電気の資格

令和4年度上期 電験三種【法規】を解いてみた(感想と解き方のコツ)

令和4年度上期 電験三種【法規】を解いてみた

電験の知識を錆び付かせないために、令和4年度上期 電験三種【法規】を解いて見ました。

ちなみに、私は令和3年度電験二種試験に合格しています。しかし、はっきり申し上げますと、この法規科目を『6割以上取れる自信が無い!』です。なぜなら、大半を忘れてしまっているだろうからです(キリッ)。

過去の知識の遺産と、勘で当てる方法を駆使して、何点取れるのかやってみたいと思います。

 

結果は…

65点でした!

後一問でも外すと6割以下でした。

解いてみての感想ですが、合っているか自信が無い問題が大半であり、非常に難しく感じました。

自信ありで正解:問3、8、12(a)、12(b)、13(a)、13(b)

自信なしで正解:問1、5、10、11(b)、

不正解:問2、4、6、7、9、11(a)

特に、A問題に難問が多い印象です。過去問でも見たこと無いような問題が出題されているように思います。過去問に出題されていたかどうかは、今後検討してみたいと思っています。

この難しさだと、合格率もかなり低いことが予想されます。簡単に解くことができたのは、問8、問12(a,b)、問13(a,b) だけでした。法規科目に関しては、計算問題をいかに落とさずに解くことができるかが、合格にカギを握ってくると思います。

参考に、私の解き方・考え方を紹介させていただきます。私が思う難易度も評価してみました。間違っているところがあるかもしれませんこと、ご了承ください。(もし、間違いがありましたらコメント等もらえると大変ありがたいです)

令和4年度上期 電験三種 法規科目

【正解の答え】問1:(4) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】
1問目から早速、解けません(汗)。
(エ)は確実に「提出」だと分かりました。仮に「作成」が正解だとすると、「作成させるだけでいいの?」となってしまうので、消去法で導きました。
(ウ)の「検査要領書」は聞いたことが無かったので、「もしかしたら安全管理審査のときの書類のことなのかな、でも聞いたことないよな…。」というわけで、「保安規定」が正解だと分かりました。

ラッキーなことに、(ウ)と(エ)が分かれば、(4)に絞りきれたので、(4)を選択したところ正解でした。

【正解の答え】問2:(1) 難易度:
私の結果 ⇒ 不正解(4)

【考え方】
悔しいことに、まったく分かりませんでした。過去問でも見たことないと思います。参考書にも載ってるのかな?と思って調べましたが、TACの教科書には載ってました。すげぇ…。

(イ)は、電気と言えば「制御装置」だ!と思い、(4)を選択しましたが、全然違いました。

【正解の答え】問3:(3) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】
(1)14m㎡に少し引っ掛かるな、分からんなぁ。
(2)高圧なのにD種で良かったっけ?制御装置だからいいのかな?分からんなぁ。
(3)高圧なのにLAにD種は絶対違うなあ。この選択肢は間違いだな。
(4)、(5)は、(3)が間違いなので、正しいのでしょう。

というわけで、(3)を選んだところ正解でした。

【正解の答え】問4:(3) 難易度:
私の結果 ⇒ 不正解(4)

【考え方】
(1)、(2)なんとなく正しそう。文章も短いので、アラ(間違っているところ)が無さそう。
(5)高圧なのでA種で正しそう。
(3)高さの制限は分からんなあ。人が触れないところに施設するのだから、正しいのでは?
(4)うっすらした記憶では、垂直の6mは正しい気がするけど、でも常識的に考えて、支持点間が6mって、長すぎない?どうも間違っているっぽいんだよなぁ。

というわけで、(4)を選択しましたが、外れていました。
後から調べたところ、(3)は高さ制限が云々ではなく、「接触防護措置」が施されていなという点で、誤りの選択肢だったようです。ムズカシ!

【正解の答え】問5:(2) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】(ウ)の「切断」と、(エ)の「倒壊」は分かったので、(2)または(4)までは絞れました。(ア)は、「他の工作物より、架空電線が下にある場合、何か影響があるのかな?無いよな?」というわけで「上方又は側方」が正しいと判断しました。

というわけで、(2)を選択したところ正解でした。

【正解の答え】問6:(5) 難易度:
私の結果 ⇒ 不正解(4)

【考え方】
これまた、過去問で見たことが無いような気がします。
(イ)は、過去の経験上、瞬間で「高調波」だと思いました。(ウ)は「断続的」だろうなと判断しました。

というわけで、(4)を選択したころ不正解でした。
電技解釈155条等からの出題のようです。調べてもよく分からなかったのですが、(ア)と(イ)の根拠は、電技解釈の何条を根拠にしているのだろう?電技解釈51条??
私では分からなかったので、過去問を解説してくださる「電験王」さんのサイトが更新されるのを待つことにします。

【正解の答え】問7:(5) 難易度:
私の結果 ⇒ 不正解(4)

【考え方】
(ア)は、瞬間で「対地」を選びました。電圧ときたら対地でしょ!
(エ)は、瞬間で「金属管」を選びました。水の中で金属管を施設したら錆びるので、「合成樹脂管」が正解だろう。

というわけで、(4)を選択したところ不正解でした。
(ア)を「対地電圧」を選んでしまったのは安直すぎました。反省しています。
しかし、(エ)は、なぜ「金属管」でないとダメなのだろう。腐食耐性よりも、丈夫さのほうが重要ということなのでしょうか。

【正解の答え】問8:(5) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】
「遮断したら風車が高速回転しないように注意が必要」ということは知ってましたので、(ア)は「遮断」を選択。
(イ)は「運転中に『落雷』」では意味が通じないので、「振動」を選択。
(ウ)は「停止」しても問題(悪影響)にならなそうだから、問題になりそうな「起動」を選択。

というわけで、(5)を選択したところ正解でした。

【正解の答え】問9:(5) 難易度:
私の結果 ⇒ 不正解(3)

【考え方】
これまた激ムズです。電力供給がひっ迫している、最近の社会情勢問題から出題されました。過去問でも見たことが無いと思います。

もうまったく分かりませんでしたが、(ア)が「送配電等業務指針」だと思ったので、(3)を選択したところ不正解でした。
この問題を正解できた方は、どういった勉強方法なのか、とっても知りたいです。新聞とかを読めばこのような知識が身に付くのでしょうか?

【正解の答え】問10:(2) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解

【考え方】
この問題は、電験界隈ではよくある、「難しそうに見えて、よく読めば実は簡単な問題」に違いない。よし、読んでみよう。…。分からん!!!過去問でも見た記憶がありません。計算自体は簡単ですが、読み解くまでに時間が掛かるので、難易度は☆4としています。
こういうときは、正解っぽい数字の(3)「10」を当てはめて、計算してみよう。
9[A]で10[Ω]ということは、オームの法則より90[V]となる。
OCRが動作したら、OCRの接点が外れるので、抵抗は10+10=20[Ω]となる。
このときの電流は、90[V]÷20[Ω]=4.5[A] ≠ 3[A]なので、不正解だな。
仮に、最初の仮定を(4)「15」を当てはめた場合、15[Ω]×9[A]=135[V]となり、100[V]の電源より大きな数字になるから不正解だろう。

というわけで、(2)「5」を当てはめて計算したところ、見事3[A]にたどり着き、正解でした。

【正解の答え】問11(a):(3)、問11(b):(3)
私の結果 ⇒ (a)不正解(2)、(b)正解

【考え方(a)】 難易度:
漏えい電流の…最大値…?過去問でも見た記憶が無いな(このコメントばっかり(汗))。
最大使用電流の1/2,000[A]が漏えい電流の上限値だったような記憶があるため、とりあえず最大使用電流を求めてみよう。
使用電圧が105[V]ということは、50,000[VA]÷105[V]=476.2[A]なので、476.2[A]÷2000=0.238[A]と計算できたため、(2)を選択したところ、不正解でした。

答え合わせの際にどうやって計算するのか考えました。単相3線式なので、以下のような電流の流れになります。

つまり、字と絵が絶望的に下手なのは置いといて、238[A]÷2000=0.119[A]が配線1本あたりの漏えい電流の最大値であり、これが3本あるのだから、0.119[A]×3[本]=0.357[A]が正解なのではないかと推測されます。

【考え方(b)】 難易度:
上の手書きの図のように、最大使用電流は238[A]となる。そのため、漏えい電流の最大値は0.119[A]なので、105[V]÷0.119[A]=883[Ω]となったため、(3)を選択したところ正解でした。
(a)と(b)の繋がりがよく分からないなあ。もしかすると解き方が違っているのかもしれません。

【正解の答え】問12(a):(3)、問12(b):(2)
私の結果 ⇒ 両方正解

【考え方(a)】 難易度:
ようやく簡単な問題が出題されました。この問題は確実に正解したいところです。
0.7(需要率)=(100[kVA]×台数) / (800[kW]/0.9(力率)) を計算し、6.22台となるので、整数にすると7台、したがって(3)を選択し正解でした。

【考え方(b)】 難易度:
0.6(月負荷率)=平均電力/622(kVA(最大電力)) より、平均電力は373.2[kVA]と求まります。
0.3732[MVA]×0.9(力率)×30[日]×24[h]=242[MWh]となり、(2)を選択したところ正解でした。

【正解の答え】問13(a):(3)、問13(b):(2)
私の結果 ⇒ 両方正解

【考え方(a)】 難易度:
これまた令和4年度上期試験においては、相対的に非常に簡単な問題ですので、合格のためには確実に点を取っておきたいところです。
12[h]×60[分]×60[s]×10=432×10^3となるので、(3)を選択したところ正解でした。
ちなみに、24[h]で計算すると間違いなので注意が必要です。発電中は貯水量が増えないので、12時間で計算する必要があります。

【考え方(b)】 難易度:

まず、発電機出力[kW]を求めるために、流量Qpを計算します。上の図より、発電していない時間の貯水量の面積(80+40)と、発電中のピークの流量Qpから自然流量10[㎥/s]を引いた値に、ピーク流量時の発電時間[10h]を掛け合わせたものの面積が吊り合えばよい、つまり図の面積が120となればよいので、Qpは22[㎥/s]と計算できます。
9.8×22[㎥/s]×80[m]×0.9(水車効率)×0.95(発電機効率)=14,700[KW]となるので、(2)を選択したところ正解でした。

解いてみての感想(4科目通して)

電験の勉強から9カ月程離れていましたが、かなりの好成績を収めることができました。

しかし、上記リンクから解いてみた軌跡を見ていただけると分かると思いますが、「非常に曖昧な知識で何となく正解している」という状況です。

おそらく、私以外の電験合格者の大多数も、このような感じではないでしょうか。(え、これだけテキトーなのは私だけ??)

なので、電験の勉強中の皆様には、「私のようにこれだけ適当でも合格点には手が届く」場合があるということを知っていただき、根気強く勉強を頑張って頂きたいです。分からないことでも勉強を続けていれば、そのうち分かるようになるし、結局わからないままのこともありますが、それでも合格は勝ち取れます。

 

いかがでしたでしょうか。
今後も、電験に関する記事を書いていきたいと思います。

ABOUT ME
sumato
電気関係の仕事をしています。設計・積算・現場管理など。資格マニアです。 【取得済】 電験二種・電験三種・エネルギー管理士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士(認定)・第二種電気工事士・消防設備士甲4・乙6