実家が平成30年7月豪雨で被災したときの体験談
私の実家には両親が二人で住んでいました。そんな実家を7月7日の未明、豪雨による洪水が襲いました。私の体験が少しでもみなさまの役に立てばと思い、記事を書かせていただきます。ショッキングな写真もあるかもしれませんので、ご覧いただく際はご注意ください。
7月6日の夜(水害前日)
私も実家の近くに住んでおり、携帯電話に緊急災害速報が頻繁に届いていましたが、水害で実家が浸かるとはまったく考えていませんでした。前日の夜は母に「水害で浸かったら片付けぐらい手伝うから教えてね」と冗談のメールを送りました。そのくらい他人事のように考えていました。
7月7日の朝~(水害当日)
朝起きてテレビのニュースを見ると、地元の水害の映像が映っていました。家の大部分が水害で浸水しているようなショッキングな映像でした。しかし、この映像を見ても「自分の実家はまあ大丈夫だろうな~、今まで大雨でも何ともなかったんだから」と考えていました。
でも少し心配だったので母に電話をしましたが、電話が繋がりません。何度か電話を掛けましたが、結局繋がったのは昼過ぎでした。後から聞いた話だと、実家から避難したり避難先の親戚の家を片づけたり(結局避難先も浸水しました)、刻一刻と水位が増していたため、自分自身のことで精一杯で電話を掛ける余裕が無かったそうです。
電話で母から状況を聞くと、「実家が浸水したので親戚の家に避難したけど、親戚の家も1階天井面ぐらいまで浸水してきた。2階に避難して消防の救助を待ってる。消防が助けてくれるから心配しなくていいよ」とのことでした。とは言うものの、電話からテンパってるのがヒシヒシと伝わってきました。
来なくていいと言われましたが、とりあえず現地に行って両親を迎えに行かないといけないなと思い、僕の住んでるアパートから実家を目指して車で出発しました。
いざ車で出発したものの、いたるところ道路が浸水して通行止めでしたので、普段であれば1時間でたどり着くところが6時間ほど掛かってしまいました。あまりの通行止めの多さと大渋滞で心が折れかけましたが、幸運なことになんとか実家までたどり着くことができました。
実家に着くまで、なぜか分かりませんが「浸水とはいえ、自分の家はそんなに大した被害ではないだろう」と楽観的に考えていました。しかし、実家が近づくにつれ、事の重大さが分かってきました。
実家を見て愕然としました。私の実家は2階の半分ぐらいまで浸水しており、近所の家も全て浸水していました。辺りは警察官や消防の方が沢山いて、さらにヘリコプターが視界に入る範囲で7~8機ほど飛んでおり、今まで経験したことのない異様な雰囲気でした。
両親はボランティアの方のゴムボートにて救出されましたが、救助に時間が掛かったため両親と合流できたのは21時ごろでした。合流後、両親を私のアパートに連れて帰りました。
7月8日の朝~(水害翌日)
両親は急いで避難したため、大事な貴重品等を家に置いたままにしていました。突然水位が増してきて、貴重品を取る時間すら無かったそうです。それらを取りに帰るため、私のアパートから水害のあった実家を目指して出発しました。
相変わらずの大渋滞で、実家の近くまでたどり着くのに3時間ほど掛かりました。なんとか実家の近くにたどり着きましたが、昨日まで通れていた道が通行止めになっていました。交通整理をしていた警察官の方に「実家がこの先にあるので通してもらえませんか」と交渉したのですが、「まだ救助されていない方がおり、緊急車両の通行が優先ですので、地元の方とはいえ通すことができません。家族が取り残されている場合のみ通行を許可します。どうしても通行したい場合は、車から降りて徒歩で向かってください。」との回答でした。このとき、改めて被害の甚大さを思い知らされました。そのため、車を近くのコインパーキングに泊めて、徒歩で実家に向かうことにしました。
実家まで2キロほど歩きましたが、昨日に増して警察官・消防隊・ヘリコプターが増えており、さらには自衛隊の方がたくさん来てくれていました。救急車や自衛隊の車両が頻繁に行き来しており、昨日にもまして異様な光景でした。
自衛隊や業者の方等が必至で団地に溜まった水をポンプで吐き出す作業をしてくれていましたが、結局水がひざ下ぐらいまで引けたのは17時頃でした。ズボンの裾をまくり、水の中を進んで実家にたどり着きました。
外観は案外普通でしたが、家の中は想像を超えて悲惨な状況でした。上の写真はある程度片づけた後の写真ですが、それでも悲惨な状況が分かっていただけると思います。家中の家具家電がグチャグチャになっており、和室の畳は山のように積み上がり、されにヘドロまみれでした。冷蔵庫は反転し、タンスは倒れていました。棚や小さな家電は水に流され位置が変わっていました。
この中から通帳と現金、印鑑、カード、薬などの貴重品を探す必要がありました。まずひっくり返っているタンスを起こそうとしましたが、水にぬれて重量が増していることもありビクともしません。なのでハンマーとマイナスドライバーを使って少しずつ解体して中身を取り出しました。
なんとか大方の貴重品を回収することができましたが、タンスや物の位置がグチャグチャに変わっており、さらに足の踏み場もないほど物が散乱しているため、すべての貴重品を回収することはできませんでした。とりあえずこの日の作業は終了し、私のアパートへ帰宅しました。
7月9日~7月13日(災害翌々日~)
この期間は私の住んでいるアパートから毎日実家へ車で向かい、家中の片づけを進めました。実家の近所の方も片付けに追われている様子でした。
まず家中のものを庭へ放り出す作業を進めました。しかし、水を含んだ家中のものは想像以上に重く、かなりの労力が必要でした。水を含んだ箱ティッシュでさえダンベルのような重量でした。タンスの中の衣類も水を含み、信じられないほど重くなっていました。加えてこの夏の異常な酷暑のせいで、作業も効率よく進みません。当然水や電気などのインフラは全て止まっています。
また、私と両親2人の合計3人で作業しており、両親はあまり重たいものを運ぶことができないため、家具家電は少しずつ解体しながら庭に運びました。庭に出していた震災ゴミはトラックを持っている親戚の方やボランティアの方が引き取ってくれたので、大変助かりました。
これらの作業と同時進行で、罹災証明書の発行や各保険会社(車の車両保険、火災保険、家財保険)とのやりとりを進めました。保険関係の話は水害に備える上で非常に重要ですので改めて後述します。
7月14日~7月16日(3連休日)
この期間は3連休の期間でしたので、関東にいる弟や親戚の方、父の友人等にも作業を手伝っていただきました。さらに災害ゴミを運ぶためにトラックをレンタルしました。
多くの人数で作業をすることができたため、なんとか連休終わりの15日までに家中の震災ゴミを捨てることができました。汚水に浸かっていない2階の押入の上の段のものや2階の棚の上のもの、さらにエアコン5台中2台除き、ほぼすべてのものが震災ゴミになりました。
2階のタンスや棚は全ての部分が汚水に浸かったわけではありませんでしたが、浸かった部分はカビが生えており、再利用することができそうにない状態でしたので少し勿体なかったですが捨てました。
また、この期間に行政の仮設住宅の申し込みが始まりましたので、手続きを進めました。
7月17日~7月25日(掃除期間)
私は平日は仕事に行き、休日のみ実家の手伝いをしました。この期間は残った細々した片付けや、高圧洗浄機による清掃を行いました。しかし、ヘドロを掃除することはできましたが、家の水に浸かった部分はカビだらけであり、家庭用の高圧洗浄機では落とせませんでした。
また、7月25日(震災から約3週間後)には仮設住宅の許可が下り、それまで住んでいた私のアパートから仮設住宅へ引っ越しました。行政の素早い対応には感謝しています。
7月26日~8月24日(床・壁剥がし期間)
この期間は床と壁を剥がし、断熱材を取る作業を行いました。床と壁の中には外気から家を守るための断熱材が入っており、この断熱材が水を吸ってカビの原因となりますので除去してやる必要があります。
リフォームを見据えて、一生懸命床を剥がし、壁の石膏ボードを剥がしました。しかし、ハウスメーカーにリフォームの見積もりをお願いしているものの、待てど暮らせど見積もりが出てくる気配はありません。どうやら過去に例を見ない水害であり、リフォームの見積もりを出すのに相当な時間が掛かっているようです。
8月25日~9月17日(建て替え検討期間)
近所の方の話を聞くところによると、リフォームには相当なお金が掛かりそうであり、さらに団地の中では建て替えを見据えて家を取り壊すところがポツポツ現れてきました。
リフォームするかどうかも分からないのに家の壁の石膏ボードを剥がす作業がおっくうになってきました。さらに、公費で家の解体が可能であるということも追い風となり、だんだんと建て替えに心が動いてきました。
なのでこの期間は建て替えの可能性を見据えて工務店やハウスメーカーを巡っていましたが、ついに9月中旬ごろになってようやく家を建てたハウスメーカーから修繕の見積もりが届きました。見積もりを見て愕然としましたが、最初に家を購入した金額よりも高い金額でした。
これならリーズナブルな価格帯のハウスメーカーで家を建て替えた方が安く済むということが発覚しましたので、家は壊して建て替えようという結論に達しました。
水害に会ってから家の建て替えを決めるまでの流れはこのような感じでした。
水害にあったときの復旧方法について
水害にあったときの復旧方法についてご説明します。主に経験談を元に、時系列順にまとめています。
①当面の住まいを確保する
まずは当面の住まいを確保しましょう。候補としては以下が挙げられます。
- 親戚の家や友人宅
- 学校の体育館などの指定避難所
- 車中泊
- ホテル ※込み合うため、空き部屋が無い可能性があります
- 自宅の2階 ※自宅の2階が浸かっていない場合
②貴重品を回収する
水が引いて被災した家に入れるようになったら、まずは通帳・現金・印鑑・カード・薬(薬手帳)などの貴重品を回収しましょう。各保険の会社名や連絡先が分からない場合は保険証券も併せて探す必要があります。
災害に乗じて窃盗団が入るケースがよくあるそうで、中には自衛隊や消防隊の格好を真似て家に侵入してくるそうです。貴重品だけでもなるべく早く回収しておいた方が安心できます。
また被災した家に入る場合、最低限以下の装備は必ず準備しましょう。被災直後の家はヘドロだらけで汚水も上がってきており、かなりの異臭があります。衛生状態がかなり悪いので、怪我には十分に気を付けましょう。作業後は必ず手洗いと着替えをして、食中毒予防しましょう。
- マスク
- 革手やゴム手袋
- 滑りにくい靴(長靴など)
- 汚れてもいい服装(肌の露出が少ない方が良い)
- 水分補給用の飲み物
- カッパやヤッケ(できれば)
- ゴーグル(できれば)
- ヘルメットや頭に巻くタオル(できれば)
- ヘッドライトや懐中電灯(できれば)
- 手洗い洗剤やアルコールスプレー(できれば)
- 手洗い用の水(水道が使える状態であれば不要です)
③被害状況の写真を撮る
被害状況の写真は今後の罹災証明書の発行や保険の申請で必ず必要となります。まず片づけを始める前に、被災した写真を撮りましょう。写真は撮りすぎぐらい撮っておいた方が安心です。半壊や全壊などの被害認定を行う際に浸水深さが分かる写真が必要です。最低限、以下の写真は撮るようにしましょう。
- 浸水した深さが分かるような家の外観(四方向から)
- 被災の状況が分かるような各部屋の写真
- 浸水した車や家電や家具
- 浸水した深さが分かるような家内部の写真
④各保険会社に連絡する
事前に各種保険の保険証券を準備しておきましょう。電話した際にスムーズに事を進めることができます。保険証券を紛失してしまった場合は、各ホームページから連絡先を調べて電話しましょう。このような非常時の場合は大抵ホームページの目立つところに専用の連絡先が載っています。
ただし、災害に乗じて詐欺をする悪人がいますので、身分証明書の提示をお願いしたり契約内容を確認したりするなど、常に詐欺ではないかどうかを疑ってかかるようにしましょう。お金を振り込ませたりカードの暗証番号を聞いてきたりする場合は確実に詐欺ですので十分に注意しましょう。
火災保険
保険証券の連絡先に直接電話しましょう。火災保険の水災特約に加入しているか不明な場合は、真っ先に確認しましょう。水災特約に加入している場合、後日保険会社の担当者が現地の確認に来てくれます。担当者は被害状況と浸水高さを測定し、保険会社独自の試算で保証金額を計算します。私達一家の場合ですが、保険会社の担当者は最初は補償金額上限の60%の金額を提示し、振込用紙の記入とサインを促してきました。罹災証明書(詳しくは後述します)は全壊判定であり、提示のあった金額に納得がいかなかったので、サインはせずに後日改めて担当者と話し合いをすることにしました。後日あらためて担当者が来てくれましたが、私たちの言い分を認めて全壊と認定していただき、保証金額の上限をお支払いしていただけることになりました。
災害復旧時は疲労やストレスから正常な判断ができない状態であり、保険会社の言われるがままサインするケースが多々あるようです。実際にあった話ですが、近所の方と同じ保険会社でも保証金額のパーセンテージが異なっていました。それが原因で、保証金額の見直しを要求して保険会社とトラブルになっている方もいました。罹災証明書で全壊と判断されているにもかかわらず保険会社が全壊と判断しない場合は、その判断の根拠を尋ねるようにしましょう。契約書やパンフレットにて明確に判断の根拠が載っている場合もありますが、そのような根拠は無く現場の担当者が判断して決めている場合もあるようです。重要なことですので、慎重に判断するようにしましょう。
家財保険
保険証券の連絡先に直接電話しましょう。しばらくすると保険会社の担当者が現地の確認に来てくれます。その際に提出書類を受け取りますが、被害のあった家具家電及びそのだいたいの金額をリストの一覧に記入し、後日それを保険会社に提出します。保証金額が300万円の場合、300万円以上になるようにリストを作成する必要があります。
自動車保険
自動車保険を契約している代理店や保険会社に連絡しましょう。契約内容にもよりますが、浸かった車はレッカー車にて無償で回収してもらえる場合があります。また、車両保険を掛けている場合は補償される場合がありますので、こちらも併せて確認しましょう。
水に浸かってしまった場合は車を修理することは難しいと思いますので、買い替えるか廃車するかの選択になると思います。保険会社の指示に従って廃車の手続きを進めましょう。
⑤罹災証明書を発行する
罹災(りさい)証明書とは、各市町村が災害の被害に遭われた方の申請より、家屋の被害状況を調査し、その被害状況に応じて「全壊(浸水高さ1階の天井まで)」、「大規模半壊(浸水高さ床上1mまで)」、「半壊」、「一部損壊(床下浸水)」を認定・証明するものです。こちらの内閣府のホームページも参考にご覧いただけたらとおもいます。
各市町村からのあらゆる支援を受けるために必要ですので、絶対に罹災証明書は取得しましょう。
罹災証明書取得に伴う手続き上、被害状況の認定のために各市町村の職員が現場確認をおこなうのが通常の流れですが、大規模な災害の場合は迅速な対応をするために現場確認が省略される場合があります。その場合は③項目の被害状況の写真が必須ですので、準備しておきましょう。
⑥家の中の物を処分する
最低限、「②貴重品を回収する」と同様の準備が必要です。汚水に浸かった家具家電はほとんど使用できませんので処分しましょう。ただし、以下のものは再使用が可能性な場合があります。
- エアコンの室外機(新しい製品ほど再使用できる確率が上がります)
- トイレ(電気系統が濡れた場合は使えなくなる可能性が高いです)
- 一枚板を使用している棚・タンス(合板は洗浄してもカビが生えるので不可)
- 防水型の携帯電話
- 衣類(汚水に浸かっていた時間が短い場合)
- 食器(キッチンハイターなどで必ず消毒しましょう)
家の片付けは大変な重労働です。身内や友人だけでは片付けが不可能な場合があると思いますので、その場合は市町村のホームページを確認してボランティアの依頼をしましょう。インターネットの環境が使えない場合は最寄りの避難所に行き、ボランティアの依頼をするようにしましょう。避難所には大勢のボランティアの方がいますので、手続きの方法などを丁寧に教えてくれるはずです。
⑦市町村のホームページまたは避難所にて情報を仕入れる
市町村のホームページや避難所にて最新の情報を仕入れましょう。状況は刻一刻と変わりますので、逐一最新の情報をチェックする必要があります。参考までに、被災者が受けることのできる支援は以下のようなものがあります。
- 住宅の応急修理制度(仮設住宅を利用しない場合、最大57万4千円上限で修繕できます)
- 被災者生活再建支援金(家を建て替え等する場合、最大300万円支給されます)
- 義援金の配分や都道府県・市町村の見舞金制度
- 支払いの猶予や減免措置
- 仮設住宅や借り上げ住宅など、当面の住まいの提供
- 被災した住宅の取り壊し(公費解体)
- 床下や屋内の簡易消毒
- 支援物資の配布
⑧リフォーム・建て替え・移住 etc…、今後を考える
少し落ち着いてきたこのタイミングで今後のことを考えましょう。2階の床上まで浸水した場合はリフォーム費用が莫大になりますので、リフォーム以外の選択肢を考えた方がいいかもしれません。私の場合はリフォームを見据えて家の壁を剥がしたり床を剥がしたりしていましたが、リフォーム費用が高すぎて断念しました。このようなリフォームに向けた取り組みで、多くの時間を無駄にしてしまったことが悔やまれます。
なぜ水害のリフォーム費用が想像より遥かに高い金額になるのかというと、以下の理由になります。
- 床や壁の内側の汚水を吸収している断熱材を取り除く必要がある(カビの原因となる)
- 断熱材を新たに施工する必要がある
- 汚水に浸かった石こうボードはすべて取り替える必要がある
- 合板や集成材などの木材は全て取り替える必要がある(カビの原因となる)
- 床下の泥を除去する必要がある(悪臭の原因となる)
- カビや悪臭を防ぐための消毒が必要である
このように、リフォームはかなり大掛かりな工事となってしまいます。予算が少ない場合は公営住宅の入居や中古マンションの購入も選択肢に入ると思います。お困りの場合は各市町村の担当窓口に相談に行くというのも手です。
水害の対策・備えについて
水害なんて会うわけがないと思っていた私が水害にあいました。みなさまの身にも同様に水害にあう可能性があります。水害が来る可能性を予期して事前に対策をしていれば、安全に避難できるだけでなく、被害にあった後の復旧も数倍速くなると思います。
私が体験して学んだ、水害の対策・備えについて以下にまとめてみました。
①都道府県や市町村のハザードマップを確認する
インターネットの検索エンジンにて「自分住んでる地域」と「ハザードマップ」の2ワードを入力しましょう。そうすると各自治体のハザードマップがヒットします。自分の住んでいる地域がどのくらい浸水する可能性があるのかを事前に調べておきましょう。
例えば、最大でも1階天井付近までしか浸水しないであろう地域は、2階に貴重品をしまうようにしておくと安心です。家全体が浸かってしまうような地域の方は、いざというときのために本格的に水害対策をしておきましょう。
②火災保険に水災補償が入っているか確認する
ハザードマップを確認して浸水の恐れがある方は水災補償のある火災保険に入っておくことを強くおすすめします。水災だけを補償する保険はありませんので、火災保険に水災補償特約が付くようになります。
まずは保険証券見て補償内容を確認しましょう。保険証券などの補償内容が分かる資料が無い方は必ず取り寄せておきましょう。水災補償に入っていない場合は、保険会社によって途中で水災補償を追加できる可能性がありますので問い合わせてみましょう。追加できない場合は、現在の契約を解約し、新たに別の火災保険に加入する必要があります。
私の実家の場合、水災補償に加入していたため、大変助かりました。ですが、保険証券は紛失しており(契約者番号と保険会社名と補償金額のみ別の資料で分かりました)、詳しい契約内容が不明の状態でした。後に「残存物取片づけ費用保険金」等の特約があったことが発覚しましたが、すでに保険金が振り込まれた後だったため、適用の可否を確認するタイミングを逃してしまいました。保険証券があれば加入している特約の内容が全て分かりますので、それと照らし合わせて補償内容の確認をすることができるので安心です。
③避難時に持ち出す大事な貴重品をリストアップしておく
通帳・現金・印鑑・カード・薬(薬手帳)・保険証券などの貴重品はあらかじめリストアップしておき、災害時にはすぐに持ち出せるようにしておきましょう。実際の災害時は数秒避難が遅れると、命に関わる場合もあります。あらかじめ、素早く非難できるようにシミュレーションしておきましょう。
④避難時の服装を準備しておく(考えておく)
災害に備えて、避難時の服装を準備して(考えて)おきましょう。動きやすい運動靴と雨風や寒さをしのぐカッパは必須です。この際気を付けることは、長靴を履いて非難しないことです。長靴の上部から水が入ると動けなくなってしまいます。サンダルも水の中ですぐ脱げてしまうのでNGです。
⑤車を退避させる場所を考えておく
洪水などの水害の発生が予見される場合、あらかじめ水の来ない高い場所に車を避難させておきましょう。この際、通路などの通行に支障が出る場所に車を置いては絶対ダメです。事前に車の退避場所を考えておけば、震災時にパニックにならずに済みます。もし被災後に車が無い場合は移動がとても不便になってしまいます。レンタカーを手配するのも、当面の間は予約が込み合っているため難しいです。震災後の復旧に車は欠かせませんので、水害の危険がある場合は早めに車を退避させましょう。
⑥家の中の不用品は処分しておく
家の中の物はなるべく少なくしておくと、震災後の片付けが非常に楽になります。我が家はいらないものをたくさんとっていたので、震災ゴミの片付けにとても苦労しました。本や服は水を吸うと信じられないぐらい重くなりますので、不要なものがある場合はあらかじめ処分しておきましょう。
いかがでしたでしょうか。同じような境遇の方に、私の経験が少しでもお役に立てばうれしいです。