記試験と実技試験が共に60%以上あれば合格となります。つまり、実技試験は崖っぷちのギリギリ合格でした。実技試験の内容は私が想定していない問題(大型消火設備やハロン消火設備に関する問題等々…)が多数出題されてしまいました。これが過去問非公開型の試験の怖い所です。

取得費用はどのくらい?

消防設備士乙6取得に掛かる費用をまとめると以下のようになります。

  • 受験申込手数料 … 3,800円(インターネット申し込みの場合)
  • 合格時申請手数料 … 約2,900円(収入証紙)
  • 申請書類送付費 … 784円(書類送付の簡易書留392円+返信用封筒に貼る切手392円)
  • 参考書 … 約6,000円(参考書1冊と予想問題集2冊)

消防設備士【乙6】の免状を受け取るまでの費用は合計13,500円程です。資格試験の中では比較的リーズナブルであると言えます。

おすすめの参考書は?

私の使っていた参考書は「いちばんわかりやすい!消防設備士6類 合格テキスト」、問題集は「本試験型 消防設備士6類問題集」でした。選んだ理由ですが、まず参考書は説明が丁寧でカラーで見やすい所に惹かれました。問題集は参考書と同じ出版社の物を選びました。

参考書は分かりやすく見やすいのでおすすめです。問題集も悪くないとは思いますが、誤植が何点かあるのと、私が受験したときに出題された問題が載ってなかったことがマイナスポイントです。なので問題集は出版社の違うものを2冊準備することを推奨します。

おすすめの勉強方法ですが、まずはしっかり参考書を読みましょう。参考書をしっかり読むことで、予想の難しい実技試験の解答に役立ちます。参考書を読み込んで知識を付けた後に、予想問題集を解きましょう。予想問題集は本番の予行のつもりで解きましょう。

消防設備士の試験は過去問が公開されていないので、予想問題集を頼って勉強を進めると痛い目を見るかもしれません。

 

いかがでしたでしょうか。消防設備士【乙6】の資格はおすすめです。ただし、残念ながらこの資格があれば圧倒的に就職に有利だ!というような資格ではありません。しかし、あると重宝される、いぶし銀のような資格であると思います。

資格のことから身近なことまで、電気に関する質問を募集していますので、何かありましたらコメントまでよろしくお願いします。面白い質問があれば記事にしたいと思います。

ABOUT ME
sumato
電気関係の仕事をしています。設計・積算・現場管理など。資格マニアです。 【取得済】 電験二種・電験三種・エネルギー管理士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士(認定)・第二種電気工事士・消防設備士甲4・乙6