電気の資格

電験三種 5択の選択肢から正答を選ぶコツや考え方について

選択問題の正答の選び方のコツについて

電験3種は5択から1つを選んで回答する方式です。そのため、答えが分からなくても正解を勘で当てることができてしまいます。正答の確率が高い選択肢の選び方のコツについてお伝えしたいと思います。試しに、令和3年度電験三種の論説問題を見ていきたいと思います。勉強の骨休めに見ていただけると幸いです。(あくまで正答の選び方のコツについての解説ですので、原理や理屈が間違っていることがあると思いますことご了承ください)

ポイントは以下の三つです。個人的な見解ですので、参考までにお願いします。

  1. 限定的な言い方は誤っている選択肢である可能性が高い。
    例 :~のみ ~だけ 等
    理由:例えば、「3は奇数である」は正しいが、「奇数は3のみである」という言い方は間違いであるように、範囲の狭い限定的な言い方は誤りの可能性が高いです。
  2. 重要ではなさそうな選択肢は誤っている可能性が高い。
    理由:正しい選択肢は例外なく重要なことを言っています。そもそも重要でなければ、正しい選択肢として選ばれることはありません。なぜなら、電験三種は電気の知識として重要なことを知っているかどうかを確認するテストだからです。
    例えば、「検電をするのに絶縁手袋は必要ない」のように、仮に必要がないのであれば、こんな取るに足らない情報は正しい選択肢になり得ない(必要が無いのなら問題に出しません)、という観点から誤りである可能性が高いと判断できます。
  3. 常識的に考えて正しいか間違っているかを判断する。
    補足:意味の分からない、意味の通じない選択肢も誤りの可能性が高いです。

 

令和3年理論 問11 ※正しいものを選ぶ

(1)ゲルマニウム( Ge )やインジウムリン( InP )は単元素の半導体であり,シリコン( Si )やガリウムヒ素( GaAs )は化合物半導体である。

(2)半導体内でキャリヤの濃度が一様でない場合,拡散電流の大きさはそのキャリヤの濃度勾配にほぼ比例する。

(3)真性半導体に不純物を加えるとキャリヤの濃度は変わるが,抵抗率は変化しない

(4)真性半導体に光を当てたり熱を加えたりしても電子や正孔は発生しない

(5)半導体に電界を加えると流れる電流はドリフト電流と呼ばれ,その大きさは電界の大きさに反比例する。

考え方:(3)と(4)は「変化しない」や「発生しない」等、あまり重要では無さそうなこと言っています。こういった選択肢は間違いの可能性が高いです。
(1)は単元素なのに元素が二つあったり、化合物なのに元素が一つあったりするので、これは間違いだなと判断できます。
(5)は電界(電圧)が増えたら、オームの法則から考えると、電流も増えるんじゃない?反比例はなんとなく違うっぽいな~ということで、消去法で(2)が答えです。
【正解(2)】

 

令和3年電力 問3 ※誤っているものを選ぶ

(1)ボイラを水の循環方式によって分けると,自然循環ボイラ,強制循環ボイラ,貫流ボイラがある。

(2)蒸気ドラム内には汽水分離器が設置されており,蒸発管から送られてくる飽和蒸気と水を分離する。

(3)空気予熱器は,煙道ガスの余熱を燃焼用空気に回収することによって,ボイラ効率を高めるための熱交換器である。

(4)節炭器は,煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱することによって,ボイラ効率を高めるためのものである。

(5)再熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し,再び高圧タービンで仕事をさせるためのもので,熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。

考え方:(5)の赤字の部分ですが、”高圧タービンで仕事をした蒸気”をなぜまた”高圧タービンで仕事をさせる”のか、常識的にそんなことがあり得るのか?なんの意味があるのか?ということで、間違いだなと判断できます。
【正解(5)】

 

令和3年電力 問5 ※誤っているものを選ぶ

(1)原子力発電は,原子燃料の核分裂により発生する熱エネルギーで水を蒸気に変え,その蒸気で蒸気タービンを回し,タービンに連結された発電機で発電する。

(2)軽水炉は,減速材に黒鉛,冷却材に軽水を使用する原子炉であり,原子炉圧力容器の中で直接蒸気を発生させる沸騰水型と,別置の蒸気発生器で蒸気を発生させる加圧水型がある。

(3)軽水炉は,天然ウラン中のウラン235の濃度を35程度に濃縮した低濃縮ウランを原子燃料として用いる。

(4)核分裂反応を起こさせるために熱中性子を用いる原子炉を熱中性子炉といい,軽水炉は熱中性子炉である。

(5)沸騰水型原子炉の出力調整は,再循環ポンプによる冷却材再循環流量の調節と制御棒の挿入及び引き抜き操作により行われ,加圧水型原子炉の出力調整は,一次冷却材中のほう素濃度の調節と制御棒の挿入及び引き抜き操作により行われる。

考え方:軽水炉は減速材と冷却材に軽水を使用すると知っていれば(2)が間違いであると気が付きます。
減速材に黒鉛を使うことがあるのかな?と思って調べたところ、どうやら「黒鉛炉」という原子炉があるようです。知らなかった…。
”軽水炉は減速材と冷却材に軽水を使用する”ということを知らなかった場合、本当に勘だけで選択肢を選ぶとすると、(3)を選んでしまいそうです。数字引っ掛け(235が実は238、3~5が実は5~7等)を疑ってしまうと思います。
【正解(2)】

 

令和3年電力 問6 ※誤っているものを選ぶ

(1)太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合は,インバータにより直流を交流に変換する。連系保護装置を用いると,系統の停電時などに電力の供給を止めることができる。

(2)分散型電源からの逆潮流による系統電圧上昇を抑制する手段として,分散型電源の出力抑制や,電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われる。

(3)小水力発電では,河川や用水路などでの流込み式発電が用いられる場合が多い。

(4)洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では,海底ケーブルによる直流送電が用いられることがある。ケーブルでの直流送電のメリットとして,誘電損を考慮しなくてよいことなどが挙げられる。

(5)一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。

考え方:常識的に判断して、電池って熱を持ちそうだな、電池なのに吸熱することがあるかな?発熱反応が正しいのでは?ということで、(5)を選ぶことができそうです。
【正解(5)】

 

令和3年電力 問8 ※誤っているものを選ぶ

(1)断路器は消弧装置をもたないため,負荷電流の遮断を行うことはできない

(2)断路器は機器の点検や修理の際,回路を切り離すのに使用する。断路器で回路を開く前に,まず遮断器で故障電流や負荷電流を切る必要がある。

(3)断路器を誤って開くと,接触子間にアークが発生し,焼損や短絡事故を生じることがある。

(4)断路器の種類によっては,短い線路や母線の地絡電流の遮断が可能な場合がある。

(5)断路器の誤操作防止のため,一般にインタロック装置が設けられている。

考え方:(4)ですが、断路器は負荷電流を遮断できないということを知っていれば、地絡電流なんて遮断できるわけがないだろうということで、(4)が誤っていると判断できます。それに、(4)の選択肢は”短い線路や母線の地絡電流”というところも意味がよく分からず、誤りだと判断できるかもしれません。
【正解(4)】

 

令和3年電力 問11 ※誤っているものを選ぶ

(1)電力ケーブルの絶縁体やシースの熱抵抗,電力ケーブル周囲の熱抵抗といった各部の熱抵抗を小さくすることにより,ケーブル導体の発熱に対する導体温度上昇量を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。

(2)表皮効果が大きいケーブル導体を採用することにより,導体表面側での電流を流れやすくして導体全体での電気抵抗を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。

(3)誘電率,誘電正接の小さい絶縁体を採用することにより,絶縁体での発熱の影響を抑制することができるため,許容電流を大きくすることができる。

(4)電気抵抗率の高い金属シース材を採用することにより,金属シースに流れる電流による発熱の影響を低減することができるため,許容電流を大きくすることができる。

(5)電力ケーブルの布設条数(回線数)を少なくすることにより,電力ケーブル相互間の発熱の影響を低減することができるため, 1 条当たりの許容電流を大きくすることができる。

考え方:表皮効果が悪いことであると知っていれば、(2)を選択することができると思います。
【正解(2)】

 

令和3年電力 問12 ※誤っているものを選ぶ

(1) 電線1線当たりの抵抗が等しい場合,中性線と各電圧線の間に負荷を分散させることにより単相2線式と比べて配電線の電圧降下を小さくすることができる。

(2) 中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡な状態で中性線が切断されると,容量が大きい側の負荷にかかる電圧は低下し,反対に容量が小さい側の負荷にかかる電圧は高くなる。

(3) 中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡であると,平衡している場合に比べて電力損失が増加する。

(4) 単相100V及び単相200V2種類の負荷に同時に供給することができる。

(5) 許容電流の大きさが等しい電線を使用した場合,電線1線当たりの供給可能な電力は,単相2線式よりも小さい

考え方:単相3線式は単相2線式と比較して、何かと優れているということを知っていれば(5)を選択することができると思います。それに、(5)が正しいとした場合、他の選択肢と比較してあまり重要ではないため、逆説的に誤りだと判断できそうです。
【正解(5)】

 

令和3年電力 問14 ※誤っているものを選ぶ

(1) 導体の導電率は,温度が高くなるほど小さくなる傾向があり,20 ℃ での標準軟銅の導電率を100 %  として比較した百分率で表される。

(2) 導体の材料特性としては,導電率や引張強さが大きく,質量や線熱膨張率が小さいことが求められる。

(3) 導体の導電率は,不純物成分が少ないほど大きくなる。また,単金属と比較して,同じ金属元素を主成分とする合金の方が,一般に導電率は小さくなるが,引張強さは大きくなる。

(4) 地中送電ケーブルの銅導体には,伸びや可とう性に優れる軟銅より線が用いられ,架空送電線の銅導体には引張強さや耐食性の優れる硬銅より線が用いられている。一般に導電率は,軟銅よりも硬銅の方が大きい

(5) 鋼心アルミより線は,中心に亜鉛めっき鋼より線を配置し,その周囲に硬アルミより線を配置した構造を有している。この構造は,必要な導体の電気抵抗に対して,アルミ導体を使用する方が,銅導体を使用するよりも断面積が大きくなるものの軽量にできる利点と,必要な引張強さを鋼心で補強して得ることができる利点を活用している。

考え方:(4)ですが、一般的なケーブルに採用されている銅が軟銅であるということを知っていれば、よく使うケーブルに使用されている銅の方が導電率が高いはずだという推測ができるため、(4)が誤っていると判断できます。
【正解(4)】

 

令和3年機械 問3 ※誤っているものを選ぶ

(1)かご形誘導電動機では,回転子の導体に用いる棒の材料を銅から銅合金に変更すれば,等価回路の二次抵抗の値が増大するので,定格負荷時の効率が低下する。

(2)巻線形誘導電動機では,トルクの比例推移により,二次抵抗の値を大きくすると,最大トルク(停動トルク)を発生する滑りが小さくなり,始動特性が良くなる。

(3)巻線形誘導電動機では,外部の可変抵抗器で二次抵抗値を変化させ,大きな始動トルクと定格負荷時高効率の両方を実現することができる。

(4)二重かご形誘導電動機では,始動時に回転子スロット入口に近い断面積が小さい高抵抗の導体に,定格負荷時には回転子内部の断面積が大きい低抵抗の導体に主要な二次電流を流し,大きな始動トルクと定格負荷時高効率の両方を実現することができる。

(5)深溝かご形誘導電動機では,幅が狭い平たい二次導体の表皮効果による抵抗値の変化を利用し,大きな始動トルクと定格負荷時高効率の両方を実現することができる。

考え方:二次抵抗の値を大きくすれば滑りも大きくなるということを知っていれば、(2)が誤っていると判断できます。(この問題は解き方のコツというより、純粋に知識が必要な問題でした)
【正解(2)】

 

令和3年機械 問8 ※誤っているものを選ぶ

(1)ブラシレス DC モータは,固定子巻線に流れる電流と,回転子に取り付けられた永久磁石によってトルクを発生させる構造となっている。

(2)ブラシレス DC モータは,回転子の位置により通電する巻線を切り換える必要があるため,ホール素子などのセンサによって回転子の位置を検出している。

(3)ブラシ付きの直流モータに比べ,ブラシと整流子による機械的接触部分がないため,火花による電気雑音は低減し,モータの寿命は長くなる。

(4)ブラシ付きの直流モータに比べ,位置センサの信号処理や,駆動用の制御回路が必要となり,モータの駆動に必要な周辺回路が複雑になる。

(5)ブラシレス DC モータは効率がよくないため,エアコンや冷蔵庫のような省エネ性能が求められる大型の家電製品には利用されていない

考え方:これはサービス問題です。(5)の選択肢ですが、文章は限定的な言い方です。なおかつ、”エアコンや冷蔵庫のような省エネ性能が求められる大型の家電製品には利用されていない”という文章が仮に正しいとした場合、たいして重要ではない文章となりますので、逆説的に(5)が誤っていると判断できます。
【正解(5)】

まとめ

すべての場合に当てはまるわけではありませんが、どうしても答えが分からず困った場合は参考にしてみてください。他にもこんなコツがあるよ、といった情報があればぜひ教えていただきたいです。

資格のことから身近なことまで、電気に関する質問を募集していますので、何かありましたらコメントまでよろしくお願いします。面白い質問があれば記事にしたいと思います。

—(以下、過去の記事の考察も参考に置いておきます)———————————

平成29年 問1

水力発電所に用いられるダムの種別と特徴に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)重力ダムとは、コンクリートの重力によって水圧などの外力に耐えられるようにしたダムであって、体積が大きくなるが構造が簡単で安定性が良い。我が国では、最も多く用いられている。

(2)アーチダムとは、水圧などの外力を両岸の岩盤で支えるようにアーチ型にしたダムであって、両岸の幅が狭く、岩盤が丈夫なところに作られ、コンクリートの量を節減できる。

(3)ロックフィルダムとは、岩石を積み上げて作るダムであって、内側には、砂利、アスファルト、粘土などが用いられている。ダムは大きくなるが、資材の運搬が困難で建設地付近に岩石や砂利が多い場所に適している。

(4)アースダムとは、土壌を主材料としたダムであって、灌漑(かんがい)用の池などを作るのに適している。基礎の地質が、岩などで強固な場合にのみ採用される。

(5)取水ダムとは、水路式発電所の水路に水を導入するため河川に設けられるダムであって、ダムの高さは低く、越流形コンクリートダムなどが用いられている。

このように、言い切る選択肢は誤りの可能性が高いです。
【正解(4)】

 

平成29年 6

電力系統で使用される直流送電系統の特徴に関する記述として、誤っているものを次の(1)(5)のうちから一つ選べ。

(1) 直流送電系統は、交流送電系統のように送電線のリアクタンスなどによる発電機間の安定度の問題がないため、長距離・大容量送電に有利である。

(2) 一般に、自励式交直変換装置では、運転に伴い発生する高調波や無効電力の対策のために、フィルタや調相設備の設置が必要である。一方、他励式交直変換装置では、自己消弧形整流素子を用いるため、フィルタや調相設備の設置が不要である

(3) 直流送電系統では、大地帰路電流による地中埋設物の電食や直流磁界に伴う地磁気測定への影響に注意を払う必要がある。

(4) 直流送電系統では、交流送電系統に比べ、事故電流を遮断器により遮断することが難しいため、事故電流の遮断に工夫が行われている。

(5) 一般に、直流送電系統の地絡事故時の電流は、交流送電系統に比べ小さいため、がいしの耐アーク性能が十分な場合、がいし装置からアークホーンを省くことができる

(2)は「高調波や無効電力の対策のため」に必要な「フィルタや調相設備」が不要であるとあります。仮に不要ならば、重要な情報ではないので、逆説的に誤りであると判断できそうです。
【正解(2)】

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sumato
電気関係の仕事をしています。設計・積算・現場管理など。資格マニアです。 【取得済】 電験二種・電験三種・エネルギー管理士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士(認定)・第二種電気工事士・消防設備士乙6