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電験二種(電気主任技術者試験)の勉強法と合格法について
令和3年度に電験二種を受験し、合格を勝ち取ることができました。電験二種の勉強法と合格法について、大事な11個のポイントをお伝えしたいと思います。
「11個って多いな!」と自分でも思いますが、そのうちの1つだけでも見ていただいた皆様の参考になれば幸いです。
電験二種(難関資格)合格のための11個のポイントについて
私自身、電験二種には非常に苦しめられました。難易度が高すぎて、勉強のやる気がまったくもって湧いてきませんでした。過去の日記を見てもらえると、私の苦悩を分かってもらえると思います。
どうすれば電験二種に合格できるのか、考えに考え抜いた結果、11個の重要なポイントを考案しましたので、優先順位が高い方から順にお伝えしていきます。
勉強方法は人それぞれ向き不向きがあると思いますが、参考にしていただけると幸いです。
【勉強法の11個のポイントについて】
- スマートフォン(スマホ)を遠ざける
- 10分でもいいので勉強の習慣を付ける
- 試験問題を予想して範囲を絞って勉強する
- 決めた範囲を繰り返し学習する
- アウトプットを意識して勉強する
- 30分程度でこなせる目先の目標を毎回立てる
- 決めた範囲を見直してみる
- 睡眠をしっかりとる
- 人がいるところで勉強する
- 寝る前に今日の自分を褒める
- 軽い運動をする
①スマートフォン(スマホ)を遠ざける
これが断トツで重要なポイントです。以下の書籍を見ていただけると、スマートフォンのヤバさが分かると思います。
スマホをついつい触ってしまう方は、ぜひこの本を読んでほしいです。
この本を読んで気が付いたのですが、今まで勉強に身が入らなかったのは、スマホ依存が原因でした。この本を読むまで、私がスマホ依存であることに気が付きませんでした。
思い返せば、空き時間があればスマホを触ってしまい、一度触ってしまうとスマホを長時間見ていました。
そして、勉強のやる気が無くなっていき、結局勉強しないというのがいつものパターンでした。
そこで私は、スマホは麻薬と同じであるという認識を持ち、なるべくスマホを遠ざける努力をしました。
まず、今まで使っていた最新機種のiPhoneを、中古で買った古いiPhoneに取り替えました。こうすることにより、利便性をあえて下げ、スマホの依存度を下げるように考えました。
さらに、携帯を2台持ちとし、1台を仕事用(仕事で使用するアプリやLINEが入っている)、もう1台を勉強用(通話の機能のみを持つように制限)としました。
人間は意思の弱い生き物であると自覚し、徹底的に勉強できる環境を作ることが重要だと思います。
ついついテレビを見てしまうような方は、思い切ってテレビを捨ててしまうというのも選択肢だと思います。
②10分でもいいので勉強の習慣を付ける
次に、勉強の習慣付けが非常に重要です。
1日10分間だけでもいいので、勉強する習慣を付けるようにしましょう。ついつい、「仕事が忙しいから勉強できない」とか、「今日は疲れてるから勉強しなくていいや」などと甘えてしまいがちですが、とは言えもちろんそんな日があってもいいのですが、どんなことがあっても1日10分だけは勉強するようにしましょう。
忙しい日はトイレの中や、通勤の電車の中、就寝前等、頑張って10分間の勉強時間を確保しましょう。
歯磨きや入浴はどんなに忙しくても毎日行うように、違和感なく勉強を習慣付けてしまうことが非常に重要です。
とりあえず毎日勉強に取り掛かるという習慣が身に付けば、勉強が苦で無くなると思います。人間は行動に取り掛かるのに非常に大きな意志力とエネルギーを使います。
とりあえず勉強に取り掛かってしまえば、後は自然にやる気が出てくるため、気分が乗ってくれば10分といわず、30分、1時間と勉強を続けましょう。
③試験問題を予想して範囲を絞って勉強する
この「範囲を絞って勉強する」ということも非常に重要です。なぜなら電験二種の二次試験の範囲は膨大であり、全てを網羅して勉強することは不可能だからです。
範囲を絞ることにより、勉強範囲外から問題が出題される可能性がありますが、そんなときは潔く諦めるしかありません。
もしかしてこんな人がいるかもしれません。「いや、全てを網羅して勉強したけど、普通に合格できたよ?」
断言できます。そんなあなたは超天才です。速やかに電験一種にお進みください。
この試験範囲を絞るのは、可能な限りギュッと絞ることをお勧めします。特に初受験で勉強の足りていない方は範囲を絞った方がいいと思います。
ここで試験範囲を絞り切れない場合、結局どの分野も勉強が中途半端になってしまい、試験で思うように回答できなくなってしまうと思います。
令和3年度の二次試験に受験した私の場合、潔く以下のように範囲を絞りました。
※ただし、範囲を絞った結果、令和3年度の二次試験の電力・管理では勉強していなかった速度調定率が出題され、機械・制御ではほとんど勉強していなかった誘導機が出題されました。範囲を絞る以上、このようなケースが出てきますが、これは仕方がないと思います。
曖昧に広い範囲を勉強するより、絞った範囲をキッチリ勉強するほうが得点に結びつくと思います。
【電力・管理】
・超簡単なものを除き、水力発電を捨てる(水力発電は昨年度に出題されたため)
・「分布負荷の計算」や「電力円線図」のような近年出題されている問題を捨てる
・出題が予想される過去問を厳選して約30問に絞る
・論説問題の短文の問(例えば「自然循環ボイラの仕組みを述べよ」等)を150問作成し、その答えの重点部分のみ暗記する)
【機械・制御】
・超簡単なものを除き、誘導機を捨てる(3年連続出題されていたため)
・パワエレを捨てる
・論説問題は勉強しない
・出題が予想される過去問を厳選して約30問に絞る
④決めた範囲を繰り返し学習する
これも非常に重要です。時間が経つと、人間は勉強したことを忘れます。
忘れるということは仕方がないことなので、忘れてしまっても「人間は忘れる生き物だから仕方ないや」ぐらいに考えてしまえば良く、自分を責めてはいけません。モチベーションの低下に繋がります。
なるべく忘れないようにするためには「繰り返し勉強する」しか方法はありません。私の場合、2~3週間で決めた範囲を1周するように勉強していました。
2~3週間で1周するためには相当ハイスピードで勉強をする必要があるため、計算問題の場合は序盤の問題(例えば小問(1)や(2))のみ手を動かして解くようにして、後半の問題(例えば小問(3)や(4))は頭の中で解くようにする等して、スピードアップを図っていました。
また、後半の難しい問題(例えば小問(5))は潔く飛ばすこともありました。この1周するスピードが遅いと、最初の方に勉強した内容を忘れてしまいます。
そのため、この周回速度はなるべく早い方が望ましいと思います。
⑤アウトプットを意識して勉強する
良くない勉強法の1つとして、「参考書を読む」が挙げられます。参考書を読んで勉強した気になったものの、この勉強したことを試験本番でアウトプットできなければ意味がありません。
そのため、アウトプットを意識した勉強が必要です。計算問題であれば、分からない問題は答えを見ながら勉強するのではなく、一度答えを暗記した後に、答えを見ずに回答すると効果的です。
答えを見て正解を確認するだけでなく、実際に回答できるか、アウトプットができるかを確認する必要があります。
論説問題の場合は、暗記カード(例えば表面に問題、裏面に答えを書いたもの)を作成する等して、クイズ形式での勉強が効果的です。
参考書を見ただけでは、覚えた気になっているだけとなる可能性が高く、暗記カードのようにアウトプットを確認する必要があります。
⑥30分程度でこなせる目先の目標を毎回立てる
集中力を保ったまま勉強を長時間続けることは困難です。そのため私の場合、「30分勉強したらコーヒー飲んで少し休憩しよう」、「30分勉強したらおやつを食べよう」、「30分休憩したら音楽を聴こう」等、30分後に休憩するようにしていました。
ただし、気分が乗る場合は30分を超えて勉強しました。このように区切りを意識して勉強することにより、勉強にメリハリが付くと思います。
⑦決めた範囲を見直してみる
③で勉強の範囲を決めましたが、しっくりこなければ範囲の見直しが必要です。
例えば、勉強範囲を広く設定しすぎたことにより、周回速度が遅くなってしまう場合は、さらに勉強範囲を絞る必要があると思います。
逆に勉強範囲を狭く設定しすぎたことにより、勉強範囲をほぼほぼ覚えてしまった場合は、さらに勉強範囲を広げる必要があります。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったものですが、勉強範囲のCheck(評価)及びAction(改善)も重要です。
⑧睡眠をしっかりとる
睡眠は大事です。睡眠を削ってまで勉強するのは、ストレスを貯めてしまうのでおすすめできません。
社会人は特にそうですが、ストレスを貯めたままの勉強は、心を疲弊させてしまいます。疲れた時は無理に長時間勉強せず、10分間だけ勉強して、早めに寝てしまいましょう。
明日の自分に期待です。
⑨人がいるところで勉強する
私の場合だけかもしれませんが、自宅で一人で勉強していると、ついつい布団に入って寝てしまいます。
そのため、誰かがいるリビングで勉強したり、図書館や有料自習室等、人がいるところでの勉強がおすすめです。誰かほかに人がいた方が勉強に集中できる気がします。
⑩寝る前に今日の自分を褒める
勉強をしっかり頑張れた場合は寝る前に自分を褒めましょう。「今日はこれだけ勉強できた」、「今日は今まで解けなかった問題が解けるようになった」等です。
忙しくてあまり勉強できない日もあると思いますが、そんなときは無理やりでもいいので、よかったところを探して褒めましょう。
「仕事がこんなに忙しかったのに、昼休みに10分間勉強できた」、「今日は仕事でヘトヘトだったのに、寝る前に暗記カードで勉強できた」等です。
自分の陰ながらの努力は誰にも認められなかったとしても、少なくとも自分自身はこれを認めて、達成や成長を一緒に喜ぶことができます。
このように褒めることにより、勉強のモチベーションアップに繋がると考えます。
⑪軽い運動をする
私は自転車に乗って5km先の図書館や自習室等に行き、勉強をしていました。
今思うと、自転車に乗るという軽い運動が、ストレス解消や勉強のモチベーションアップに繋がっていたと思います。
また、勉強が煮詰まってきて、やる気が低下したときは、気分転換によく散歩に出ていました。
これもリフレッシュには最適でした。軽い運動にはメンタルを整える効果や、ストレス解消等の効果が期待できます。
ただし注意点ですが、激しい運動はあまりおすすめできません。勉強をするというのはかなり心身に負担がかかる行為だと考えます。
さらに激しい運動で体に負荷を掛けると、勉強をするための気力と大量が奪われてしまいます。
ちなみにですが、車で図書館や自習室に行ってから勉強すると、なぜか勉強のやる気があまり上がりませんでした。
これは私だけに当てはまる現象なのかもしれませんが、なるべく自転車を使うように心掛けていました。
いかがでしたでしょうか。
以上が電験二種合格のための11個のポイントです。
自分自身で試行錯誤を重ねた結果、ポイントが増えすぎてしまいましたが、参考にしていただけると幸いです。
令和4年度からは電験一種合格に向けてボチボチ頑張りたいと思います。皆様も共に頑張りましょう。