令和4年度上期 電験三種【電力】を解いてみた
電験の知識を錆び付かせないために、令和4年度上期 電験三種【電力】を解いて見ました。
ちなみに、私は令和3年度電験二種試験に合格しています。
しかも、Twitter等のうわさでは「令和4年度上期 電験三種【電力】科目」はそこまで難しくないとのことです。
ということは、さすがに6割は得点できるのではないかな~と、盛大に不合格のフラグを立てますが、過去の知識の遺産と、勘で当てる方法を駆使して、何点取れるのかやってみたいと思います。
結果は…
75点でした!
思ったほど簡単では無かったな…。というのが正直な感想です。しかし、機械科目や法規科目に比べて、見たことも聞いたこともないような絶望的な難易度の問題は少なかったように思います。
B問題は電験二種二次試験の範囲であり、電験二種の勉強をしている方には簡単な問題だったかもしれません。(私は6問中、2問外しましたが…)
特に、問16、問17あたりは、電験三種ではあまり見かけないような問題かなと思いましたが、過去問で出題されていたかどうかについては、今後考察してみたいと思っています。
自信ありで正解:問2、3、4、8、9、10、13、15(a)、15(b)、16(a)、16(b)
自信なしで正解:問6、7、11、14
不正解:問1、5、12、17(a)、17(b)
しかし、改めて見直してみると、「自身なしで正解」している問題が少ないので、やっぱり難易度は比較的低かったのだと思います。
参考に、私の解き方・考え方を紹介させていただきます。私が思う難易度も評価してみました。間違っているところがあるかもしれませんこと、ご了承ください。(もし、間違いがありましたら、コメント等もらえると大変ありがたいです)
令和4年度上期 電験三種 電力科目
【正解の答え】問1:(3) 難易度:
私の結果 ⇒ 不正解(4)
【考え方】
1問目から早速、解けません(汗)。
(1)うん。そのとおり。
(2)だぶんそうでしょう。
(3)わ、忘れた…。水車ごとの特徴は、もはや覚えていない。
(5)同様に忘れた…。
(4)さすがに無人化な訳はなくない?絶対だれか人はいるよね?
というわけで、(4)を選択しましたが不正解でした。どうやら水力発電所は無人化されているようです。
【正解の答え】問2:(3) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
特にヒネリもなく、(ア)~(オ)まで分かりました。(3)を選択し、正解でした。
【正解の答え】問3:(4) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
19[MW]=19[MJ/s]=19×3,600[MJ/s]=68,400[MJ/s]…①
3,550[kJ/kg]-2500[kJ/kg]=1,050[kJ/kg]
1,050[kJ/kg]×80[t/h]×1,000=84,000[MJ/s]…②
②に発電機効率(0.95)とタービン効率を掛けた値が、①になればよいので、
84,000×発電効率(0.95)×タービン効率=68,400より、
タービン効率=0.86となるため、(4)を選択したところ正解でした。
【正解の答え】問4:(2) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
(1)燃料は低濃縮ウランで合ってたっけ?多分正しいだろう。
(2)うん。そうです。
(3)たぶんそうでしょう。
(5)うん。そうです。
(4)これは確実に違う。沸騰水型原子炉の最大のデメリットは、炉心上部には蒸気発生器があり、炉心下部に制御棒があることだ。そのため、電源が無いと制御棒を制御できない。
その点、加圧水型原子炉は、炉心上部に制御棒があるので、電源が切れても自重の重力により、炉心に制御棒を落とすことができる。
というわけで、(4)を選択し正解でした。
【正解の答え】問5:(2) 難易度:
私の結果 ⇒ 不正解(4)
【考え方】
(ア)「水平」、(エ)「大きい」、(オ)「電力変換装置」は分かったものの、答えが絞り込めない…。「風力」=「3乗」という、ざっくりとした記憶しかない…。
というわけで、(4)を選択しましたが不正解でした。
【正解の答え】問6:(3) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
(1)、(2)、(4)、(5)→そうだね。
(3)(I^2)×Rが損失なのだから、「電圧に反比例」ではなく、「電圧の2条に反比例」すると思うんだけどな…。
というわけで、(3)を選択したところ正解でした。
【正解の答え】問7:(1) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
わ、分からん…。推測で当てるしかない。
(エ)反応速度が速いんだから、「瞬時特性」でしょ。
(ウ)「瞬時特性」を(エ)で使用したから、「定限時特性」だろう。
(ア)、(イ)どっちかが「反限時特性」、どっちかが「反限時定限時特性」だろう。(イ)の方が反比例のカーブが緩やかなので、(イ)が「反限時定限時特性」だろう。
というわけで、(1)を選択したところ正解でした。
【正解の答え】問8:(5) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
2,000[kW]/0.9(力率)=√3*20[kV]×I
を解くと、I=64.15[A]となり、
(64.15[A]^2)×9[Ω]×3[本]=111[kW]となったため、(5)を選択し正解でした。
【正解の答え】問9:(3) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
(1)、(2)、(4)、(5)そうだね。
(3)フェランチ効果は負荷が軽い場合に発生しやすいので誤り。
というわけで、(3)を選択したところ正解でした。
【正解の答え】問10:(2) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
(ア)「軽い」、(イ)「長い」、(ウ)「大きい」、(エ)「サブスパン」、(オ)「ギャロッピング」だな。
というわけで、(2)を選択して正解でした。
これはサービス問題だと思います。
【正解の答え】問11:(5) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
(1)~(4)うん、そうだと思う。
(5)少なくとも、地絡事故にパルスレーダ法は使えないと思うんだよね。
というわけで、(5)を選択したところ正解でした。
【正解の答え】問12:(4) 難易度:
私の結果 ⇒ 不正解(3)
【考え方】
(ア)「10~100kVA」だと思うんだけどなあ。50[kVA]の柱上変圧器を見たことあるし。
(イ)たぶん「低損失化」だと思う。
(ウ)これは「避雷器」だな。
(エ)V結線の出力と効率の比較問題は、いつまでたっても覚えられないんだよな…。V結線の利用率は「√3/2」、出力は「1/√3」となる。
というわけで、結局いろいろとこんがらがってしまい、(3)を選択して不正解でした。
【正解の答え】問13:(4) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
(1)、(2)、(3)、(5)→見たことある。
(4)DV線は低圧しか見たことない。
というわけで、(4)を選択したところ正解でした。
【正解の答え】問14:(4) 難易度:
私の結果 ⇒ 正解
【考え方】
(1)、(2)、(3)、(5)うん、そうだね。
(4)電流遮断の際に、電極間でアーク放電を発生させないなんてことが、技術的にあり得るの?なんだか怪しいなあ。
というわけで、(4)を選択し正解でした。
【正解の答え】問15(a):(5)、問15(b):(3)
私の結果 ⇒ (a)正解、(b)正解
【考え方(a)】 難易度:
電動機の電力P[kW]=(9.8×450[m]×Q(流量)[㎥/s])/(0.9×0.98)
Q(流量)[㎥/s]×t(時間)[h]×3,600[s]=1,800,000[㎥]より、
Q(流量)[㎥/s]×t(時間)[h]=500[(㎥/s)・h]
よって、Pt[kW・h]=2,500,000[kW・h]=2,500[MW・h]
となったので、(5)を選択して正解でした。
【考え方(b)】 難易度:
300,000[kW]=(9.8×450[m]×Q(流量)[㎥/s])/(0.9×0.98)より、
Q=60.0[㎥/s]となったため、(3)を選択し正解でした。
公式さえ覚えていれば解ける問題です。
【正解の答え】問16(a):(4)、問16(b):(3)
私の結果 ⇒ 両方正解
【考え方(a)】 難易度:
電験二種の二次試験対策でよく勉強したような内容です。
80[MVA]=√3×11[kV]×I[kA]より、
I=4.2[kA]
4.2[kA]/0.98=21.21[kA]となったため、
上位の(5)「25kA」を選択したところ正解でした。
(4)を選択し、正解でした。
【考え方(b)】 難易度:
あんまり電験三種の問題で見ない気がする内容です。そのため難易度を☆4としました。
(80[MVA]/50[MVA])×12[%]=19.2[%]
(19.2[%]/(18.3[%]+19.2[%]))×40[MVA]=20.5[MVA]となったため、(3)を選択し正解でした。
【正解の答え】問17(a):(4)、問17(b):(2)
私の結果 ⇒ (a)不正解(2)、(b)不正解(3)
【考え方(a)】 難易度:
cosθ=0.7なので、sinθは0.714と計算できる。※sin^2θ+cos^2θ=1
6,600[V]-6,450[V]=√3I[A](((0.45[Ω/km]×5)×0.7)+((0.35[Ω/km]×5)×0.714))より、I=30.66[A]
よって、P1[W]=√3×6,450[V]×30.66[A]×0.7(力率)=240,000[W]=240[kW]となり、(4)を選択すれば正解のところを…
試験あるあるですが、√3を掛けるのをど忘れしてしまい、正解が選択肢に無いと迷走した結果、(2)を選択して不正解でした…。
【考え方(b)】 難易度:
(a)が解けなかったため、勘で(3)を選択し不正解でした。
真面目に解く場合、cosθ=0.8より、sinθ=0.6となるので、再度この条件で電圧降下を計算し、端子電圧を再計算します。
新たに求めた端子電圧と、cosθ=0.8より、sinθ=0.6を代入してP2[kW]を求めると、274[kW]と求まります。
解いてみての感想(4科目通して)
電験の勉強から9カ月程離れていましたが、かなりの好成績を収めることができました。
しかし、上記リンクから解いてみた軌跡を見ていただけると分かると思いますが、「非常に曖昧な知識で何となく正解している」という状況です。
おそらく、私以外の電験合格者の大多数も、このような感じではないでしょうか。(え、これだけテキトーなのは私だけ??)
なので、電験の勉強中の皆様には、「私のようにこれだけ適当でも合格点には手が届く」場合があるということを知っていただき、根気強く勉強を頑張って頂きたいです。分からないことでも勉強を続けていれば、そのうち分かるようになるし、結局わからないままのこともありますが、それでも合格は勝ち取れます。
いかがでしたでしょうか。
今後も、電験に関する記事を書いていきたいと思います。