家計管理をなんとなくで済ませていると、「一年頑張って働いたのに、振り返るとほとんど貯金が増えていない……」ということになりがちです。

そんなときは、まず固定費変動費に分けて整理してみるのがおすすめです。

1 固定費って?

家計における固定費とは、生活する上で欠かすことができない、毎月ほぼ決まって出ていく出費のことを言います。例えば、家賃や携帯電話代などがそれにあたります。

固定費・変動費を書き出す手順

「固定費」と「変動費」を頭の中だけで考えていると、どうしてもモヤっとしてしまいます。紙やノート、エクセル、家計簿アプリなど、何でも良いので、実際に数字を書き出してみるのが一番です。

私がやっている手順は次のとおりです。

  1. 通帳・クレジットカードの明細を1〜3か月分ひらく
  2. 「毎月ほぼ同じ金額で出ていくもの」にマーカーをつける(家賃・通信費・保険料など)
  3. マーカーをつけた項目を「固定費リスト」に書き写す
  4. それ以外の支出を「変動費リスト」に分類していく
  5. 固定費・変動費それぞれで「月額 → 年額」に計算し直す

ポイントは、「1か月分だけで考えない」ことです。

例えば、

  • NHK受信料や火災保険料のように年払いのもの
  • 車の車検のように2年に1回のもの

は、年額または2年分の金額を12か月で割って、「1か月あたりいくら払っているか」に直しておくと、全体のバランスが見やすくなります。

以下で、実際にわが家の固定費を例として挙げてみます。30代前半の夫婦二人暮らしです。最初にご説明しておきますが、「車の車検」と「車の12カ月点検」はそれぞれ2年に1回ずつありますので、年額の計算はそれぞれの費用を半分にして計算しています。

項目 月額 年額
家賃 60,000円 720,000円
駐車場代(2台目) 6,000円 72,000円
携帯電話代(2台) 9,600円 115,200円
光インターネット代 4,600円 55,200円
電気代 6,000円 72,000円
ガス代 7,000円 84,000円
上下水道代 7,000円 84,000円
車の保険料(2台分) 70,000円
医療保険料 2,800円 33,600円
生命保険料 2,300円 27,600円
火災保険料 11,500円
車の車検(2台分)※2年に1回 60,000円
車の12カ月点検(2台分)※2年に1回 5,800円
自動車税(2台分) 69,000円
ジム費用 4,600円 55,200円
NHK受信料 14,000円
合計 1,549,100円

税金や厚生年金等々、給料から天引きされる費用を差し引いた私の年収(手取り)は 3,600,000円ですので、そこから固定費を差し引くと 2,050,900円 残る計算になります。

2 変動費って?

家計における変動費とは、食費や交際費などのように、毎月一定ではない変動する費用のことです。参考に、とある月の変動費は以下のようになりました。

項目 月額(目安) 年額(概算)
食費 35,000円 420,000円
娯楽費(ゴルフ代等) 12,000円 144,000円
交際費(飲み会等) 4,000円 48,000円
旅行費(※月平均) 10,000円 120,000円
交通費(ガソリン代) 10,000円 120,000円
冠婚葬祭費(ご祝儀等・※月平均) 4,000円 48,000円
雑費(ゴミ袋、歯磨き粉等) 10,000円 120,000円
合計 1,020,000円

私の年収(手取り)から固定費を除いた費用は 2,050,900円ですので、そこからさらに変動費 1,020,000円を除くと、1,030,900円が残ります。つまり、最大で年間約103万円を貯金することができる試算となりました。

ただし、大型家電を購入したり、交通違反の切符を切られたり、病気になって治療費が掛かったり、車を傷つけて修理したり……etc、不測の事態については考慮していませんのでご注意を。

不測の出費とボーナスの扱い方

先ほどは、あえて「不測の出費」を考慮しない形でシミュレーションをしました。

しかし実際の生活では、

  • 冷蔵庫や洗濯機などの大型家電の故障・買い替え
  • 車の故障やタイヤ交換
  • 病気やケガによる医療費
  • 親族の冠婚葬祭が続く

といった臨時支出が、毎年のように何かしら発生します。

そこで私の家では、

  • 年間の目標貯金額とは別に
  • 「突発出費用の予備費」として年間◯万円

をあらかじめ確保するようにしています。

具体的には、ボーナスがある年は、

  • 手取りボーナスのうち、◯割 → 予備費(別口座に移す)
  • 残りで旅行や欲しいものを買う

というルールを作っておき、「ボーナスが出たから全部使う」のではなく、「ボーナスで将来のトラブルに備えておく」イメージでお金を振り分けています。

この「予備費」があると、思わぬ出費が起きても家計が大きく崩れにくくなり、精神的にもかなり楽になります。

ご家庭によっては、これからさらに教育費や養育費、介護費などが掛かってきますので、ライフプランも意識しながら変動費を考えてみてください。

3 今一度、固定費・変動費に無駄がないか見直そう

作成した表を見直してみて、無駄がないか確認しましょう。例として、私の家計の固定費を見直してみます。

まず家賃ですが、年間72万円の費用が掛かっています。ダントツで一番費用が高いです。今より家賃の安いアパートに引っ越すことができれば、固定費を削減することができます。

次に携帯電話代ですが、私の携帯はMVNO(格安SIM)で契約しており月額1,600円ですが、妻の携帯は大手キャリアで契約しているため月額8,000円掛かります。つまり私が妻を説得して料金の安いMVNO(格安SIM)に乗り換えしてもらえば、固定費を削減することができます。これは今まさに現在進行形で、乗り換えに向けて準備を進めてもらっています。

光熱費などの固定費を下げる具体的なアイデア

固定費の中でも、電気代やガス代・水道代といった光熱費は、「いきなり半分にする」ような大幅カットは難しい一方で、ちょっとした工夫でじわじわと効いてくる項目です。

例えば、

  • エアコンや暖房器具の設定温度を1℃見直す
  • 長時間つけっぱなしの照明を、省エネタイプのLEDに交換する
  • 使っていない家電の待機電力を減らす(スイッチ付きタップの活用など)
  • お風呂のお湯の温度・時間を見直す

など、「一度習慣化してしまえば、自動的に節約できる工夫」を取り入れるのがおすすめです。

電気関係の仕事をしている立場から言うと、特にエアコンや電気ヒーターなどの暖房器具は消費電力が大きく、使い方によって電気代が大きく変わります。

光熱費の具体的な節約方法については、別の記事でも詳しく書いていますので、よろしければそちらも参考にしてみてください。

4 固定費・変動費を整理して年間の貯金額を決めよう

こうやって固定費・変動費を整理すると、自分が何にお金を使っているのかイメージしやすくなります。「なんだかよくわからないまま漠然とお金を使って、1年を振り返ってみるとまったく貯金できていない!」なんて人はたくさんいると思います。

繰り返しになりますが、まずは家計の固定費・変動費を整理して、年間の目標貯金額を決めましょう。

ちなみに、私の年間の目標貯金額は120万円です。年収から固定費を除くと約205万円であり、そこから目標貯金額を引くと85万円残ります。85万円を12カ月で割ると約7万円ですが、つまり変動費を1カ月7万円以内に抑えることができれば、年間120万円を貯金することが可能となります。

このようにひと月の予算を決め、それに収まるように節約することが、無理なく貯金できるコツとなります。

よくあるつまずきポイントQ&A

Q. 固定費と変動費の境界がよくわかりません。
A. 「生活を維持するために毎月必ず払う必要があるもの」を固定費、それ以外を変動費と考えると分けやすいです。ただし厳密に線を引く必要はなく、「自分の基準」で決めてOKです。大事なのは、同じ基準で毎年比較できることです。

Q. 家計簿が続きません……。
A. いきなり完璧を目指さず、「固定費だけ」「クレジットカード払いだけ」など、1つの項目に絞って記録するのがおすすめです。月に1回、「固定費・変動費の表を更新する日」を決めてしまうのも習慣化のコツです。

Q. 目標貯金額はどうやって決めればいいですか?
A. 私は、「無理しなくても続けられそうだけど、少し頑張りが必要なライン」を目安にしています。将来のライフプラン(住宅購入、子どもの教育費など)を考えつつ、まずは1年間やってみて、その後で見直していくくらいの感覚で大丈夫です。

貯金ができなくてお悩みな方は、ぜひ固定費・変動費を整理してみてください。